「夏へのトンネル、さよならの出口」には畠中祐の憧れた青春が…自宅で1人涙

劇場アニメ「夏へのトンネル、さよならの出口」の初日舞台挨拶より。左から小宮有紗、畠中祐、鈴鹿央士、飯豊まりえ、小林星蘭、田口智久監督。

劇場アニメ「夏へのトンネル、さよならの出口」の初日舞台挨拶が、本日9月9日に東京・新宿バルト9で開催された。

八目迷の同名小説を原作とする「夏へのトンネル、さよならの出口」は、あるものと引き換えに欲しいものがなんでも手に入るという不思議なトンネル“ウラシマトンネル”を調査することになった少年少女のひと夏を描く物語。初日舞台挨拶には塔野カオル役の鈴鹿央士、花城あんず役の飯豊まりえ、加賀翔平役の畠中祐、川崎小春役の小宮有紗、塔野カレン役の小林星蘭、監督の田口智久が登壇した。

司会から初日を迎えての感想を聞かれ、鈴鹿は「緊張でドキドキでしたが、皆さんの目を見たら(映画が)よかったのかなと感じました」と安堵の表情。アニメ好きの飯豊は「プロの声優さんに挟まれて立っているので緊張します。最近は劇場に行くのも大変な状況の中、今日ここにきてくれた1人ひとりに『どうでしたか?』と感想を聞きたいです!」と観客を見渡す。

田口監督は同作でのこだわりについて「キャラクターの演技をできるだけリアルにするため、先に収録をして、声に合わせて絵を作っていくという方法をとりました。背景にもこだわっていて、空模様もシーンに合わせて変えるという途方もない細かい調整をしています」とコメント。同作におけるイベント初登壇で、カオルの友人役を演じる畠中は「主演のおふたりがものすごく繊細で自然なお芝居で。そこに溶け込みたいなと思い、とにかく肩の力を抜いて自然な距離感というのを意識しました」と収録を振り返る。また作品全体の感想については「憧れた青春がそこにありました」と、自宅で観たときに自然と涙が出てきたと明かした。

小宮は監督がこだわったという絵について「実写かなって思うぐらい素敵」と称賛。自身演じる小春については「嫌なヤツに見えると思うんですけど、途中に本当はいい子だってわかるシーンもあったり、原作を読んでいる人はその愛らしい部分をもっともっと知ってくださってると思うんです。だからその分、今回は思いっきり嫌われてやろうと(あんずを)とことんいじめてやりました(笑)」と話す。カオルの妹を演じた小林は「最初に台本を読んだとき、お兄ちゃんの後押しをしなきゃいけない役なのでこれは責任重大だと思ったんです。でもいざ収録をするとなって、私が考えすぎていた部分もあったのかなと。監督から『もうちょっとキャピキャピして、ギャルっぽくても大丈夫』と言われたんです。だから純粋な“妹”でいようと演じました」と述べた。

イベントでは登壇者たちが夏の思い出をフリップに書いて披露するコーナーも。最後に飯豊は「ウラシマトンネルを通して、今を捨ててでも過去を取り戻したいという、なかなか勇気のいる選択をした2人の物語です。孤独な気持ちを照らしてくれるような人や思い出が、皆さんのそばにもあったらいいなと思います」と語る。鈴鹿は「皆さんの胸のどこか片隅にでも残り続けて、来年再来年のこの時期とかに思い出してもらえたらうれしいです」と挨拶。そしてどう締めようか口ごもっていると、隣の畠中が小声で助言。鈴鹿は「また何回でも劇場で観てください!」と笑顔で呼びかけ、イベントは幕を閉じた。

(c)2022 八目迷・小学館/映画『夏へのトンネル、さよならの出口』製作委員会