島耕作が佐賀県副知事に就任し「身に余る重責」、中川翔子が1日秘書に

佐賀県知事の山口祥義氏から、副知事の辞令書を交付される島耕作。

弘兼憲史「島耕作」シリーズの島耕作が、佐賀県の副知事に就任。本日11月14日、弘兼と島の母校でもある東京・早稲田大学の大隈記念講堂で就任式が行われた。

1947年9月9日生まれの島は、現在76歳。2022年2月に「相談役 島耕作」が完結するとともに、新卒から50年以上勤め上げたテコット(旧初芝電器産業)でサラリーマン人生を終えた。モーニング(講談社)で連載中の「社外取締役 島耕作」では、塗建会社・UEMATSU塗装工業、宅食サービス・アントパスの社外取締役に就いている。

就任式に出席した島は「佐賀県副知事という身に余る重責の打診をいただき、最初は正直びっくりいたしました。ただ、これからは人生100年時代。これまでの経歴を活かし、公務員として地方自治体を盛り上げていくというチャレンジができること、今はとてもワクワクしています」と挨拶。佐賀県知事の山口祥義氏から辞令書が交付されると、「佐賀県の皆様に大きな還元ができるよう、全力で取り組んでまいります」と宣言する。

続いて、島の1日秘書に任命された中川翔子が登壇。幼少期から「島耕作」シリーズの大ファンだという中川は、島を前にして「今日もカッコいいです!」と目を輝かせる。中川は山口知事から1日秘書の名刺を進呈され、「家宝です!」と大感激。「『島耕作』シリーズを読むたびに、仕事って、人生って本当に大変だなと思わされます。そりが合わない人がいたり、理不尽なこともあったりする中で、それを乗り越えていく島さん。誰に対しても同じ態度で優しい島さんは、私にとって理想の上司です。全力でサポートさせていただきます!」と意気込んだ。

島は副知事として3つの公務を担当。1つ目はSAGAアリーナが開業され、プロスポーツチームも躍進しつつあり、2024年には「SAGA2024 国スポ・全障スポ」を控える佐賀のスポーツビジネスを盛り上げる。その施策として、本日より特設サイトでは弘兼監修によるオリジナルマンガを公開。マンガでは島が副知事をオファーされた経緯や、なぜ佐賀でスポーツビジネスに携わることになったのかが描かれる。また11月15日から26日にかけて東京都内と佐賀県内を「スポーツマンガ号」が走行。車内には「島耕作」シリーズと講談社の人気スポーツマンガが合わせて約750冊以上積まれ、展示期間中は誰でも自由に読むことができる。

2つ目は佐賀の半導体産業のさらなる飛躍を後押しすべく、さまざまな情報を発信。3つ目は11月27日から12月19日まで佐賀県庁の県庁CLASSにて、「副知事 島耕作の執務室大公開展」が開催される。このイベントでは佐賀の歴史と、島が副知事に就任するまでの人生の軌跡を紹介。複製原画11点が展示されるほか、Live2Dの技術で動いて話す島が登場する。

ここからは弘兼も登壇し、4人でトークセッションを展開。島本人と同様、副知事のオファーは驚いたという弘兼に、山口知事は「佐賀県庁で働くことは、ただの公務員という職種で括れない。一般的に公務員の中途採用は3%程度のところ、佐賀の場合は15%超え。いろんな経歴の人が集まっているところに、島さんの人生観が加わるのは百人力になるのでは」と期待する。

副知事の公務について、中川は「島さんは毎回新しいことにチャレンジされてますが、いつも『これからくる!』という分野に真っ先に目をつけられるんですよね。スポーツ事業に取り組まれるというのもさすが」とコメント。「相談役 島耕作」でもスポーツビジネスが取り上げられているが、その理由について弘兼は「スポーツビジネスって経済効果がすごく大きいんです。ワールドカップのサッカーもそうですし、ラグビーもそう。スポーツビジネスが盛んなアメリカなどを手本にして、もっと日本も発展させなくてはと思いテーマに選びました」と説明する。

イベントでは島と中川でオリジナルマンガの朗読も行われた。また弘兼からは「(オリジナルマンガだけでなく)本編でも来年ぐらいに佐賀の話をちょっと描いてみようかな」という言葉も。山口知事は「弘兼さんのマンガは地域の描き方に深みがあるところがいい」と伝えると、弘兼はすでに考えている取材場所があるよう。弘兼は「微力ではありますが、これからも佐賀のPRに協力させていただきます」と述べた。

(c)弘兼憲史/講談社