「プロメア」ピザ教室、コヤマシゲトがリオ・ゲーラ・メイスの裏設定など明かす
映画「プロメア」に登場するインフェルノヴォルケーノマルゲリータメガマックスピザの再現料理を作る教室が、2020年1月まで東京・ABC Cooking Studio 新宿野村ビルスタジオにて開催中。コミックナタリーでは去る11月12日に行われた特別レッスンの様子をレポートする。
特別レッスンではこの日限定で「プロメア」のキャラクターデザインを務めたコヤマシゲト、クリエイティブディレクターである若林広海ら制作に携わった面々が来場。参加者と一緒になってピザ作りに挑戦したほか、コヤマと若林は調理の合間にトークを展開した。
まずはABC Cooking Studioの講師が生地の作り方を全員にレクチャーするところからスタート。薄力粉などの材料を混ぜ合わせたピザの素に水やオリーブオイルを加えてこね、なめらかになったら生地にラップをかけて発酵させるという手順だ。それぞれのテーブルでは参加者同士が賑やかに言葉を交わしながら、着々と生地を作っていく。
作業がひと段落すると、発酵を待つあいだにコヤマと若林によるトークが行われる。若林は作品の舞台であるプロメポリスについて「ニューヨーク州マンハッタン区が元になっていて、現代のニューヨークの近未来がプロメポリスになっている、というイメージです」と話し、現地をロケハンした際に食べたピザが印象的だったことを受けて、作品にもピザを登場させたと語った。「インフェルノヴォルケーノマルゲリータメガマックスピザ」という名前が誕生した経緯を尋ねられると、「最初はもうちょっと短かったのかもしれないけど、みんなで話しているうちに長くなりました」とコメント。また「プロメア」冒頭の空撮シーンを作るため、ヘリに乗って空からマンハッタンの風景を見たことや、マンハッタンの消防隊に取材して、実際の消防車に乗ったことも明かされた。
トークが温まってきた頃に、ちょうど生地の発酵が終わる。次なる工程は、生地を丸め直し5分から10分ほど休ませたあと、麺棒を使ってガス抜きをしつつ、ピザの形に伸ばしていく作業だ。形が整ったら、生地の上にピザソースを薄く塗り、モッツァレラチーズ、ブラックオリーブ、プチトマト、ハラペーニョをトッピング。参加者は思い思いの盛り付けを施していく。テーブルにはインフェルノヴォルケーノマルゲリータメガマックスピザの見た目を再現したものから、オリジナルのアレンジを加えられたものまで、さまざまピザ生地が並んだ。
ピザが焼き上がるまで、イベントはふたたびトークパートに突入。若林は取材で目にした、マンハッタンの消防隊が火災現場で使うチェーンソーなどの道具について「破壊活動をする武器にしか見えなくて、カッコよかった」と振り返り、バーニングレスキューが劇中で使用する装備の元ネタであることを告白する。さらにビニーといういじられキャラの隊員がバーニングレスキューのマスコット的存在・ビニーのモデルになっていると2人が語るくだりでは、それぞれのテーブルから驚きの声が。ほかにもレミーやイグニスのモデルとなる隊員がいることや、「プロメア」のピザ屋がマンハッタンにあるアメリカで最初のピッツェリア・ロンバルディーズをもとにデザインされたことが明かされた。
その後、参加者はシロップとサイダーを使ったドリンクを作り、できあがったピザとご対面。最後にバジルを盛り付けてから、同席したほかの人たちと映画について語り合いつつ、自分で調理したピザを頬張る。生地の外はカリカリ、中はふんわりもっちりとした食感で、濃厚なソースの味はチーズと組み合わさることでまろやかに。バジルの風味やブラックオリーブの塩気がほどよいアクセントになっている。少し遅れてやってくるピリッと刺激的なハラペーニョの味も合わさって、辛味が特徴のピザとして設定されたというインフェルノヴォルケーノマルゲリータメガマックスピザらしい味に仕上げられた。
食事が終わった頃、参加者からコヤマと若林への質問コーナーが設けられる。リオが装備するマッドバーニッシュの装甲のデザインについて尋ねられたコヤマは、背中部分にある“六”角形のモチーフが、三途の川の渡し賃であり決死の覚悟を表すともいわれる真田家の家紋・“六”連銭にちなんでいると明かし「そういう覚悟みたいなものを(リオの)背中に背負わせたかった」と語った。またマッドバーニッシュ3人の装甲に言及すると、角の数によってリオ、ゲーラ、メイスの格付けがされていることを暴露。「(リオとは別に)もう1人3本角の人がいるんですけど、リオを超えられるのはその男しかいない。ただ角が1本もない男がリオに加担すると、4本角のリオデガロンになるんですよ」とクレイやガロの裏設定ともとれる意味深なコメントを述べ、各テーブルからはどよめきが起こった。
最後にイベントではコヤマの描き下ろしイラストが用いられたレシピカードを配布するとともに、サイン会を実施。コヤマがその場でサインを入れたカードを手に、参加者は教室を後にした。
(c)TRIGGER・中島かずき/XFLAG