劇場版「Gレコ」上映会で富野由悠季、「みんなのおかげで50年残る」と断言

左から富野由悠季監督、高垣彩陽、寿美菜子、石井マーク、嶋村侑、佐藤拓也、逢坂良太。

劇場版「Gのレコンギスタ」の第4部「激闘に叫ぶ愛」と第5部「死線を越えて」の完成を記念したイベント「劇場版『Gのレコンギスタ』完成披露上映会 ~みんなで見ようIV VのG~」が、本日7月17日に東京・新宿ピカデリーで開催された。

第4部が7月22日、第5部が8月5日に公開される劇場版「Gのレコンギスタ」は、TVアニメ「Gのレコンギスタ」全26話に新作カットを追加し、映像を再編集した全5部作の劇場アニメ。本日の上映会後に行われた舞台挨拶には、ベルリ・ゼナム役の石井マーク、アイーダ・スルガン役の嶋村侑、ノレド・ナグ役の寿美菜子、マスク役の佐藤拓也、クリム・ニック役の逢坂良太、マニィ・アンバサダダ/ノベル役の高垣彩陽、そして総監督を務める富野由悠季が登壇した。

TV放送開始から8年、そして2019年の劇場版第1部上映から3年を迎える劇場版「Gのレコンギスタ」。今の率直な気持ちを聞かれた石井が「TVシリーズの収録と、劇場版の収録が進んでいく中で、どんどん自分がベルリになっていく感覚があって。今日観ていただいた第4部と第5部で、今までとは違うベルリにやっとなったと」と自身の役柄について思いの丈を述べていると、その途中で富野監督が「やめさせないとずっと続くぞ」と口を挟み、会場の笑いを誘う。それを受けて石井は「第4部、第5部で劇場版が終わってしまうとなると、やっぱりたくさんしゃべりたくなっちゃうですけど、やっと自分自身、ベルリになれたんじゃないかと思いました。はい、以上です」と返し、ほかの登壇者にしゃべるようすばやく促すと、再び会場から笑いが漏れた。

続く嶋村は「『家族が帰ってきたみたいだね』って、収録があるといつもみんなで話していたんですけど、それはキャストのみんなとのチームワークという意味で、ずっとそう感じていたんです。でも第5部までいくと、ベルリのことだったり、アイーダのことだったり、目の前にいる人たちが、本当の家族のように感じられるようになりました」とコメント。佐藤は「TVシリーズから今日まで、無事駆け抜けられたことにホッとしています。ただ『またこの季節が来たな』という感じで、毎回スタジオに赴いていたので、完走できてしまったことに関して、うれしさと寂しさがちょっとあったりして。でも今日こうして会場の皆さんのマスク越しの表情を見て、『ああ、やっぱり完走できてよかったな』という思いでいっぱいになりました」としみじみ語り、高垣は「自分自身の人生の機微とともに、いつもどこかに『Gレコ』の存在がある8年間でした。第5部の収録のときに、富野監督に『マニィはあなたの声だったから、こういうキャラクター、こういう人生になりました』って言っていただけて。マニィと魂を重ねることができたのかなと思うと、本当にありがたい思いでしたし、TVシリーズのときから監督は、未来にこの作品を残していくという話をしてくださっていたんですが、そういう後世に残り続ける作品に携わらせていただいて、改めて幸せな思いでいっぱいです」と笑顔で話した。

少しの間、来場者と一緒に劇場版を観たという富野監督。2日前にあったという試写会のエピソードを取り上げながら、富野監督は「主題歌を担当したDREAMS COME TRUEの中村正人さんに『ああ、これで始まりですね』って言われちゃったんです。僕はアニメの仕事をしている50年間ずっと、0号試写を観た瞬間に仕事が全部終わったと思っていたんです。でも彼らの仕事というのは、総仕上げをしたあとに本番のライブが待ち受けているわけです。ああ、ライブ感覚を持っている方はそう感じるんだと教えられました。そして今日、皆さんにお会いして、これからが本番なんだって本当に思い知らされましたので、えらく緊張してしまって困っていますけど、2日前に観た嫌な印象とは違って、『結構おじいちゃん、がんばってやっているかもしれない』って感じました。壇上にいる協力者、それから皆さんがいてくれてたおかげで、完走できたという実感もありましたし、そういう意味で『50年残る』って思いました」と気持ちを伝えた。

さらに司会者から富野監督に向け、次回作の意気込みを問われる場面も。それに対し富野監督が「『80歳のおじいちゃんに何を要求しているんだ』『私を穏やかに死なせてください』『何も考えてません』ということですが、ほとんど嘘です」と断言すると、会場からは大きな拍手に包まれた。

最後に富野監督は「折角の日曜日かつコロナが再生している中、本当にお集まりいただきましてありがとうございます。今後のこともありますので、嘘でも応援していただけるとうれしく思います。どうぞよろしくお願いいたします」と締めの挨拶をし、イベントは幕を閉じた。劇場版「Gのレコンギスタ」第4部は7月22日、第5部は8月5日に公開される。

劇場版『Gのレコンギスタ IV』「激闘に叫ぶ愛」

2022年7月22日(金)公開

スタッフ

総監督・脚本:富野由悠季
原作:矢立肇、富野由悠季
演出:吉沢俊一、進藤陽平
キャラクターデザイン:吉田健一
メカニカルデザイン:安田朗、形部一平、山根公利
デザインワークス:コヤマシゲト、西村キヌ、剛田チーズ、内田パブロ、沙倉拓実、倉島亜由美、桑名郁朗、中谷誠一
美術監督:岡田有章、佐藤歩
色彩設計:水田信子
ディスプレイデザイン:青木隆
CGディレクター:藤江智洋
撮影監督:脇顯太朗
編集:今井大介
音楽:菅野祐悟
音響監督:木村絵理子
企画・製作:サンライズ
配給:バンダイナムコフィルムワークス
劇場版『Gのレコンギスタ』テーマソングアーティスト:DREAMS COME TRUE
エンディングテーマ:ハセガワダイスケ「カラーリング バイ G-レコ」

キャスト

ベルリ・ゼナム:石井マーク
アイーダ・スルガン:嶋村侑
ノレド・ナグ:寿美菜子
マスク:佐藤拓也
クリム・ニック:逢坂良太
マニィ・アンバサダ:高垣彩陽
ラライヤ・マンディ:福井裕佳梨
ミック・ジャック:鶏冠井美智子
バララ・ペオール:中原麻衣
キア・ムベッキ:中井和哉
クン・スーン:小清水亜美
ラ・グー:子安武人

(c)創通・サンライズ