舞台「HUNTER×HUNTER」幻影旅団が東京に現る、丘山晴己は大友至恩の成長にウットリ

「『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 2」公開ゲネプロの様子。

冨樫義博原作による舞台「『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 2」の公開ゲネプロが、去る3月15日に東京・天王洲銀河劇場にて行われた。

原作の面白さを素直に表現「あのワクワク感みたいなものを、劇場でもう一度」

2023年5月に初演が行われ、ハンター試験の物語が展開された舞台「HUNTER×HUNTER」。ヨークシンシティでの幻影旅団との戦いを表現する第2弾は本日3月16日に東京公演が開幕し、4月6日からは大阪でも上演される。ゲネプロ前の会見にはゴン役の大友至恩、キルア役の阿久津仁愛、クラピカ役の小越勇輝、レオリオ役の近藤頌利、ヒソカ役の丘山晴己、クロロ役の太田基裕が登場。加えて脚本・演出を務める山崎彬も登壇し、公演に向けた思いを語った。

意気込みを聞かれた大友は「前回とはひと味違った作品を届けられたらいいなと思っております!」と元気に答える。去年の公演を終えた後「HUNTER×HUNTER」ロスになっていたと明かすのは阿久津。「また舞台に立てることがすごく楽しみです」と笑顔を見せた。今回の物語の中心人物・クラピカを演じる小越。「いよいよ来たかという感じ」と話しつつ、自信を感じさせる表情で「早く皆さまに観ていただいて、どんな感想を持っていただけるのかがすごく楽しみです」と述べる。近藤はレオリオらしい不敵な笑みで「早く冒険に行きたい気持ちがいっぱいで夜も眠れません!」とコメントした。

会見からヒソカのように怪しげな雰囲気を放つ丘山。「前回よりも熟れたりんごちゃんたちにお会いできるのを楽しみにしている」と言ってニヤリと笑う。太田はクールに「素敵な作品になるようにがんばります」と挨拶した。

前作に引き続き脚本・演出を手がけた山崎。舞台化にあたって、原作の面白さを素直に表現することを心がけたと話し「お客さん、読者の方たちが初めて『HUNTER×HUNTER』を読んだとき、見たときのあのワクワク感みたいなものを、劇場でもう一度再現したいなっていうのが一番大きくて」と思いを述べる。そして「驚きとかワクワクとか、悲しみとか喜びとか、怒りとかいろんなものが前作に続いてパワーアップしているので、そこをとにかく見てほしいなと思います」とメッセージを贈った。

成長したゴン役・大友至恩に、ヒソカ役・丘山晴己がウットリ

クラピカ役を演じながら感じたことを「クラピカが正しいのか、はたして幻影旅団がみんな悪いのかっていうのがすごくわかんなくなってきたりもした」と複雑な表情で語る小越。クラピカの怒りの感情をしっかり持ちつつも「仲間に救われている部分っていうのをすごく大切にできたらと思いながら稽古を今日までやってきた」と穏やかに笑った。対する太田は「幻影旅団とクロロがなぜこうなったのか、いったい何がそうさせたのかを想像しながら稽古していた」と振り返る。彼らの強さの中に秘められた揺らぎや悲壮感、孤独や絶望に思いを馳せ「もがいた感じというか、そういうものがしっかりとクロロとして、幻影旅団として人間らしく演じられたらいいなと」と述べた。

今回の舞台では天空闘技場でのシーンも再現される。大友が注目してほしいと言うのはヒソカとゴンの対戦シーン。「ヒソカと戦えるっていうゴン自身のワクワク感だったり、ドキドキしながら一発でもパンチを喰らわせてやりたいっていうその心意気だったりを、表情とかで表現できるようにがんばってみた」とアピールする。そんな大友を見て丘山は「かわいい」とヒソカのような表情でウットリ。「至恩くんでありゴンでもあるんですけど、それが1作から2作にわたって本当に成長が見えるっていうところが、プレイヤーとしてもお客さんとしてもとてもワクワクすると思います」と大友との成長を讃えた。

第2弾では念能力が登場、舞台演出に阿久津仁愛は「ロマンが詰まってる」

水見式を始めとしたさまざまな念能力の演出を「ロマンが詰まってるような、俺たちも『うわあ』って感動するような演出」と伝える阿久津。またお互いに影響し合って成長していくゴンとキルアに重ねて、大友との関係を「至恩との絆も前作より深まっていると思う」と言いはにかんだ。近藤は劇中に登場するビートル07型を懐から取り出し、小道具の出来栄えのよさを伝える。そしてヨークシンシティでの影のある物語に、笑いを届けるレオリオという役の魅力を「しょっぱいもの食べた後、甘いものを食べると、ちょっと休めるじゃないですか」と表現した。

会見の最後にはそれぞれがファンへメッセージを贈る。山崎は「お客さんが入ることによって、最後のピースとして劇場全体を使って物語の世界にも入っていっていただけるような演出になってると思う」と述べた。阿久津も「後はお客さんが来てくださることでステージが完成すると思います」と続く。取材を受けながら本番が近づいていることを実感したと言う小越。スタッフやアンサンブルキャストにも思いを寄せながら「キャストの皆さんやスタッフの皆さんの力を借りて、素敵な舞台をしっかり届けていこうと思います」と意気込んだ。大友は成長したキャラクターたちを見てもらいたいと伝えつつ「身長も伸びちゃって」と自身の身長の成長を明かし笑いを誘う。「光の表現とかもすごくて、観ててワクワクするような舞台になっていると思います。皆さんぜひ楽しんで観ていただけたらうれしいです」と明るく会見を締めくくった。

天空闘技場からヨークシンシティまで余すところなくシーンを再現

会見後はゲネプロがスタート。序盤はクルタ族惨殺の記憶がクラピカの心に影を落としていることがわかる様子や、一変してゴンがキルアとともに帰郷するのどかな一幕が展開する。天空闘技場のシーンは回想としてストーリーに織り交ぜられた。ゴンの水見式では実際にコップから水が溢れ出し、ゴンとヒソカの対決ではヒソカが高ぶる気持ちを歌い上げる中、ステージ上に石板が登場しバラバラに砕け散るといったこだわりを感じる演出が続く。さらにヒソカが化粧を落とすシャワーシーンまで盛り込まれている。その後ヨークシンシティへ舞台を移すとレオリオが合流し、さらにノストラードファミリーや旅団のメンバーも次々と登場。ゴンとシズクの腕相撲対決も演じられた。そして旅団のオークション襲撃を皮切りに戦いは激化。ウボォーギンとクラピカのバトルが勃発する。絶大な破壊力を持つウボォーギンの攻撃や、鎖を用いるクラピカの能力が演出とアクションで迫力満点に表現された。2人の戦いに決着がついたところで、第1幕が終了する。

第2幕ではゼパイルも登場しステージを明るく賑わせる。その後ゴンとキルアが旅団の尾行に失敗。ゴンとノブナガの腕相撲や、ゴンとキルアがノブナガから大胆な方法で逃れるシーンも展開した。ネオンがクロロを占う場面では、ネオンの美しい歌声で結果が歌い上げられる。またクロロのおそろしく速い手刀も披露され、それを見逃さなかった暗殺者も登場した。旅団のメンバーが町で大暴れする中、クロロは歌いながら爆発音や銃声を鎮魂歌として指揮をする。戦いは激しさを増し、ゼノとシルバ対クロロのバトルに。轟音とともにゾルディック家の猛攻が繰り出された。その後、クラピカ、センリツらと旅団を追うも再び捕えられてしまうゴンとキルア。2人に脱出の作戦を伝えるため、ホテルのロビーで苛立つフリをしたレオリオの怒号は劇場いっぱいに響いた。物語もクライマックスとなり、人質交換へ。旅団とクラピカ、互いに揺れる思いが豊かな表情で演じられ、人質交換の決着までが描かれた。

一部公演のチケットはローソンチケットにて一般販売中。3月26日以降の東京公演の当日引換券は3月22日19時に販売が開始される。先着販売のため、気になる人は早めのチェックを。また3月16日の初日公演と、4月14日の千秋楽はDMM TVでの配信も決定。価格は税込3800円で、1週間の見逃し配信も視聴できる。

「『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 2」

東京公演

期間:2024年3月16日(土)~3月31日(日)
会場:東京都 天王洲 銀河劇場

大阪公演

期間:2024年4月6日(土)~4月14日(日)
会場:大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

スタッフ

原作:冨樫義博(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
脚本・演出:山崎彬
音楽:坂部剛

キャスト

ゴン:大友至恩
キルア:阿久津仁愛
クラピカ:小越勇輝
レオリオ:近藤頌利
ノブナガ:村田充
フェイタン:平松來馬
マチ:秋野祐香
フィンクス:田鶴翔吾
シャルナーク:織部典成
シズク:佐當友莉亜
パクノダ:鳳翔大
ウボォーギン:伊勢大貴
シルバ:北村圭吾
ゼノ:椎名鯛造
センリツ:岩田弘子
ネオン:櫻井佑音
ライト:和泉宗兵
ヒソカ:丘山晴己
クロロ:太田基裕
高岩芯泰、辻本将平、原池優、藤田浩太朗、古田伊吹、山崎里彩、岡村拓真、河野凌太、小池堆賀、島田隆誠、平井浩基、山上和輝、山崎竜之介

※山崎竜之介の崎はたつさきが正式表記。

(c)P98-24・『HUNTER×HUNTER』THE STAGE2 製作委員会