手塚治虫「火の鳥」初の絵本化、連載70周年を記念して

「火の鳥 いのちの物語」

手塚治虫「火の鳥」原作とする絵本「火の鳥 いのちの物語」が発売された。絵本化は「火の鳥」が今年で連載70周年を迎えることを記念して、初めて行われたものだ。

刊行のきっかけは、同作を手がけた絵本作家・鈴木まもるが出演したラジオ番組を、手塚プロダクション関係者が偶然聴いたことによるものだという。鈴木が子供の頃から手塚治虫のファンであり多大な影響を受けたこと、今は絵本作家のほかに鳥の巣研究の第一人者でもあることを知った手塚プロダクションが、絵本化をオファーし実現に至った。

手塚プロダクションの取締役・手塚るみ子氏は絵本を「『火の鳥』が一番に伝えたいメッセージが、まるで美しい空のように、やさしい風の調べのように、子供の心を捉えてくれたら。そう願う一冊です」と評している。また鈴木からもメッセージが到着した。

手塚るみ子コメント

手塚治虫の『火の鳥』は学級図書で子供が初めて出会う手塚作品の1つです。
ただ物語が壮大すぎて、ちょっと難しい物語に感じるかもしれません。
私自身もずっと、「どう生きるべきか」を突きつけられる、難しく厳しい人間の業のドラマだと思ってきました。けれど生命というテーマを描くのに、じつは人間ドラマはそれほど必要なく、むしろ生き物たちに語られてこそ、その大切さがより鮮明に見えてくるということをこの絵本を読んで気づかされました。
『火の鳥』が一番に伝えたいメッセージが、まるで美しい空のように、やさしい風の調べのように、子供の心を捉えてくれたら。そう願う一冊です。

鈴木まもるコメント

子供のころから手塚治虫先生の大ファンでした。中学生の時、月刊誌に「火の鳥」が連載され始め、その壮大な世界観、生命への賛歌などに心打たれ、何度読んだかわかりません。まさかまさかで、今回、小さなお子さんからわかる「火の鳥」の絵本を描くことになりました。最初は恐れ多くて心が乱れましたが、火の鳥が巣にいるところの絵を描いたら、火の鳥が嬉しい世界を教えてくれて、楽しく絵が描けました。小さなお子さんが、この絵本から、手塚先生の大きな世界に入るきっかけになってくれたらうれしいです。