意志強ナツ子「るなしい」、志田未来や尾崎世界観らが審査員のマンガ賞で最高賞に

「るなしい」1巻

週刊文春エンタ+(文藝春秋)によるマンガ賞「週刊文春エンタ マンガ賞」の第1回で、意志強ナツ子「るなしい」が最高賞を受賞した。

「るなしい」は“火神の子”として生きる高校生・るなを描く物語。るなの祖母が経営する鍼灸院では、“火神の子”であるるなの血が入ったモグサを使い、治療のかたわら「自己実現」を売る信者ビジネスを行っている。神の子に恋は許されないが、るなはいじめられているところを助けてくれたクラスの人気者・ケンショーに淡い気持ちを抱いてしまい……。単行本は2巻まで発売されている。

審査員の志田未来は「奇妙なゾクゾク感が病みつきになって、正しさの境界線がわからなくなる物語でした」と、尾崎世界観は「巻を追って作品を読み続けるのも一種の信仰だとすれば、この作品はとても信じるに値すると思った」とコメント。意志強は「初めてこういったマンガ賞をいただけて本当に嬉しいです。これからもがんばります!」と喜んだ。審査員には志田、尾崎に加え、パーパー・あいなぷぅ、梅本ゆうこ、加山竜司、立川志ら乃、pha、もつもつが名を連ねている。

なお発売中の週刊文春エンタ+には、意志強の描き下ろしイラストと、ほかノミネート作品の評価を掲載。また「機動戦士ガンダム」の特集が展開され、安彦良和と樋口真嗣の対談が収録されている。さらに片渕須直と軍事アナリスト・小泉悠の対談、高橋留美子水野英子のインタビューなどが収められた。

意志強ナツ子コメント

初めてこういったマンガ賞をいただけて本当に嬉しいです。
これからもがんばります!

志田未来コメント

この作品はまったく先が読めずどんな展開になっていくのか想像もつきません。だからこそ続きがすごく気になります。奇妙なゾクゾク感が病みつきになって、正しさの境界線がわからなくなる物語でした。信者ビジネスは怖いですが、自分がそれを信じているなら、それもアリかな?とも思えてしまいました。

尾崎世界観コメント

この主人公に強く惹かれた。おかしくて、頼りなくて、ちゃんとブレている。だからこそ、読者はそのブレを信じてついていける。巻を追って作品を読み続けるのも一種の信仰だとすれば、この作品はとても信じるに値すると思った。