「ナニワ金融道」は高杉真宙の“教科書”、監督は街金への取材で令和版にアップデート

映画「ナニワ金融道」初日舞台挨拶より、高杉真宙。

青木雄二原作による実写映画「ナニワ金融道」の初日舞台挨拶が、本日11月25日に東京・新宿バルト9で開催された。

「ナニワ金融道」は大阪を舞台に、消費者金融・帝國金融で働く灰原達之をはじめとした社員たちを描く物語。舞台挨拶には灰原役の高杉真宙、桑田澄男役の加藤雅也、監督の藤澤浩和が登壇した。高杉は「(過去に映像化された作品など)たくさんの灰原さんがいる中で、自分の灰原さんはどうすべきなのか考えなければいけなかったので、オファーはうれしかったですが、緊張もしました」と役に入る前の心境を述べ、実際に映画に携わって「ナニワ金融道」が長く愛されてきた理由がわかったと話す。

加藤が演じる桑田は、帝國金融の社員で灰原のよき指導役。加藤は「僕は関西人なのでこういうものをやりたかったんですが、なかなかチャンスがなくて……。よく『東京の人みたい』って言われるんですよ(笑)。でもバラエティ番組で関西弁を話していたことがきっかけで、この役ができることになった。50代の集大成的な役ですよ。笑いや脅し、今までのいろんなものを集約した役に出会えました」と語った。

藤澤監督は「偉大な原作で、お金に翻弄される人の面白さと悲しみがある。(原作連載時に比べて)法律が変わってしまっているのでそれはアレンジしつつ、面白く作ろうと思いました」とコメント。「街金の人に取材に行ったんですが、彼らはやっぱり『ナニワ金融道』が大好き(笑)。現在はこういうふうに違いますよ、もっとえげつない話がありますよと教えていただいたことを入れ込んでいきました」と令和版の「ナニワ金融道」にアップデートしたことを明かす。

また高杉が「専門用語の部分は大変でしたね。台本を読んで調べたり、監督に聞いて学びました」と苦労をこぼすと、加藤が「専門用語がペラペラわかるようだったら、相当金を借りとるなという感じですよね(笑)」と返す場面も。加藤が演技について「こんなんで大丈夫なの?ってくらい大きな演技だったけど、映像で見たらハマっていたんですよ」と言うと、藤澤監督は「原作から引っ張ってきたセリフには(演じるのが)キツいものもあったんですが、あれくらいのバランスでやったらうまくハマったみたいですね」と話す。

本日より公開されている「ナニワ金融道~灰原、帝国金融の門を叩く!~」を皮切りに、12月2日には「ナニワ金融道~銭と泪と権利と女~」、12月9日には「ナニワ金融道~大蛇市マネーウォーズ~」が封切られる。藤澤監督は「それぞれの面白さが出るように作りました。お金の借り方、取り立て方も変わっているので、まったく違うお金の話になっています」とアピールする。高杉は「(演じていくうえで)後半には『桑田さんみたいに取り立てたいな』と思いました。灰原さんがちょっとずつ成長していく過程を見て、桑田さんの要素を学んでいるんだと感じていただけたら」と伝えた。

最後に加藤からは「4作目、5作目、6作目も作っていきたい」という意気込みも。高杉は「お金には振り回されないようにしたいという思いがある中で、『ナニワ金融道』は自分がどんなふうにお金と付き合っていけばいいのかを学ばせてもらえる教科書のような作品になっています。それもありつつコメディ要素もあって面白い作品なので、ぜひ純粋に楽しんでください」と呼びかけた。

(C) 2022「ナニワ金融道」製作委員会