三原順「はみだしっ子」が初舞台化、倉田淳「魂の言葉がちりばめられてる」
三原順原作による舞台「はみだしっ子」の製作発表記者会見が、本日7月18日に東京・WATERRAS COMMONにて行われた。
いつのまにか寄り添い、旅をするようになったグレアム、アンジー、マックス、サーニンの4人を描いた「はみだしっ子」は、1975年から1981年にかけて花とゆめ(白泉社)にて連載。「はみだしっ子」初の舞台化となる今作は、10月20日から11月5日まで東京芸術劇場のシアターイーストにて、スタジオライフにより上演される。1995年に病気のため42歳で死去した三原が、ヘビースモーカーで、大きな黒いトランクを持ち歩き、いつもキャップをかぶっていたことにちなみ、舞台「はみだしっ子」はTRK(トランク)、TBC(タバコ)、BUS(帽子)の3チームによるトリプルキャストで展開。なおスタジオライフが三原作品を手がけるのは、2001年10月に上演された「Sons」以来、16年ぶりとなる。
製作発表記者会見には、脚本・演出を手がける倉田淳とキャストたちが登壇。倉田は「あまりにも高い山でどう登ろうかと四苦八苦しています。作品には、三原順さんの魂の言葉がちりばめられてるんですね。その言葉に私どもがついていって、なおかつ埋められるようにと、ものすごく思ってます」と三原作品を舞台化するプレッシャーを明かす。続いて「ダイジェストには絶対したくないので、欲張らずに、丁寧にできるところまでと思っています。信条は“シンプル”ですので、シンプルな舞台を作って、観客の皆さんと一緒にイメージの中をどんどんワープしながら子供たちの心の奥底に一緒に入っていけるような舞台を作りたいと思います」と意気込んだ。
また会場には三原と同期デビューを飾り、2015年開催の「~没後20年展~三原順 復活祭」の展示と解説に協力した笹生那実も登場し、倉田と対談を実施。笹生は「はみだしっ子」の魅力を「人間社会の闇の部分まで容赦なく教えてくれる。読むだけで社会の荒波に揉まれるのと同じ効果があります」と力説する。「5歳児を一体どう表現するんだとか、ファンとしては不安な方もいらっしゃると思うんですけど、私は5歳の役を5歳の役者がやらないところが、舞台は別物として観られてかえっていいなと思います」と、ファンの思いを汲んだコメントも。そして笹生が「別物だけど作品の魂は受け継いで表現してくださると期待してます」とエールを送ると、倉田は「怖いですけどがんばります」と微笑み、イベントは幕を閉じた。
スタジオライフ公演 舞台版「はみだしっ子」
期間:2017年10月20日(金)~11月5日(日)
会場:東京芸術劇場 シアターウエスト
原作:三原順
脚本・演出:倉田淳
キャスト
TRKチーム
グレアム:岩崎大(崎の字はたつざきが正式表記)
アンジー:山本芳樹
サーニン:緒方和也
マックス:田中俊裕
TBCチーム
グレアム:仲原裕之
アンジー:松本慎也
サーニン:千葉健玖
マックス:伊藤清之
BUSチーム
グレアム:久保優二
アンジー:宇佐見輝
サーニン:澤井俊輝
マックス:若林健吾
曽世海司、船戸慎士、吉成奨人、牛島祥太、鈴木宏明、前木健太郎、藤原啓児