「このマンガを読め!」1位は近藤ようこ「高丘親王航海記」、和山やまは2作ランクイン
カルチャー誌・フリースタイルVol.46(フリースタイル)が、本日12月17日に発売された。今号では今年で17回目となるマンガランキング特集「THE BEST MANGA 2021 このマンガを読め!」が展開されており、1位には近藤ようこ「高丘親王航海記」が選ばれた。
「THE BEST MANGA 2021 このマンガを読め!」では、評論家や書店員、編集者、マンガ家、アーティストら49人がそれぞれベスト10を選出し、その結果をもとにポイントを集計。2019年11月1日から2020年10月31日までに発売されたマンガ作品の単行本および電子書籍が対象となっている。
近藤はこれまでにも「このマンガを読め!」のベストテンにたびたびランクインしているが、1位になったのは今回が初めてのこと。「高丘親王航海記」は澁澤龍彦の遺作となった同名小説を近藤がマンガ化した作品で、月刊コミックビーム(KADOKAWA)で連載されている。そのほか2位には田島列島「水は海に向かって流れる」、3位には平庫ワカ「マイ・ブロークン・マリコ」、4位には和山やま「カラオケ行こ!」、5位にはダヴィッド・プリュドム作、原正人訳「レベティコ」が選出された。なお和山は6位に「女の園の星」でもランクイン。同一作家がベストテンに選ばれるのは、2006年のよしながふみ「大奥」「愛がなくても喰ってゆけます。」以来のことで、和山は昨年展開された「THE BEST MANGA 2020 このマンガを読め!」でも「夢中さ、きみに。」で1位に輝いている。
誌面にはベスト20までの作品紹介や、アンケートに参加した49人それぞれのベストテンおよびそれらについてのコメントを掲載。また南信長、ヤマダトモコ、斎藤宣彦による「BEST作品総評」、いしかわじゅん、中野晴行、M坂による「マンガ時事放談2021」のほか、「マンガの事件簿2021」と題した企画が収録された。なお今号の表紙イラストは西村ツチカが手がけている。
「THE BEST MANGA 2021 このマンガを読め!」
1位:近藤ようこ、澁澤龍彦「高丘親王航海記」(KADOKAWA)
2位:田島列島「水は海に向かって流れる」(講談社)
3位:平庫ワカ「マイ・ブロークン・マリコ」(KADOKAWA)
4位:和山やま「カラオケ行こ!」(KADOKAWA)
5位:ダヴィッド・プリュドム、原正人「レベティコ」(サウザンブックス)
6位:和山やま「女の園の星」(祥伝社)
7位:都留泰作「竜女戦記」(平凡社)
8位:すぎむらしんいち「最後の遊覧船」(小学館)
9位:笹生那実「薔薇はシュラバで生まれる」(イースト・プレス)
10位:増村十七「バクちゃん」(KADOKAWA)
11位:灰田高鴻「スインギンドラゴンタイガーブギ」(講談社)
12位:上野顕太郎、手塚治虫「治虫の国のアリス」(マイクロマガジン社)
13位:山本美希「かしこくて勇気ある子ども」(リイド社)
14位:西村ツチカ「北極百貨店のコンシェルジュさん」(小学館)
15位:香山哲「ベルリンうわの空」(イースト・プレス)
16位:吾峠呼世晴「鬼滅の刃」(集英社)
16位:藤本タツキ「チェンソーマン」(集英社)
18位:衿沢世衣子「光の箱」(小学館)
19位:松苗あけみ「松苗あけみの少女まんが道」(ぶんか社)
20位:トマトスープ「ダンピアのおいしい冒険」(イースト・プレス)