「異世界居酒屋」サンライズ、久々のグルメアニメに自信!和牛もエール
アニメ「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」のプロジェクト発表会が、本日4月12日に東京・バンダイナムコ未来研究所にて開催された。
本作は京都の寂れた通りに店を構えた居酒屋のぶの正面入口が、なぜか異世界と繋がってしまったことから始まるグルメもの。杉田智和演じるのぶの大将・矢澤信之と、三森すずこ演じる店の看板娘・千家しのぶが、次々と来店する衛兵、職人、商人、貴族ら古都アイテーリアの住人たちをおいしい料理でもてなしていく。
発表会で最初に登壇したのは、サンライズの常務取締役・佐々木新氏。「機動戦士ガンダム」に代表されるロボットアニメや、「ラブライブ!」シリーズ、「アイカツ!」シリーズなどのアイドルアニメで知られるサンライズで、グルメものを手がけるのは久々だと言う。「『ミスター味っ子』『焼きたて!! ジャぱん』といった作品の経験はありますが、我々としてもグルメものは久々。しかもサンライズとして、お酒をテーマにしたのは初めて」と語った。
また佐々木氏は昨今のアニメ市場にも言及。「年間300本以上のアニメが制作され、いい作品でも観てもらえない。より多くの方々に興味を持ってもらえるテーマにチャレンジしようということで、人気のあるグルメものであり、日本が誇る食文化・居酒屋をテーマにした『異世界居酒屋』に、サンライズのアニメーション技術を掛け合わせて、これまでにない作品を仕上げていきたい」と意気込んだ。
次に登場したのは、「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」の製作委員会の一員であるぐるなびの椿山えみ氏。ぐるなびがアニメの製作委員会に参加するのは、本作が初となる。椿山氏は「『世界に誇れる日本の食文化を守り育てる』というぐるなびの企業使命と、日本の食文化を楽しく魅力的に伝えてくださる『のぶ』は重なるところが多いことから、本製作委員会に参加いたしました」と説明した。
「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」は、バンダイチャンネルほか国内の動画配信サイトに加え、bilibili、Crunchyrollといった海外の動画配信サイトでも取り扱われ、視聴可能者数は全世界でのべ13億人に上る。椿山氏は「居酒屋はぐるなびの掲載店の20%を占める」と話し、「日本のアニメの力で、全世界13億人に居酒屋の素晴らしさを伝えたい」と語った。さらにぐるなびではインバウンド対策にも力を入れていることに言及し、「他言語で紹介しているお店は約8万5000店。外国人からの問い合わせには専用のコンシェルジュが対応し、ネット予約も可能です」と、海外から居酒屋を楽しみにやってくる観光客の需要にも応える準備があることを強調。「『のぶ』の料理が食べられる店である『のぶ応援店』など各種イベントを企画を実施していく予定です」と締めた。
続いてサンライズの梅崎淳志プロデューサーが登壇し、原作の「異世界居酒屋『のぶ』」には「居酒屋ムービーを成功させる3つの要素がある」と語る。その要素とは「ささやかだが気持ちの良い人情話」「居酒屋の居心地よい雰囲気」「魅力的な料理描写」だと言い、「3年前、さまざまな要素をリサーチしたんですけど、こちらの要素が詰まった作品は今作以外見当たらなかった。これをアニメーション映像にすることで、その魅力をさらに300%ほどアップして皆さんにお届けしたい」と力強く言い切った。
さらに作品の肝とも言える料理描写について、制作過程の原画を見せながら説明。「(アニメを観て)お腹が鳴りっぱなし」「おいしい料理を描くのはガンダムを描くより大変なんじゃないか」と力説し、アニメ第1話に登場する生ビールを意味する「トリアエズナマ」について「世界に類を見ないビール描写と自負している」と自信をのぞかせた。
最後にお笑い芸人の和牛が現れ、作品をアピール。川西賢志郎は「食べものが好きな人にはたまらん作品。食べものの良さが全編に出ているし、でもストーリーがおざなりになってない。しかもほっこりする、最後に絶対にハッピーになれる作品です」と語った。水田信二が「普通に居酒屋で出てくるメニューばかりなのに、新しい見せ方をしてくれる。僕も日常にあるようなことで、みんながわかるような話の中で新しい漫才を見せていきたいと思います」と口にすると、川西が「違う違う違う!お前の決意表明じゃないねん!」とつっこみ、イベントを締めくくった。
なお劇中に登場するビール「トリアエズナマ」こと「越後の秋」を再現したオリジナルビールを開発していることも明らかに。ビールジョッキとともに「トリアエズ『じゃない』ナマ」と書かれたポスターも紹介された。詳細は後日公開される。
「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」は、4月13日よりバンダイチャンネルほかにて世界同時配信。アニメ本編と同時に配信される「のぶ+(プラス)」では、アニメに登場する料理が食べられる居酒屋をなぎら健壱が訪ね歩く「なぎら健壱の『のぶ居酒屋』をさがして」、作中メニューを料理研究家のきじまりゅうたが再現しオリジナルレシピを紹介する「きじまりゅうたの『創作のぶ料理』」という2コーナーが展開される。
(c)蝉川夏哉・宝島社/古都アイテーリア市参事会