第27回手塚治虫文化賞、マンガ大賞は入江喜和「ゆりあ先生の赤い糸」

「ゆりあ先生の赤い糸」1巻

朝日新聞社が主催する、第27回手塚治虫文化賞の受賞作が発表に。マンガ大賞には、入江喜和「ゆりあ先生の赤い糸」が輝いた。

「ゆりあ先生の赤い糸」は50歳のヒロイン・ゆりあを描くファミリードラマ。子供の頃は“おっさん”というあだ名が付けられてしまうぐらい男勝りなゆりあだったが、現在は手芸教室の先生として物書きの夫・吾良とともに地味ながらも幸せに暮らしている。そんなある日、吾良が渋谷のホテルで昏倒し緊急搬送されたという知らせが。病院に駆けつけると、そこには旦那と見知らぬ美青年・箭内がいて……。BE・LOVE(講談社)で連載され、全11巻が刊行されている。

“斬新な表現、画期的なテーマなど清新な才能の作者”に贈られる新生賞は、 「断腸亭にちじょう」でガン闘病を巧みな筆致で詩情的に表現した独自性が評されガンプが受賞。短編賞には、やまじえびね「女の子がいる場所は」が選ばれた。またホラー、SF、ギャグと幅広い分野でのマンガ文化へ貢献したことと、27年ぶりに発表した新作に対して、楳図かずおに特別賞が贈られた。

6月8日に東京・朝日新聞東京本社では贈呈式および記念イベントが開催され、200人を無料招待。記念イベントには特別賞を受賞した楳図と、楳図をリスペクトする芸人でマンガ家の矢部太郎選考委員が登壇する。来場者には記念ピンバッジと、受賞者の描き下ろしやメッセージ、社外選考委員の選評などを収めた小冊子をセットにしてプレゼント。参加希望者は朝日新聞社の特設ページから申し込もう。