さいとう・たかを賞で武論尊に特別賞「優しい叱咤と捉え、まだ前へ進もうと思います」

武論尊

2020年度のさいとう・たかを賞において、武論尊に特別賞が贈られると発表された。

さいとう・たかを賞は2017年に創設された、シナリオと作画の分業により制作された優秀なマンガ作品を顕彰する賞。新型コロナウイルス感染拡大の情勢下においても、密になる環境を避けつつ分業による制作システムの文化継承をしていくため、今年度は分業・プロダクション方式でのマンガ制作に長らく尽力してきた者に特別賞が贈呈されることとなった。

特別賞の受賞にあたり、武論尊は「このところ私の作品が思ったほどの結果を得られず、作画の先生や掲載誌に少なからず迷惑をかけている状態での受賞で正直とまどいもあります。ですがこれは、さいとう先生の『わしがまだ現役でやっとるのにデビュー48年の73才の若造が何をぬかしとるか。もっと頑張らんかい!』という優しい叱咤と捉え、まだ前へ進もうと思います」とコメント。さいとうは「武論尊氏は多くの作品を手掛けながらも『武論尊100時間漫画塾』を開催されたりと、この業界の為に後人の育成に尽力されている事は大いに評価されるべきだと思います」と述べた。なお今年度の選考に応募された作品は、2021年度の応募作品として扱われる。

武論尊コメント

この度は、さいとう・たかを賞をいただき本当にありがとうございます。デビューして48年になる老兵には思いもよらぬ朗報でした。このところ私の作品が思ったほどの結果を得られず、作画の先生や掲載誌に少なからず迷惑をかけている状態での受賞で正直とまどいもあります。ですがこれは、さいとう先生の「わしがまだ現役でやっとるのにデビュー48年の73才の若造が何をぬかしとるか。もっと頑張らんかい!」という優しい叱咤と捉え、まだ前へ進もうと思います。精進します。
今日は祝杯です。

さいとう・たかをコメント

さいとう・たかを賞とは分業システムにより作品創りにチャレンジする次世代の制作者に賞を与えてきましたが、今回は特別賞としてこの業界のために尽力されている方に贈りたいと思います。武論尊氏は多くの作品を手掛けながらも「武論尊100時間漫画塾」を開催されたりと、この業界の為に後人の育成に尽力されている事は大いに評価されるべきだと思います。