舞台「プルートゥ PLUTO」3年ぶり開幕、森山未來「初演とは違った衝撃を」

「プルートゥ PLUTO」フォトコールより。

浦沢直樹×手塚治虫長崎尚志プロデュースによる「PLUTO」を原作とした舞台「プルートゥ PLUTO」が、本日1月6日に東京・Bunkamura シアターコクーンにて開幕。去る5日に行われた取材会には、アトム役の森山未來、ウランとヘレナ役を演じる土屋太鳳、ゲジヒト役の大東駿介、お茶の水博士役の吉見一豊、アブラー役の吹越満、天馬博士役の柄本明に加え、演出と振り付けを務めるシディ・ラルビ・シェルカウイが登壇した。

「PLUTO」は、手塚治虫による「鉄腕アトム」の中の1エピソード「地上最大のロボット」を、浦沢とストーリー共同制作の長崎が手塚眞の監修を受けてリメイクした作品。舞台は2015年にも上演され、演出と振り付けを担当するラルビやキャストの森山、柄本、吉見は前作からの続投となる。

3年ぶりの上演を迎え、ラルビは「初演から3年の間に我々も成長しましたし、世界の情勢も大きく変化しました。この作品を再演できることの喜びを感じながら、素晴らしいキャストと魔法のような時間を過ごしています」と述べる。森山も今回の公演について、本読みを行った際を振り返り「ラルビが言ったようにこの3年間、世界でいろんなことが起こっていて、その中でこの本を読むとさらに突き刺さるものがあった。その感覚を大事に稽古をさせていただきました」と述懐。「初演とはまた違った衝撃が得られる作品になっているので、ぜひ劇場に足を運んでいただければと思います」と呼びかけた。

同作が初舞台となる土屋。「舞台はすごいです……宇宙でした」と例え、「この宇宙にこれからはたくさんのお客さんがいらっしゃるので、その心を感じながらしっかりウランとヘレナを演じたいと思います」と意気込む。初演を観劇していたという大東は「圧倒されたと同時に『こんなことができたらいいな』と思っていた舞台に今こうして出ることができて、すごく幸せなことだなと思います」と喜びを噛みしめる。「未來くんを筆頭に太鳳ちゃん、ダンサーの皆さんの身体表現が圧倒的で。観ていて惹き込まれます。それぞれが新しいアイデアを持ち寄って日々成長していくというのが刺激的で、充実した稽古でした」とこれまでの日々を振り返った。

さらに取材会には初演にも出演し、今作でも日本公演のみに特別出演するロボットのPepperが登場。ラルビの呼びかけにより「わーい!」と声を上げながら、元気に取材陣の前に姿を表したPepperは「またこの舞台に立てて光栄です。前回よりパワーアップした演技を皆さんにお届けしたいと思います」とやる気を見せた。なおPepperが出演するのは本日1月6日夜、17日昼夜の計3公演のみとなる。

なお取材会とあわせて行われたフォトコールでは、アトムとゲジヒト、アトムの妹・ウランが出会うシーンをはじめ、人間を殺害した唯一のロボット・ブラウ1589についてお茶の水博士が語る場面や、世界最高峰の頭脳を持つ科学者・アブラーの登場シーン、昏睡状態に陥ったアトムを天馬博士が見守る場面などを公開。マンガの枠線を彷彿とさせる舞台美術や、原作本の映像をブロックに投影させる演出、高い身体能力を生かしたダンサーたちによる軽やかなパフォーマンスなど、シンプルながらもキャスト陣の豊かな身体を駆使したラルビの演出が光った。

「プルートゥ PLUTO」の東京公演は1月28日まで実施。2月にはイギリス、オランダ、ベルギーで海外公演を行い、3月9日から14日までは森ノ宮ピロティホールにて大阪公演が展開される。

シアターコクーン・オンレパートリー2018 手塚治虫生誕90周年記念 鉄腕アトム「地上最大のロボット」より「プルートゥ PLUTO」

東京公演

日程:2018年1月6日(土)~28日(日)
会場:Bunkamura シアターコクーン

イギリス・ロンドン公演

日程:2018年2月8日(木)~11日(日)
会場:Barbican Theatre

オランダ・レーワルデン公演

日程:2018年2月15日(木)~17日(土)
会場:Stadsschouwburg De Harmonie

ベルギー・アントワープ公演

日程:2018年2月22日(木)~24日(土)
会場:deSingel Red Hall

大阪公演

日程:2018年3月9日(金)~14日(水)
会場:森ノ宮ピロティホール

原作:「PLUTO」(浦沢直樹×手塚治虫 長崎尚志プロデュース 監修/手塚眞 協力/手塚プロダクション)
演出・振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ
出演:森山未來、土屋太鳳、大東駿介、吉見一豊、吹越満、柄本明、上月一臣、大植真太郎、池島優、大宮大奨、渋谷亘宏、AYUMI、湯浅永麻、森井淳、笹本龍史

(c)原作:『PLUTO』(浦沢直樹×手塚治虫 長崎尚志プロデュース 監修/手塚眞 協力/手塚プロダクション) イラスト(c)浦沢直樹 スタジオ・ナッツ 長崎尚志 手塚プロダクション/小学館