緑川光も称賛のProject ANIMA受賞作、アニメ化受け豊永利行「呼んでください!」

Project ANIMAの第1弾「SF・ロボットアニメ部門」大賞授賞式の様子。左から上町裕介、豊永利行、小松未可子、三上枝織、緑川光、河森正治。

一般からアニメの原作を広く募る大型企画・Project ANIMAにおける、第1弾「SF・ロボットアニメ部門」の大賞授賞式が、本日8月25日に千葉・幕張メッセにて開催のイベント「C3AFA TOKYO 2018」内で行われた。

授賞式にはProject ANIMAと連動した文化放送の番組「エブリスタ・マンガボックス presents 豊永・小松・三上の真夜中のラジオ文芸部」より、パーソナリティの豊永利行、小松未可子、三上枝織の3名が登壇。さらにアニメーション監督の河森正治、同プロジェクトのアンバサダーを務める緑川光、総合プロデューサーの上町裕介が出席した。“永松ジョー”という共同ペンネームで公募に参加したものの、入選は果たせなかった「ラジオ文芸部」の面々。受賞者としてこの場にいたかったと悔しさを見せながら、豊永は「本日はMCに徹することにします!」と仕切り直す。

まず上町は「SF・ロボットアニメ部門」の応募作品を振り返り、「想定していた2、3倍の数の応募がありました。SFのコンテストで言えば、国内で最大級のコンテストになったのではないかと」とコメント。また河森からは、大賞作品が該当なしだった理由について「もともとProject ANIMAの企画は、アニメーション、エンタテインメントの世界で新しいジャンルを切り開くような作品を見つけるのが目的でした。どれも面白かったんですが、今回はなんらかのジャンルに当てはまってしまう作品が多かった」と説明しながら、「そんな作品が見つかるまでこの企画を続けられたらという期待を込め、今回は準大賞に 留めさせていただきました」と続ける。

ここで準大賞に選出された「削岩ラビリンスマーカー」の戌井猫太郎がステージに登壇し、「選ばれちゃいました」と挨拶。受賞作がサテライト制作により、2020年の放映を目指しアニメ化されることを受け「めちゃくちゃ面白いアニメ作るんでよろしくお願いします!」と意気込みを述べる。

緑川は「削岩ラビリンスマーカー」について「序盤はものすごく重たい作品なのかなと抵抗があったんだけど、読み進めるほど魅力的なキャラクターがたくさん出てくる。『戦闘メカ ザブングル』とか『超時空要塞マクロス』とか、僕が子供の頃に好きだったアニメの香りがしてワクワクしました」と感想を語る。河森は「アニメにしたときの絵が浮かびやすい」と、上町は「文学的なSFの魅力を感じ取れる作品でした。キャラクター含めシンプルな設定ではあるんですが、アニメとして調理していくにあたってセンスを最大限に発揮すれば、さらに面白くなるのではないかなと。文学的な魅力と、アニメ的な魅力を兼ね備えた素晴らしい作品だと思います」と称賛した。

なお本作のアニメ化は徐々に動き出しているそう。上町は「来週から本格的に始動します。今日ここに集まってくださった人は、この作品において最古参のユーザー。『俺が育てた』ぐらい言ってもいいと思います」と言って笑いを誘う。続けて「本来はアニメってできあがってから届けるものですが、今作は作っている過程もフィーチャーしていこうかな」と展望を明かした。

授賞式の終盤、目下公募を受付中の第3弾「キッズ・ゲームアニメ部門」について、河森から「アニメを観る子供たちが元気になって、活動的になる作品がうれしい」という希望が。上町は「突発的な作品というより、長く楽しめる持久走に近い作品を作らなければいけない」と言葉を送る。式の中で「僕は中二病」と発言していた緑川は、子供心がわかるのではないかとコメントを求められると「やっぱり子供に気に入ってもらえるのは当然のことですが、子育てで疲弊してる親御さんも楽しんでもらえる作品がベスト。『お母さんはこの声優さんが好き』などと言って楽しんでもらえれば。あわよくばオタク層も取り込みたい」と幅広い視点からのアドバイスを送った。

上町は「今日この会場には緑川さんに会いたくていらっしゃったファンもいると思いますが、Project ANIMAはそんな声優さんファンの方など誰もがクリエイターになれる企画です。実際に今回初めてペンをとって受賞したという方もいらっしゃるので、ぜひ引き続き大勢の方にご参加いただければ」と呼びかける。最後に「削岩ラビリンスマーカー」のアニメ化に際し、豊永が「声優業を生業としている人もここに4人おりますので……」と出演をアピールすると、上町は「忖度はしないからね!」とバッサリ。豊永は「オーディションには呼んでください!」と懇願し、和やかな雰囲気で授賞式は幕を閉じた。