「すずめの戸締まり」上映会で花澤香菜と新海誠が10年ぶり登壇「おばあちゃん役でも」

左から花澤香菜、新海誠監督。

劇場アニメ「すずめの戸締まり」のBlu-ray / DVD発売を記念した上映会「すずめの戸締まり」“おかえり上映”の舞台挨拶が本日9月20日に東京・TOHOシネマズ日比谷で行われ、新海誠監督、岩戸椿芽役の花澤香菜が登壇した。

「言の葉の庭」以来、「君の名は」「天気の子」「すずめの戸締まり」と、継続して花澤を起用してきた新海監督。ともに舞台挨拶に登壇するのは「言の葉の庭」公開時の舞台挨拶以来だと振り返った新海監督は「こんな機会をいただけてうれしいです」と感謝を告げる。また今回の“おかえり上映”について「『すずめの戸締まり』は2023年の9月を描いたつもりだったので、このタイミングで上映できるといいよねという話はしてきた。それが実現できてうれしい」と語った。

また本日発売されたBlu-ray / DVDに収録されている映像と、“おかえり上映”で観られる映像にはわずかな違いがあると述べる新海監督。「物語の最後に、これまで上映したバージョンには入ってない一言が入ってます」と新海監督が語ると、花澤も「映画館で聞きたいですね!」と興奮気味に話す。さらに新海監督は「あとこれは本当にマニアの人向けなんですけど、前半でも1カ所だけ息を追加していて。(松村)北斗くんが演じているキャラクターが何かを押しているシーンがあるんですけど(笑)、そこにカットを追加しました。北斗くんにも言ってません」と細部へのこだわりを明かした。

そして舞台挨拶では、これまで新海監督作品で花澤が演じてきたキャラクターをまとめた映像を上映。「久しぶりに聞いてちょっと鳥肌たちました」と語る新海に対し、花澤は「ちっとも変わらない(笑)」と笑いながら、「言の葉の庭」のアフレコ時を振り返り、「あのときは自分なりに背伸びして演じていたつもりでしたけど、今の声とあんまり変わらないなって思いました」とコメント。さらにオーディションを回顧し「お芝居だけじゃなく、面接みたいなのもあって。ちゃんと自分を見てもらった感じがしました」と、新海監督の役者との向き合い方が新鮮だったと口にする。

「天気の子」では一転して小学生を演じた花澤。その理由について新海監督は「『すずめ』は現実に起きた災害と絡む物語なので、できるだけ実在する人物のようなトーンで描きたかった。でも『天気の子』は完全にフィクションなので、声優さんに子供のお芝居をしてもらった」と明かす。そして「すずめの戸締まり」では母親役を演じたことについて、「お母さん役が増え始めてるときで、ちゃんと私が演じられたら自信になるだろうなと思いながらやってました」と花澤が述べると、新海監督は「ではおばあちゃん役でもお付き合いいただければ(笑)」と笑顔で語った。

新海監督作品の魅力について問われた花澤は「モノローグで畳み掛けてくるところ」とコメント。すると新海監督は「僕もモノローグを書くの好きなんです。でも『君の名は』で東宝と仕事するようになったら川村(元気)さんに『モノローグなくしません?』って言われて」と裏話を披露する。「『すずめ』もモノローグから始まる予定だったんですけど、『外しましょうよ』って言われて」と、自分の好きな表現と大衆の好む表現のギャップに試行錯誤していたことを明かす。しかし花澤の言葉を受け「でも次の映画ではモノローグ入れようと思います(笑)」と冗談交じりに宣言。さらに次回作について話がおよぶと「毎日泣きそうになりながら脚本を書いてますので(笑)。いつか観ていただけるようにがんばります」と意欲を見せた。

「すずめの戸締まり」の“おかえり上映”は、本日9月20日から10月5日まで全国100の劇場で開催。新海監督が登壇する舞台挨拶は、9月25日に宮崎・セントラルシネマ宮崎、26日に愛知・シネマサンシャインエミフルMASAKI、27日に兵庫・OSシネマズミント神戸、28日に東京・TOHOシネマズ池袋、29日に岩手・フォーラム盛岡で順次行われる。

Blu-ray&DVD 発売記念「すずめの戸締まり」“おかえり上映”新海誠監督全国舞台挨拶

2023年9月25日(月)宮崎県 セントラルシネマ宮崎
2023年9月26日(火)愛知県 シネマサンシャイン エミフルMASAKI
2023年9月27日(水)兵庫県 OSシネマズ ミント神戸
2023年9月28日(木)東京都 TOHOシネマズ池袋
2023年9月29日(金)岩手県 フォーラム盛岡

(c)2022「すずめの戸締まり」製作委員会