「九条の大罪」3巻、全国書店員からコメント「胸糞が悪い。だけど目を逸らせない」

「九条の大罪」3巻のポスター。

真鍋昌平「九条の大罪」3巻が、本日8月30日に発売された。

週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)で連載されている「九条の大罪」は、どんな悪人でも依頼人であればあらゆる手段を駆使して擁護する弁護士・九条間人(くじょうたいざ)を主人公に描く、法とモラルの極限ドラマ。3巻には相続を巡る親子の愛憎劇「家族の距離」編、自死を選んだ人の背景に思いを馳せる「死者の心境」編、法律は暴力に勝るのかを問う「強者の道理」編が収録されている。さらに全国の書店員からのコメントを用いたポスターも制作された。

精文館書店汐田橋店・天野氏コメント

暴力、金、モラルその全てが法律の前で平伏す。ドロドロの欲望を一気に飲み干すような読後感、なぜこんなに癖になるんだろう!?

未来屋書店明石店・井村氏コメント

とにかく胸糞が悪い。だけど目を逸らせない。この作品が訴えるものはなんだろう……読み終えてからも作品の世界から抜け出せない。複雑な感情を抱えながら、これからもきっと私はこの作品から逃れることはできないのだと思う。

くまざわ書店エミオ池袋店・若林氏

目を背けたくなる社会の一部がえげつないほど描写されている。この物語は美しくない。そして能天気にこう思う。「あぁ、自分には無縁の世界でよかった」と。まるで他人事のように。

丸善京都本店・野田氏コメント

※要注意 現実と物語の区別がつかない人は絶対に読まないでください。相手が依頼人である限り、全力で職務を全うする。例え依頼人がどんなクズであったとしても……。この弁護士、あまりに露悪的!!

喜久屋書店仙台店・田中氏コメント

無情に打ち砕かれていく、弁護士に抱いていた理想。揺らぐ法と道徳の根幹。しかしその矛盾も、後味の悪さも、何故か心のどこかで求めていたような爽快感を感じる。これは私たちの意識の根底に眠っていたダークヒーローの物語。