「劇場版シティーハンター」北条司の要望を監督ら明かす、神谷明はパート2希望

左からこだま兼嗣総監督、加藤陽一、神谷明、金子賢一、小形尚弘プロデューサー。

北条司原作によるアニメ映画「劇場版シティーハンター 」のビデオマスター版上映会が、本日10月29日に東京・TOHOシネマズ新宿で開催された。

明日10月30日にBlu-ray / DVDが発売される「劇場版シティーハンター 」。ビデオマスター版の上映後には、冴羽リョウ役の神谷明、こだま兼嗣総監督、脚本を手がけた加藤陽一、軍事ディレクションを担当した金子賢一、小形尚弘プロデューサーと、MCの若林豪プロデューサーによる舞台挨拶が行われた。

映画館で上映されたバージョンと、そこから50カ所ほど修正が加えられているというBlu-ray / DVD版の違いについて問われたこだま監督は、「そっと直したかったので、あんまりお話したくない(笑)」と前置きしながらも、「キャラの気になっていた部分などを修正しています。例えば花嫁衣装を着た香のお花畑のシーン。(写り込んでいる香が小さいため、劇場上映版では)顔を描いていなかったんですが、やっぱり顔があったほうがいいだろうという話になって。(原寸大では)描けないくらいの大きさなので、1度大きく描いてデジタルで小さくして当てはめるという手法を使いました」と説明。この修正について若林プロデューサーは、「北条先生からも、『ウエディングドレス姿の香がきれいに見えていてほしい』というご意見をいただいて、手を入れさせてもらいました」と付け加えた。

本作の舞台挨拶に初めて登壇した加藤は、脚本家として人生最多の書き直しをしたことを明かしながら、「ずっと前から『シティーハンター』が好きな方にも、初めて観る方にも『シティーハンター』とは何かということがすんなりわかること、かつファンの方が、これが『シティーハンター』だよねと思うところが全部入っているものを目指しました」と思いを述べる。また同じく舞台挨拶初参加の金子はTV版の「シティーハンター」シリーズと本作とで、リョウが弾をリロードする方法が異なっていることがネットで話題になったことに触れ、「(手首をスナップさせてリロードする以前の方法は)鉄砲をよく知っている人からすると少しお下品なリロードで、(続けていると)フレームが少し傷んでしまうんです。リョウは射撃の精度にこだわる男なので、そういうリロードはしないんじゃないかと思って変更しました」と、モデルガンを使って実演しながらこだわりについて語った。

Blu-ray / DVDの発売に際しディスクをプレスする静岡の工場を訪れた神谷は、「150枚のディスクにサインをしました。サインを150枚するのはそんなに大変ではないんですが、汚しちゃいけないのでゴム手袋をして書いたんです。普通、サインは手を滑らせるように書くからゴム手袋をしていると手が滑らなくて、そこは大変でしたね(笑)」と振り返りながら、「僕のところにも今日、Amazonからディスクが届いたんです。まだ開けていませんが、(サイン入りが)僕のところに来たらどうしようと思っています」と笑う。さらに神谷は本作の制作が2年前に始まったことを回想しながら、「この2年はあっという間でした。1本の作品でこんなにずっとお仕事をさせていただいたことは、50年間(声優を)やってきて初めてです。そういう作品に出会えたことは幸せですね」と心境を吐露。そして「(『』で)ここまでやったから、無理かもしれないですけど、加藤さんにももっともっと無理をしていただいて、皆さんにもご協力いただいて、パート2を作ってほしいなあ。これは私の大きな妄想でございます!」と観客に呼びかけると盛大な歓声が挙がった。

(c)北条司/NSP・「2019 劇場版シティーハンター」製作委員会