「BLOODY ESCAPE」小野友樹らが今年の抱負を書き初めで披露、「血逃」その心とは
谷口悟朗が原案・脚本・監督を務めるアニメ映画「BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-」の公開記念舞台挨拶が、本日1月6日に東京・バルト9で開催され、小野友樹、上田麗奈、斉藤壮馬、大橋彩香、谷口監督が登壇した。
昨日封切られた「BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-」は、「コードギアス」シリーズや「ONE PIECE FILM RED」を手がけた谷口監督による新作アニメ。遠い未来、壁で分断された街・東京を舞台に、人体実験によって改造人間となったキサラギが、不死身の吸血鬼集団やヤクザから逃走する姿を描く。情報屋であるクルスの妹・ルナルゥ役の上田は、その役作りについて「初めての体験だったんですけど、皆さんの熱量に応えられるのかと不安に押し潰されそうになっていて、休憩中もディレクションしていただいているときも、涙が止まらなかったんですよ。それがルナルゥの心境に合致してすごくよかったんじゃないかと。完成版を観たときに、『あ、これがルナルゥなんだ』って改めて思えて、私1人の力というより、皆さんの熱量やアドバイスから膨らんでいったお芝居だったと思います」と振り返った。
谷口監督はそれを受け、「上田さんからは『これでいいですか』って何回も聞かれた記憶があるんですけど、確信を持って挑むのではなく未完成な部分があったから逆によかったのかなって。今回はオリジナル作品なので、皆さんキャラクターを自作して挑んだ部分があると思うんですけど、斉藤壮馬だけですよ、何もない状態で現場に来たのは」といらずらっぽく言い、斉藤を困らせる。お調子者だが妹思いのクルスを演じた斉藤は、生っぽいリズムで演じてくださいとは言われたが、特に打ち合わせらしい打ち合わせはなかったと返答。谷口監督は「だって、しても意味ないもん(笑)」と答えながら、「現場でオーダーを追加しても、それに対して即座に応えてくれるだろうとある程度計算が立っているからね」と、幾度となく仕事をともにしてきた斉藤に対して信頼をにじませる。斉藤も「自分なりに試したことはいろいろあるんですけど、なんでもかんでもいいよというわけではなく、的確に絶妙なハンドリングで導いていただいた印象です」と続け、「阿吽の呼吸ということですね」というMCの言葉に、「イチアニメファンとしてうれしいです」と喜びの表情を浮かべた。
アニメ「エスタブライフ」にも登場する逃がし屋のリーダー・エクアを演じた大橋。シナリオを読んだときの印象を聞かれた大橋は、「当たり前のように旅行できる普段の生活にありがたみを感じましたし、そんな状況の中懸命に生きているキサラギたちに勇気をもらいました」と述べ、「BLOODY ESCAPE」でのエクアについては、「逃がし屋は忠実な立場でもあるので、情けをかけ過ぎないといいますか。『もう少し助けてあげて!』というシーンがたくさんあるんですけど、心を鬼にしてサポートさせていただきました」と語った。
続いて小野らは新年の抱負を発表。作品名にちなみ、朱色の墨汁で書かれた書初めをぞれぞれ掲げていく。「BLOODY ESCAPE」を漢字にし「血逃」と書いた小野は、その心について「この作品を1人でも多くの人に観ていただきたいという思いと同時に、血から逃げるなという意味も込めました」とコメント。食べることが大好きな小野は、ダイエットをしたが戻ってしまったエピソードを踏まえつつ、「血に従いながら、逃れることなく、無理のない体にしていけたらと」と話す。健康診断から逃げるなという気持ちを込め、「健康診断」と書いたという上田は「1月に30歳を迎えるんですけど、それを機に自分の身体がどういうふうになっているのかを知って、健康に生きていけたら」と願いを込める。「すこやか」と書いた斉藤は、「上田さんが言ったことがすべてです。ありがとうございます」と言い、笑いを誘った。
「脱・ペペロンチーノ」と書いた大橋。大橋は毎年、1年間好きなものを犠牲にすることで運気を呼び寄せるようにしているという。今年は勝負の年だという大橋は、「一番大好きなペペロンチーノを我慢して1年間がんばりたいと思います」と宣言した。「リテイク〇(マル)」と書いた谷口監督は、「リテイクを出すと人に嫌われる可能性もあるけれど、それは恐れちゃいかんと。リテイクを出すときは出すし、受けるときは受けるという形でいこうと思います」と説明。リテイクの下にマルを書いた理由については、「因果じゃないけど、最終的に日々やっていることが結果につながるから、その気持ちを忘れずにいきたいなと」と付け加えた。それに対し、MCから「リテイクと書かれていたので、この作品はまだリテイクがあるのかと思った」と言われると、谷口監督は「じゃあ、斉藤壮馬だけあとに残って」と発言。斉藤は間髪入れず「よろしくお願いします!」と勢いよく返した。
最後の挨拶で小野は「これだけ楽しい仲間たちと、シビアな作品を命を懸けて駆け抜けられたことがすごくうれしいです。壮馬のリテイクがいつ反映されるのかも含めて、1カ月2カ月観ていただけたら」とアピール。谷口監督は「この作品は、日本のアニメーションがもともと持っていた乱暴な部分を意図的に使わせてもらおう、そこに実写の乱暴な要素を入れていこうと思って作らせていただきました。声優ファンは声優ファンで、アクションファンはアクションファンで楽しめると思います。ドラマのところは、1回観ただけじゃわからないところも2回以降観るとわかるように作っているつもりです。1回観て気に入ってもらえたら、まわりの方にも伝えていただけるとこれに勝る喜びはありません」と語りかけた。
映画「BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-」
全国上映中
スタッフ
原案・脚本・監督:谷口悟朗
共同脚本:永井真吾
キャラクター原案:コザキユースケ、しまどりる
CGディレクター:小山田諭
音楽:中川幸太郎
企画・プロデュース:スロウカーブ
アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ
配給:ギャガ
主題歌:アツキタケトモ「匿名奇謀」(Polydor Records)
キャスト
キサラギ:小野友樹
ルナルゥ:上田麗奈
クルス:斉藤壮馬
ジャミ:内田雄馬
ララック:ゆきのさつき
ノノック:倉田雅世
ザンザ:福山潤
ゼッシュ:置鮎龍太郎
ヤオハチ:中谷一博
エクア:大橋彩香
フェレス:高橋李依
マルテース:長縄まりあ
アルガ:速水奨
ウルラ:三木眞一郎
エム:日高里菜
転法輪:山寺宏一