押山清高が故郷・福島を描く短編アニメ「赤のキヲク」公開 作画もすべて手がける

短編アニメーション「赤のキヲク」より

押山清高が監督・脚本・キャラクターデザインを務めるオリジナル短編アニメーション「赤のキヲク」が、本日3月27日に公開された。

「赤のキヲク」は福島県総合情報誌「ふくしままっぷ」のブランドムービーとして制作されたもの。押山監督がすべての作画を手がけ、自身の故郷・福島県を主な舞台に、主人公の成長を通じて“ふるさと”への思いを描いた。映像内で流れる主題歌は歌唱をedda、ピアノを中島ノブユキが担当。歌詞はeddaと押山監督が共作している。また本泉莉奈が声の出演としてクレジットされている。

押山監督は、「2011年の東日本大震災当時、私は東京で仕事をしていましたが、福島で被災した家族や大切な人たちのために、何もできなかったという思いがあります」「今回の『赤のキヲク』は、そんな自分の中にあるモヤモヤした想いを、何らかの形で吐き出す手段として制作したアニメーション作品です」とコメント。「福島を知らない方には、その存在を知るきっかけに、また、福島に限らず誰にでもある『自分の原点』に思いを馳せ、忘れかけていた大切な何かを再確認する機会になれば幸いです」とメッセージを寄せている。

押山清高コメント

昨年、監督した映画の公開を通じて、世界中から大きな反響をいただき、私にとっても特別な一年になりました。
そして、今の自分があるのは、多くの人との関わりや、恵まれた環境があったからこそだと改めて実感することが増えました。
2011年の東日本大震災当時、私は東京で仕事をしていましたが、福島で被災した家族や大切な人たちのために、何もできなかったという思いがあります。
その経験から、東京で創作を生業にできている今の自分の状況は、ある意味で、大切なものの犠牲の上に成り立っているのではないかという気持ちを抱くようになりました。
今回の『赤のキヲク』は、そんな自分の中にあるモヤモヤした想いを、何らかの形で吐き出す手段として制作したアニメーション作品です。
私にとって、福島で生まれ育った20年間は、消えることのない多くの原体験を作り上げた時間でした。
本作では、そうした自身の実体験をもとに、故郷を離れた一人の女性が、自分の原点を振り返る物語を描いています。
福島を知らない方には、その存在を知るきっかけに、また、福島に限らず誰にでもある「自分の原点」に思いを馳せ、忘れかけていた大切な何かを再確認する機会になれば幸いです。

eddaコメント

この度は、心が温かくなる素敵な企画に歌唱、作詞にて参加させていただき、とても光栄に思います。都会で奮闘する主人公と、いつもひっそり見守っている赤べこちゃん。
「いつ帰ったっていい」「いつだって帰ることが出来る」と思ってるとなかなか地元に帰らずに気づけば何年も、、、なんて日を私も過ごしたなあ、なんて思い出しながら、当時の自分にも、そしていま同じように故郷を離れ頑張る人たちの心に寄り添えるようにと歌いました。
“帰る場所がある”という事実が故郷を遠く離れた土地でお守りみたいに自分を強くしていた。この歌も、「赤のキヲク」を見てくださった人のそんなお守りになってくれたら幸いです。

中島ノブユキコメント

数ヶ月前、まだ仮のスケッチ線画状態の動画をいただいたときから不思議な力に心が揺さぶられました。動画の完成に向けて少しずつ画に色がのり躍動してゆく、この押山監督の深い思いのこもった作品に、私自身も突き動かされながら編曲を仕上げてゆきました。eddaさんの歌の強さに編曲は助けられました。この素晴らしい作品に参加できたことの幸せと責任を感じながら…。