「フリクリ プログレ」舞台挨拶、福山潤「井出はTVアニメのヒーローそのもの」

左から、井出交役の福山潤、雲雀弄ヒドミ役の水瀬いのり、雲雀弄ヒナエ役の井上喜久子。

劇場アニメ「フリクリ プログレ」の初日舞台挨拶が、去る9月28日に東京・TOHOシネマズ日比谷にて開催。雲雀弄ヒドミ役の水瀬いのり、井出交役の福山潤、雲雀弄ヒナエ役の井上喜久子、MCの柳原哲也(アメリカザリガニ)が登壇した。

作品を見終えたときの率直な思いを聞かれ、水瀬は「アフレコもTVアニメに近い形で行っていて、各話ごとに画のタッチも変わるので、これがどうつながっていくのか、アフレコの段階では想像できなかったんです」と明かし、「けど、できあがったものを観ると“これぞ『フリクリ』だな”というものになっていて。キャラクターが『フリクリ』の世界を縦横無尽にかけまわっていて、一種の青春の形を過ごしている。ハツラツとした気持ちになる作品でした」と語った。

福山は「TVアニメでいうと6本分くらいの尺で、この物語を描き切るっていうのが、昔のOVAを彷彿とさせてたまらなかったですね」とアニメ好きの彼らしいコメント。「井出の立場で言うと、ほとんどパニックムービーなんですよね(笑)」と続けると、井上も「(井出は)すごく面白いキャラで、(福山に)ぴったりだよね」と絶賛。そんな井上が「お母さんの役だから、ヒドミちゃんのことが大好きっていう気持ちで(演じました)」と振り返ると、柳原が「今日も(水瀬と井上が)会ったとき、『お母さんだよー!』って言っていて。僕はそれを見ながら『え、17歳ちゃうの?』って思ってましたけど」とツッコむ。さらに水瀬が「みなさん腕時計を見ていただくとわかるんですけど……」と時刻が22時を回っていることを指摘すると、福山が「大丈夫です。17歳は国家資格ですから」とフォローし、会場の笑いを誘った。

自身が演じたヒドミについて、水瀬は「思春期特有の、両親に対して口数が減るようなところがあったり、元気でパッパラパーな一面もあったり、時々見せる謎めいた一面もあったり、子供らしさと大人びた姿をどっちも持った女の子」と表現し、「私もデビューが14歳と早かったので、18歳くらいのときに、もう中身は23歳みたいな(笑)、アンバランスなところがあって。見た目と中身のギャップであったり、甘えたいけど甘えられない、不器用なところがヒドミに似てるかもしれません」と話した。福山は「彼の不屈のバイタリティーや、超人じみた無駄な生命力は、子供の頃に観ていたTVアニメのヒーローそのものですね」と、劇中での井出の活躍を評した。

印象的なシーンを尋ねられると、水瀬が「学校での適性検査のシーンは、いけないものを聞いている気分になってしまい……(笑)」とセクシーなシーンについて触れる。すると福山も「次に見るときは、そこだけに耳の焦点を当てて聞いてほしいです。いかがわしく聞こえますけど、男性はずっと“すごいよ”としか言ってないですから(笑)」と話し、井上も「あんな先生がいたら、もうたまらないよね!」と続ける。またハルハ・ラハル役の林原めぐみの演技についても触れ、「スローでしゃべったり速くしゃべったりするシーンは林原さんがアナログでやってるんですよ」と福山が話すと、「それも監督さんや音響さんの指示ではなく、林原さん自らのプランニング。私たちもびっくりしたんです」と感嘆の声を漏らす。井上は林原から「フリクリ」に懸ける思いを聞いていたといい、「その思いをみなさんに感じてもらいたいです」と呼びかけた。

「難しいと思いますが、本作を一言で説明するとしたら?」という質問に、真っ先に手を挙げた井上は「青春は爆発だ!」と答え、会場からは拍手が。福山は「複雑な世界の中に、まっすぐなラブストーリー」と表現し、水瀬は「一言では言えないので劇場へ!」という答えで締めくくった。最後に井上は「見どころがいっぱいで、胸が爆発しちゃいそうな、こんな作品はなかなかないと思います。お友達を誘っていっぱい見てください」と呼びかけ、福山は「僕、本番中に『いっ、いでー』ってダジャレ言ってみたんですけど、カットされてたんですよ(笑)。どこで言っていたのか(予想しながら)探してみてください!」と投げかけた。

そして水瀬は「絵の描写も音楽も、劇場で座って観ていると、ウズウズして動きだしたくなってしまうような、大迫力な作品です。『フリクリ』が好きな方には『フリクリ』らしいと思えるポイントがたくさんありますし、初めて『フリクリ』に触れる方も、最初は難しく思われるかもしれないですけど、何度も観ていただけると、気づいたときには“フリクリイズム”に染まってもらえると思います。キャスト陣も一生懸命演じましたので、みなさんまだまだ劇場に遊びに来てください」と、舞台挨拶を締めくくった。

劇場版「フリクリ プログレ」

公開中

スタッフ

監督:荒井和人、海谷敏久、小川優樹、井端義秀、末澤慧、博史池畠
脚本:岩井秀人
キャラクター原案:貞本義行
キャラクターデザイン:久保田誓
サブキャラクターデザイン:米山舞
メカデザイン:押山清高
プロップデザイン:村山章子、久原陽子
美術監督:荒井和浩
色彩設計:有澤法子
撮影監督:田中宏侍
CGディレクター:高柳陽
編集:濱宇津妙子
音楽監督・音楽:R・O・N
音響監督:なかのとおる
主題歌:the pillows「spiky seeds」
スーパーバイザー:鶴巻和哉
総監督:本広克行
アニメーション制作:Production I.G
配給:東宝映像事業部
製作:劇場版フリクリ製作委員会

キャスト

ハルハ・ラハル:林原めぐみ
ジンユ:沢城みゆき
雲雀弄ヒドミ:水瀬いのり
井出交:福山潤
森吾郎:村中知
マルコ野方:中澤まさとも
アイコ:黒沢ともよ
雲雀弄ヒナエ:井上喜久子
マスラオ:大倉孝二
アイパッチ:菅生隆之
屯吉:浦山迅
花枝タミ:鈴木れい子

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