「このBLがやばい!」発表会、コミック部門1位に森川智之「泣きそうになりました」
上映イベント「BL FES!!-Boys Love Festival!!-」の開催にあわせ、「このBLがやばい!」2021年度版ランキング発表会が、本日12月13日に東京・新宿バルト9で実施された。
森川智之がチェアマンを務める「BL FES!!-Boys Love Festival!!-」は、ボーイズラブの世界を思いきり楽しむことを目指すイベント。一穂ミチの小説を原作とするアニメ「イエスかノーか半分か」、紅蓮ナオミ原作による短編アニメ「まるだせ金太狼」の2作がスクリーンに掛けられた。イベントには両作に出演し、「まるだせ金太狼」では真坂金太狼役で主演を務める森川と、同じく「まるだせ金太狼」にて木地谷役を演じた福原かつみと、猿渡役を演じた葉山翔太が登壇した。
ステージに上がるなり「BLは好きですか?」と観客に問いかけた森川は、「この状況の中で、皆さんとBLで盛り上がれるなんてなんて幸せなんだろうと思います」と感謝を伝える。さらに「僕はまだBLという言葉が出る前から関わらせていただいておりました。今までは個々で楽しむジャンルだったのが、こうして皆さんと一緒に大手を振って『BLが好き』と言って楽しめる会ができるなんて、感動しております」と長年このジャンルに関わってきた森川ならではの言葉で、発表会の初開催を喜んだ。
“森川さんの愛弟子”と紹介を受けて登場した福原は「僕はBLに関してまだまだ勉強中の若輩者。こうして大きい舞台に立てるのは光栄です」と謙遜を交えながら挨拶。登場するなり「BL大好きでーす!」と絶叫していた葉山は「中学1年生くらいからBL作品を読ませてもらっているので……」と発言し、その言葉に驚いていた森川が「じゃあ僕、けっこうお世話してるんですね」と述べて笑いを起こした。
「このBLがやばい!」は宙出版から毎年刊行されているBL作品専用のガイド本シリーズ。2021年度版ランキングでは、2019年9月21日から2020年9月20日までに発売されたすべてのBL作品を対象に、6000人を超えるファンや識者の投票により小説部門とコミック部門のベスト20が決定された。ステージでは森川が“このBLがやばい!宣言”を行ったのち、葉山と福原が情感たっぷりなあらすじ紹介とともに各部門のベスト5を発表。小説部門の1位は「イエスかノーか半分か」の番外編集である「つないで イエスかノーか半分か番外篇4」「OFF AIR(2) イエスかノーか半分か」が受賞し、会場では原作者・一穂ミチの「劇場アニメの宣伝で『小さな奇跡の物語』というフレーズが出てきます。そんな立派なものでは……と恥ずかしかったのですが、考えてみると確かに奇跡でした。物語を楽しんでくれた皆さんがくれた大きな奇跡です。恩返しができるようにがんばります」というコメントが代読された。
そしてコミック部門の1位は新田祐克「春を抱いていた ALIVE」が受賞した。2005年にはOVAも発売された「春を抱いていた」シリーズは、人気AV男優の岩城京介と香藤洋二の関係を描く作品。今年の6月にシリーズ最終巻が発売されていた。新田からはコメントも寄せられ「20数年しぶとく描き続けたシリーズでしたが、最後にこんなにご褒美をいただけるとは思ってもみませんでした。投票をしていただいた方々には、岩城と香藤に最高の花道を用意していただいたと、心から感謝しております」と今回の栄冠を喜んだ。同シリーズのオーディオドラマ、OVAに岩城役で参加している森川が「感無量で泣きそうになりました」と話すと会場からは祝福の拍手が贈られる。森川は続けて「お話は終わりましたけれども、次につながるとってもいい終わり方。悲しいけど希望の持てる終わり方をしたと思う」と話した。なお同部門では、第2位に佐岸左岸「オールドファッションカップケーキ」、第3位にはらだ「ハッピークソライフ」、第4位に鈴丸みんた「恋をするつもりはなかった」、第5位に夏野寛子「25時、赤坂で」が選ばれている。
さらに会場では森川が「春を抱いていた ALIVE」の名シーンを集めた“この岩城さんがやばい!”の生アフレコを実施。森川はアフレコ後に「『春抱き』のオーディオドラマ、またやりたいなと思いました。俺と三木眞一郎は(演じた物語が)途中で止まっているので、続きをやってみたい」と続編への期待も話す。また、生アフレコの中で一部際どいシーンのセリフがあったことに触れた森川は「僕は恥ずかしくないんですけどね。会場の皆さんが恥ずかしくなっちゃって」と笑い、司会からBL作品を演じるにあたっての思いについて聞かれると「原作を読んだときの感動を僕が表現することによって、同じ感動を皆さんに送りたいなという気持ちだけですね」と“腐男子”を自称する森川らしい思いを話した。
最後に森川は「またBLで世界を繋げて盛り上がっていければなと思います。濃厚接触は作品の中だけなので! BLの勢いて、世の中に蔓延している疫病の厄を落として行きたい! 最後に『まるだせ金太狼』の金太狼のセリフで締めようと思います。厄を落とすつもりで聞いてください」と言って、「“恥っ殺(ちっさつ) ポロリ落とし!」と叫び、大きな拍手が起こる中イベントは幕を閉じた。
「BL FES!!-Boys Love Festival!!-」は期間限定で上映中。「このBLがやばい!」2021年度版ランキングの結果詳細は、12月14日発売の「このBLがやばい!2021年度版」に掲載されている。
「このBLがやばい!」2021年度版ベスト5
小説部門
第1位「つないで イエスかノーか半分か番外篇4」「OFF AIR(2) イエスかノーか半分か」(原作:一穂ミチ / イラスト:竹美家らら)
第2位「BUDDY DEADLOCK season2」(原作:英田サキ / イラスト:高階佑)
第3位「パブリックスクール-ロンドンの蜜月-」「パブリックスクール-ツバメと監督生たち-」(原作:樋口美沙緒 / イラスト:yoco)
第4位「ロイヤル・シークレット」(原作:ライラ・ペース / イラスト:yoco)
第5位「ロマンス不全の僕たちは」(原作:月村奎 / イラスト:苑生)
コミック部門
第1位「春を抱いていた ALIVE」(新田祐克)
第2位「オールドファッションカップケーキ」(佐岸左岸)
第3位「ハッピークソライフ」(はらだ)
第4位「恋をするつもりはなかった」(鈴丸みんた)
第5位「25時、赤坂で」(夏野寛子)
(c)BL FES!! 制作実行委員会