「ねじ式」発表から50年…つげ義春と池上遼一が実験作に挑んだ日々を知る1冊

「ガロ 1968 前衛マンガの試行と軌跡」

つげ義春「ねじ式」の発表50周年にあわせて、単行本「ガロ 1968 前衛マンガの試行と軌跡」が、本日12月21日に双葉社より発売された。本書ではつげと池上遼一が、1967年から1968年にかけてガロ(青林堂)で発表した12作品を収録している。

元ガロ編集者の高野慎三は、本書の解題で「六七年から六八年にかけて、つげ義春池上遼一は、お互いが刺激し合うように作品に取り組んでいた」と当時を回顧。またガロを主導した白土三平の「既成雑誌には無いおのれの実験の場として、このガロを大いに利用していただきたい」という言葉を引用し、「二年にわたる試行の軌跡はもとを正せば、白土三平による『実験』や『冒険』の誘いに応え、それぞれの立ち位置でふたりが『共闘』した結果であったともいえるだろうか」と述べ、本書の意義を伝えた。

「ガロ 1968 前衛マンガの試行と軌跡」収録作品

つげ義春

「通夜」
「山椒魚」
「李さん一家」
「峠の犬」
「海辺の叙景」
「西部田村事件」
「ねじ式」

池上遼一

「夏」
「地球儀」
「禁猟区」
「風太郎 無風時間」
「風太郎 片目男の独白」