「魔女見習いをさがして」観客がハッピーラッキーを感じたら「私たちがかけた魔法」
アニメ映画「魔女見習いをさがして」の舞台挨拶が、「第33回東京国際映画祭」の一環として、本日11月3日に東京・EX THEATER ROPPONGIで開催された。
「第33回東京国際映画祭」の特別招待作品部門に選出されている「魔女見習いをさがして」。「おジャ魔女どれみ」20周年記念作品として制作された同作は、年齢も性格も住む場所も異なる3人が「おジャ魔女どれみ」をきっかけに出会い、ともに旅をする中で、大人になって忘れてしまった大切なものを探していくさまが描かれる。舞台挨拶にはメインキャストである長瀬ソラ役の森川葵、吉月ミレ役の松井玲奈、川谷レイカ役の百田夏菜子(ももいろクローバーZ)の3人と、佐藤順一、鎌谷悠の両監督が登壇した。
上映後の舞台挨拶ということもあり、松井は「ハンカチでまだ涙を拭っているような方もいますが」と観客の反応に触れながら「私たち『おジャ魔女』世代が心をグッて掴まれたのが、お客様にも届いたのかなと思ってうれしく思います」と感想を述べる。続く百田が「最近はお客さんに直に会える機会がなかなかないので、舞台袖で皆さんの拍手の音を聴いて監督とも感動していました」と話すと、鎌谷監督も「ありがとうございますという気持ちでグッときました。コロナ禍もあってこういうイベントが必ずしもできる状態じゃない中で、皆さんに来ていただいてうれしく思っています」と観客へ感謝の言葉を伝えた。
「第33回東京国際映画祭」にて、「魔女見習いをさがして」が上映されたことについての思いを聞かれた森川は、一時は公開が延期になったことにも触れ「いつ皆さんにお届けできるのか、公開してもみんな来てくれるのか」という不安があったことを明かす。しかし、この日の観客に会えたことでその不安が払拭され「皆さんのところにようやく届けることができるんだと、実感が湧いて本当にうれしいです」と笑顔で喜びを伝える。TVシリーズ第1作「おジャ魔女どれみ」ではシリーズディレクターも務めていた佐藤監督は「もともとはテレビの前の子供たちに楽しんでもらおうと思って作ったアニメなんですが」と前置きすると、「それが20年経って当時アニメを観ていた人たちと映画を作り、演じてもらい、観てもらって、映画として扱ってもらえることは、成長したなあというか、感慨深いものがありますね」としみじみと語った。
続いて、これから映画を見るファンへ向けて、作品をどのように鑑賞してほしいか聞かれると、松井は「この作品は“魔法”っていうものがテーマにあるなと感じていて」と話し始める。続けて「子供の頃は魔法って便利なものだなという考え方だったんですけど、この作品に参加して現代における“魔法”の考え方が自分の中に備わったなと思いました。ぜひ皆さんも自分やお友達が持っている“魔法”ってなんだろうって考えてもらえたらうれしいなと思います」と観客へメッセージを送った。百田は同作を母親と観たことを明かし、「『昔こんなこと言ってたよね』『こんなグッズを買って遊んでたよね』とか、そんな話で盛り上がったので、小さい頃に観ていた人は、両親と観てみるのもいいのかな」と、母親とのエピソードを話した。
最後に森川は「夢を描くこと、ましてや魔法を信じることが難しくなってしまった現代に、どれみちゃんたちがもう一度帰ってきて、魔法っていうのはねって人それぞれ、違う魔法を持っていて、気づかないうちに人を元気にしたり、励ましたり、気づかないうちに使っているものなんだよって、教えてくれたような気がします」と映画から受け取ったメッセージを伝える。さらに「この映画を観にきてくれた人がハッピーになったり、ラッキーなことが起きたりしたら、きっと私たちが皆さんにかけた魔法だと思います」と、観客に幸せが届くようにとの思いを込めイベントを締めくくった。
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