「ブラック・ジャック展」なだぎ武が原画の展示量に圧倒「朝イチで来ても日が暮れますよ」

左から宮田裕章、真山りか、宮田裕章、大塚明夫。

手塚治虫「ブラック・ジャック」の連載50周年を記念した展覧会「手塚治虫 ブラック・ジャック展」が、明日10月6日から東京シティビューにて開催される。本日10月5日には、プレス向け内覧会とオープニングセレモニーが同会場にて行われた。イベントには手塚治虫作品のファンであるなだぎ武、マンガ好きの真山りか(私立恵比寿中学)、東京会場のファシリテーターであり慶應義塾大学医学部教授の宮田裕章、そしてサプライズゲストとしてアニメ「ブラック・ジャック」でブラック・ジャックの声優を務めた大塚明夫が登壇した。

手塚治虫作品はほとんどすべてと言っていいほど読んできたと語るなだぎは「特に『ブラック・ジャック』については思い入れが強いので楽しみです」と語る。セレモニーの前に少しだけ内覧してきたそうで、「10分ではとても見きれないボリュームで。原画だけで500点以上! 朝イチで来ても日が暮れますよ」とその展示数の多さに驚愕。実際に原画を見て「生原画の保存状態がすごくよかった。手塚先生の情熱とエネルギーと愛がこもっている原画を生で見れるなんて貴重だな」と感動した様子を見せた。

真山はピノコをイメージした衣装で登場。「小学2、3年生のときにアニメを観たのが好きになったきっかけで、当時はキャラがかわいいとかくらいしかわからなかったんですが、のちにマンガを読んで医療だけでなく道徳も学べる作品だと知りました。今ではすっかりファンです」と話し、“あっちょんぶりけ”を披露した。また会場内で一番印象に残ったのは第3室「B・J曼荼羅」コーナーだと話す。「(『ブラック・ジャック』は)シリアスなイメージが強かったので、その中でギャグに割り当てられていたパートが面白く感じて。特に動物が出てくる話が自分の中に刺さっています」と大興奮の様子で語った。

宮田は「ブラック・ジャック」を「医療に関わっている多くの人たちがリスペクトしている作品」と表現。「今見てもまったく古くなく、道徳を学べるという側面もありながら、医療をするなかで命と向き合うことも感じられて素晴らしいです」と絶賛した。また人生の節目節目に読み返していると明かし、「読むたびに大切な話が増えていくんですよね。AIの話などは、10年前はそんな時代来ないと思っていたけれど、そんなことはなかった。未来を見ていた手塚先生だからこそ普遍的な作品に仕上がったと思います」と話す。

その後、サプライズゲストとして大塚が登場。ブラック・ジャックの「医者はなんのためにあるんだ!」というセリフを披露すると、登壇者たちは大興奮した様子を見せた。ブラック・ジャック役のオファーが来たときの話を聞かれると、大塚は「当時はゲストとして登場する予定だったんですけど、急遽主役を演じられる方がご病気でアフレコに行けないとなり。それで音響監督の方から声をかけてもらって主役を担当することになったんです」と当時を回顧する。大役を任されたうれしさと同じくらいプレッシャーがあり、出崎統監督とさまざまなすり合わせをして臨んだと語った。真山から「原作を読んでいると涙が出てくるシーンがあると思いますが、アフレコでは泣きましたか?」といった質問が投げかけられると、「もちろんありました。ただ涙が出ても、そのぐずぐず感はうまく利用していましたね」と回答。最後にかつて喉にポリープができたことがある真山に対して「3000万いただきましょう」というセリフを投げかけ、会場の笑いを誘った。

最後に登壇者からは一言ずつメッセージが。なだぎは「今この時代にこそ『ブラック・ジャック』を見ていただいて、医療の、命のあり方を生原画を通して楽しんでいただけたらと思います。展示量が多かったのでプライベートでゆっくりと来たいと思います」と語る。真山は「キャラだけを知っている、セリフだけを知っている、という方にもぜひ見ていただきたいです」と話し、最後に大塚が「ちょうど今、出崎監督のOVAがYouTubeで見られるので、この機会にぜひ好きなエピソードなどをご覧になって、展示会で2度楽しんでいただけたらと思います」と語りかけ、締めくくられた。

手塚治虫 ブラック・ジャック展」

会期:2023年10月6日(金)~11月6日(月)
時間:10:00~22:00(最終入館21:00)
場所:東京都 東京シティビュー

手塚治虫の塚は旧字体が正式表記。

(c)Tezuka Productions