新海誠の新作「天気の子」、醍醐虎汰朗&森七菜に「この2人でよかったと確信」

新作アニメ「天気の子」制作発表記者会見の様子。左から森七菜、新海誠監督、醍醐虎汰朗。

新海誠監督の新作アニメ「天気の子」が2019年7月19日に全国東宝系の劇場で公開されることが決定。その制作発表記者会見が、本日12月13日に東京・帝国ホテルにて開催された。同会見には新海監督に加え、プロデューサーの川村元気と川口典孝、さらに本作に出演する森嶋帆高役の醍醐虎汰朗、天野陽菜役の森七菜が登壇した。

「天気の子」は天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻弄される少年と少女が自らの生き方を選択する物語。離島から家出して東京にやって来た高校生・森嶋帆高を醍醐が、帆高が東京で出会った、“祈る”ことで空を晴れにできる不思議な力を持つ少女・天野陽菜を森が演じる。

本作がどのような着想から生まれたのか聞かれた新海は、前作「君の名は。」の名前を出しながら「街中で作品の評判を聞いたりする中で、すごく大きな映画になったんだなと実感するようになった」と映画が公開されていた夏を振り返る。そんなときに見た積乱雲の上で「ゆっくり休めたらいいな」と思っていた景色が今作のビジュアルにつながっていったと明かした。また「誰もが自分のものだと思えるもの」として「天気」をテーマにすることを思いついたとも語られた。

「君の名は。」でもプロデューサーを務めた川村は、すでに全世界から配給のオファーが届いていることを明かしながら「前回があまりにも大きい成功だったので、改めてチャレンジャーとしてどう映画を作れるかということを主眼において進めている」と話す。現在制作作業の真っ只中だという川口プロデューサーは制作現場の雰囲気を聞かれると「大変だよ」と笑い、「今までで一番いいチームができている」と自信を見せる。続けて「新海誠を中心にものすごい一体感が生まれている。新海自身もこの2年半でものすごく進化しているので、期待してください」とコメントした。

キャスティングについて新海は「オーディションに2000人以上の人が来た」とすごく迷った末に決定したことを明かす。「今はこの2人でよかったと確信している」という醍醐と森のそれぞれの決め手を聞かれた場面では、醍醐について「マイク前に立っている姿を見て、思い描いている主人公・帆高に似ていると思ったんです。初々しくて一生懸命にやっているけどから回っている感じとか、なんて応援したくなる人なんだと思った」とその印象を説明。さらに「みんなが『もしかしたら自分なんじゃないか』と思って惹かれるような大きな器を持っている役者さんだとすごく感じるんです」と褒める。

醍醐は「そんなことを直接言っていただくのは初めてなので、うれしい限りです」と笑顔を見せる。役に決まったときのことを振り返り「ニヤニヤが止まらなかったです。『君の名は。』も映画館に3回観に行きました。そんな大好きな監督の作品に出るというプレッシャーも感じましたが、それ以上にワクワクしている気持ちが強いです」と意気込みを語った。

また新海は森について「捉えどころのない、正に“天気のような子”」と表現。「予想ができないから『次に何を喋るんだろう』と声に惹きつけられて、目が離せなくなる。ちょっと子供っぽいことを言ったと思ったら、次の瞬間に『なんて大人なんだ』と思わせる。天気とリンクした女の子としては、これ以上の子はいない」とキャラクターとの親和性を説明する。森は「オーディションが終わった瞬間から結果が気になって、分かるまでの日にちが何十年くらいに感じられました。合格を伝えられたときには、初めて自分の耳を疑いました」と述懐した。

会見では今作の音楽について話題が及ぶ場面も。新海はまだ詳細は話せないとしながらも「すでに、1年以上密接にやっています。ただそれは『君の名は。』と同じというわけではなく、新たなチャレンジをしているので、観ていただいてまた驚いてもらえるようなものになっているという確信が日々高まっています」と期待を込めて語った。

最後の挨拶で新海は「『人はこう生きるべきだ』と人を叱るような映画ではなく、むしろ観た人に叱られてしまうような映画にしたいという気持ちで作っています」と宣言。加えて「ある種勇気を出して、そういった叱られてしまうかもしれない要素を大事にしながらも、観ていただいた人には絶対に『損した』と思わせないような映画になっています」と熱い思いを伝え会見は終了した。

劇場アニメ「天気の子」

2019年7月19日(金)全国東宝系公開

スタッフ

原作・脚本・監督:新海誠
キャラクターデザイン:田中将賀
作画監督:田村篤
美術監督:滝口比呂志
制作:コミックス・ウェーブ・フィルム

キャスト

森嶋帆高:醍醐虎汰朗
天野陽菜:森七菜