映画「斉木楠雄」現場で麻生周一が“生照橋さん”と対面、緊張から「おっふ」出ず

「斉木楠雄のΨ難」撮影現場の様子。左から山崎賢人、福田雄一監督。 (c)麻生周一/集英社・2017映画「斉木楠雄のΨ難」製作委員会

麻生周一原作の映画「斉木楠雄のΨ難」の撮影が、2016年9月下旬に栃木県内にて行われた。コミックナタリーでは撮影現場の様子をレポートする。

この日の撮影には、主人公・斉木楠雄役の山崎賢人のほか、照橋心美役の橋本環奈、燃堂力役の新井浩文、海藤瞬役の吉沢亮、灰呂杵志役の笠原秀幸、窪谷須亜蓮役の賀来賢人らが参加した。

山崎はピンクのかつらに緑色の制服という、原作の斉木通りのビジュアルで登場。彼を起用したきっかけを、福田雄一監督は「妻に『山崎賢人くんという子がすごくいいので、一緒に仕事してみたらどう?』と言われ、毎週ドラマ『水球ヤンキース』を観ることを義務付けられていた」と明かす。さらにTwitterでファンから「賢人くんが雑誌のインタビューで、福田さんとお仕事したいって言ってますよ」と言われたことも理由のひとつに。オファーをしてから初対面した際、山崎に「この前、斉木楠雄のものとすごく似た緑の眼鏡を見つけたんで、つけてみたんです。めっちゃ似合ったんですよ、僕!」と言われたそうで、福田監督は「じゃあいけるな、と思った」と回想する。

原作マンガでは、斉木はテレパシーを使うことからセリフが一切なく、モノローグのみ。映画版でもほぼ斉木の“心の声”のツッコミでストーリーが展開していく。それに関して福田監督は「お互いに見つめ合っているのに一方がしゃべっていないのは、実写映画としては難しいなと思ったので、そういう部分だけは斉木にしゃべってもらっています」と原作との違いを説明。撮影は、山崎がその場で録音した仮モノローグに沿ってキャストらが芝居する形で進められた。

この日に撮影されたのは、斉木のクラスが文化祭の出し物「学校にあった面白い石展」の準備をするシーン。モヒカンにケツアゴという強烈なビジュアルの新井が「俺っちの人面石のほうがすげーよ」というセリフを発するだけで、思わず共演者たちから笑いがこぼれる。そんな新井には今回、「地毛でやらないと面白くない。出落ちだから」というこだわりが。そのためにほかの仕事を前倒しにするほどの気合いの入りようだ。断髪は福田監督立ち会いのもと行われ、半日以上かけてモヒカンの幅や角度を完璧に調整したという。

そして同日、原作者の麻生が現場見学へ。麻生は、もともと橋本をイメージして照橋というキャラクターを描いていたとのこと。そんな麻生は現場で“実写版照橋さん”と対面を果たすも、緊張のせいで照橋の美しさに対する定番のリアクション「おっふ」は出ず。しかし新井のケツアゴの特殊メイクを見ると、「アゴすげー!」と感動していた。その後麻生は、福田監督や山崎、橋本と記念撮影。また“ジャンプ大好き俳優”の新井は、集英社から発売前のジャンプをプレゼントされ、喜びつつも「でも月曜日に寂しくなるんですよ」とコメントしていた。

またこの現場で福田監督は、麻生や報道陣へ実写化の経緯を説明。「ずっと『ONE PIECE』一筋だった長男の部屋に行ったら、ある日から本棚に『斉木楠雄のΨ難』が全巻揃っていたんです。その2作品しか並んでいなかったんですけど。それで1巻から読んでみたら、だいぶ面白いと思って。読んでいくと、妻からずっと言われていた『山崎賢人くんとやったらどう?』とこの作品が自分の中で合致しました」と語った。

映画「斉木楠雄のΨ難」は、10月21日より全国ロードショー。

※山崎賢人の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記

(c)麻生周一/集英社・2017映画「斉木楠雄のΨ難」製作委員会