失踪した男は何を背負っていたのか……近藤ようこ「兄帰る」新装版が発売

「兄帰る」帯付き

近藤ようこ「兄帰る」が、新装版となってイースト・プレスから発売された。カバーイラストは描き下ろしになっている。

「兄帰る」の物語は、3年前に書き置きを残して失踪してしまった男性・功一の訃報を婚約者の真樹子が受け取ったことから始まる。父が残した借金で苦しむ家庭を支えるため、大学を中退し真樹子の家の貸ふとん屋で働いていた功一。突然にいなくなった功一のことを忘れたいと思っていた真樹子だが、遺族の話を聞くうち失踪の理由を突き止めたいと思うようになり、遺品を手がかりに彼の足取りを辿ることに。旧版は2006年に小学館から刊行されており、2009年にはTVドラマ化された。