「ドラえもん」恐竜に“のび太”由来の名前を命名!ファンの学者が新種発見で

シン准教授(右)と助手 画像提供:シン准教授

藤子・F・不二雄「ドラえもん」に登場するのび太の名前が、エウブロンテス・ノビタイとして中国・四川省で発見された新種の肉食恐竜の足跡化石に献名された。その足跡化石のレプリカが、11月30日より東京・国立科学博物館にてミニ企画展として公開される。

この新種に命名をした中国地質大学のシン・リーター准教授は、子供の頃から「ドラえもん」のファン。2020年に公開された「映画ドラえもん のび太の新恐竜」の中で、のび太が新種の恐竜に自分の名前を付けるシーンがあったことから、のび太の夢を叶えたいと思い今回の命名にいたった。学名はラテン語の文法で綴られるのが基本であることから“のび太”に人名を示す接尾辞「i(イ)」をつけてノビタイとされた。

なおエウブロンテスはもともとアメリカのコネチカット州で発見されたジュラ紀の肉食恐竜の足跡につけられた学名。エウブロンテスという名は、足跡の長さが30センチメートルぐらいで、幅の広めの足を持つ肉食恐竜の足跡につけられるもので、19世紀にアメリカ東海岸で最初の報告がされてからこれまでに数十種が見つかっていた。ノビタイは全長4メートルくらいの肉食恐竜で、足跡は今から約1億2500万年前の白亜紀前期に残されたものであると考えられている。

国立科学博物館の真鍋副館長は今回の発見について「中生代の日本はアジア大陸の一部だったので、ノビタイは日本にも生息していたかもしれません」とコメント。さらに「肉食恐竜の足跡なので、のび太が喜んでくれるのではないかと思います。ノビタイの姿を想像したり、体の化石を探したくなったりするなど、これをきっかけに恐竜や足跡化石の研究者が育ってくれたら嬉しいです」と話している。

ノビタイの足跡化石のレプリカは今後、神奈川の藤子・F・不二雄ミュージアムでも展示予定。さらに「ドラえもん」の公式サイト「ドラえもんチャンネル」では、今回の新恐竜の足跡発見と命名を記念して、単行本44巻に収録されている「恐竜の足あと発見」のエピソードを7月14日までの期間限定で公開中だ。

ミニ企画展の概要

会場:東京都 国立科学博物館 地球館1階
会期:2021年年11月30日(火)~12月12日(日) ※毎週月曜日は休館