「ドングリーズ」いしづか監督が「よりもい」との違い語る、村瀬歩「目の芝居に注目」

左から花澤香菜、梶裕貴、花江夏樹、村瀬歩、いしづかあつこ監督。

劇場アニメ「グッバイ、ドン・グリーズ!」の完成披露イベントが、本日11月5日に東京・角川シネマ有楽町で開催された。

「グッバイ、ドン・グリーズ!」は周囲と上手く馴染むことができないロウマと、同じように浮いた存在のトト、アイスランドからロウマの住む田舎町にやってきたドロップという3人の少年が、アイスランドへと行き着くひと夏の冒険を描く物語。同作には監督のいしづかあつこ、キャラクターデザインの吉松孝博、アニメーション制作のMADHOUSEといった、TVアニメ「宇宙よりも遠い場所」のスタッフが携わっている。イベントには、ロウマ役の花江夏樹、トト役の梶裕貴、ドロップ役の村瀬歩、チボリ役の花澤香菜、そしていしづか監督が登壇した。

初披露となるこの日を迎え、「緊張しすぎて手が震えています」と伝えるいしづか監督。梶がすかさず「先日のレッドカーペットでは、そんな素振りを見せずに華麗にウォーキングされていましたよ」と話しかけると、「あれはみんな梶さんを観に来ていたんですよ。今日は間違いなく皆さん、映画を観に来ているので」と控え気味に返す。完成した映画について花江は、「アフレコの段階でかなり絵が完成されていて、すごくキレイだなって思いながら挑んでいたんですけど、音楽が重なるとより濃くなって、作品の見応えが増しているなと感じました」と感想を述べ、「僕もいつかレッドカーペットを歩きたいなと今から準備をしています」と言い、笑いを誘う。いしづか監督は「できるだけよい状態でキャストに声を吹き込んでいただこうと、がんばりました」と話した。

役を演じるうえで気を付けたことに対し、花江は「高校生に成り立ての年齢って、会話に意味はないけど、反射でしゃべったりするじゃないですか。ニュアンスというよりは、テンポを重視した会話のシーンが多いので、そこを意識して演じました」と振り返る。梶は「高校生たちのテンションがナチュラルに出せるようにしました。コミカルなシーンがあるからこそ、シリアスなシーンが刺さると思ったので、演じるうえでその緩急も意識しましたね」と語り、村瀬は「すごく子供っぽいところもあれば、大人っぽいところもあるキャラクターだったので、あざといぐらいの無邪気さや、より大人の面を出すことで、ギャップを出そうと考えました」と述べた。

いしづか監督が手がけたアニメ「宇宙よりも遠い場所」は女の子たちが旅をする話だが、「グッバイ、ドン・グリーズ!」は少年たちのひと夏の冒険を描く作品。その狙いを聞かれると、いしづか監督は「『よりもい』では、女の子たちの内面を描いていったというのに対し、今回は外側に向けてエネルギーを発散させていきたいと考え、男の子たちをメインキャラクターに据えました」と語った。アニメ「宇宙よりも遠い場所」に続き、花澤を起用した理由については、「主人公たちが憧れるヒロインとして、カワイイけれども媚びない、ナチュラルで清楚な声がほしいというところで、花澤さんにオファーしました」と打ち明けると、花澤は思わず「よっしゃ!」と言い、笑顔を見せた。

「グッバイ、ドン・グリーズ!」の見どころに話題が変わると、花江は「音楽と映像だけで展開されるシーンですね。映像のキレイさと力がとにかくすごいのでオススメしたいです」とアピール。梶も同意しながら、「キャラクターが歌うシーンがあるんですが、彼らの心情を芝居に込められたのがよかったです」と答える。村瀬は「後ろめたかったり、本心を隠したかったりするときのキャラクターの目が、本当に雄弁で。ぜひ目の芝居に注目して見てほしい」と熱く語った。最後は登壇者全員、笑顔で観客に手を振り、イベントは幕を閉じた。

映画「グッバイ、ドン・グリーズ!」

2022年公開

スタッフ

監督・脚本:いしづかあつこ
キャラクターデザイン:吉松孝博
美術監督:岡本綾乃
美術ボード制作協力:山根左帆
美術設定:綱頭瑛子、平澤晃弘
色彩設計:大野春恵
撮影監督:川下裕樹
3D監督:廣住茂徳、今垣佳奈
編集:木村佳史子
音楽:藤澤慶昌
音響監督:明田川仁
音響効果:上野励
アニメーション制作:MADHOUSE
配給:KADOKAWA
製作:グッバイ、ドン・グリーズ!製作委員会

キャスト

ロウマ(鴨川朗真):花江夏樹
トト(御手洗北斗):梶裕貴
ドロップ(佐久間雫):村瀬歩
チボリ(浦安千穂里):花澤香菜

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