「セーラームーン」ごっこ遊びがしたい佐倉綾音、林原めぐみには「勝てない……!」

左から佐倉綾音、早見沙織、林原めぐみ、三石琴乃、水樹奈々、高橋知也監督。

武内直子原作によるアニメ「劇場版『美少女戦士セーラームーンCosmos』」前編の公開記念舞台挨拶が、本日6月10日に東京・丸の内TOEIで開催された。イベントにはエターナルセーラームーン/月野うさぎ役の三石琴乃、セーラーギャラクシア役の林原めぐみ、セーラー火球/火球皇女役の水樹奈々、セーラースターメイカー/大気光役の早見沙織、セーラースターヒーラー/夜天光役の佐倉綾音、高橋知也監督が登壇。前編のアフレコを実施してから、約2年越しとなる公開を迎えた心境や、アフレコ時のエピソードなどが語れらた。

前編の公開を迎え、三石はまず観客がいて映画を上映できる安心感や、足を運んでくれた観客へ感謝の気持ちを述懐。「最終章だからといって役作りを変えているわけではないけれども、1つのシーンが終わるたびに残り少なくなってきた物語を噛み締めながら大事に収録していきました」と語る。また林原との共演やアフレコ時のエピソードを聞かれると「役の雰囲気をまとってスタジオに入っていきました」と回答。林原も「挨拶はすれどスタジオ内では特に話さずで。一通り(役としての)戦いが終わってからは和みの時間もありましたけど、スタジオでは『この2人マジで仲悪いんじゃない?』ってくらいの雰囲気でした。お互い勝手知ったる仲だからできていることですけどね」と当時の様子を振り返る。

そんな林原は、セーラーギャラクシアを意識したゴールドの衣装に目元も赤いカラコンを身に着け登壇。「セーラームーン」の現場での三石を見た印象を聞かれると「これまで(三石の)芝居をいろいろ浴びているけど、うさぎちゃんを聞いたときに軸がぶれました。どうしてそのピュアさを(今でも)持っているの?っていう」と明かした。自身が演じるセーラーギャラクシアとも重ね合わせ「うさぎちゃんって、言い方悪いけどグズグズなんだよね。ただみんなが守ってくれることで強くなれる。その当たり前のことをギャラクシアは持っていないから、うさぎちゃんに対して『絶対潰してやる、信じているものをバラバラにしてやるぞ』という姿勢になって」と話すと、三石も「うさぎがセーラーギャラクシアの立場に立っていたら分からないよね、逆だったかもしれないもんね」と語り合った。

「セーラームーン」世代ではありつつ、今回の出演を機に作品を履修したという佐倉は、作品にハマっている今「セーラームーン」ごっこ遊びがしたいと明かす。水樹には「火球様にお会いできて光栄です」、三石には「声を聞くだけで泣きそう」とごっこ遊びさながら次々と絡んでいくものの林原に対しては「めぐさん(林原)には……勝てない……!」とつぶやく。するとそれに対して林原は「知ってる」と満面の笑みで答え会場は笑いに包まれた。また高橋監督は公開を迎え、「武内先生が表現したかった動きを、うさぎちゃんの感情を丁寧に表現できるように、またファンの皆さんにあのときのトキメキを思い返していただけるように全力で取り組みました」と述懐。スタッフにも「セーラームーン」好きな人がすごく多いと明かし、現場での熱量の高さを伝えた。

セーラーギャラクシアを演じるうえで意識した点を問われた林原。「彼女が闇落ちした末の行動は、彼女の中にある正義をもとに行われていて。『私の星に来い』という揺さぶりをかけてくるみたいに、気が付いたら後ろに立っているような背筋が凍るような怖さを意識しました」と語る。水樹も「セーラーギャラククシアはずっと不敵な笑みをしていて、真っ直ぐな怖さをすごく感じました」と話し、高橋監督も三石と林原のアフレコ現場を見て「三石さんもたがが外れてきてどんどん盛り上がっていって。コロナ禍で限られる部分はあったけど、実際のかけあいを聞けて僕の背筋も凍りました」と語った。

その後1人ひとりがうさぎの魅了を語るコーナーへ。「セーラームーン」は自分にとってアニメの原風景だと語る早見は「(うさぎには)すごい広くて深い愛を感じました。ちょっと正確ではないかもしれないですが、『どんな自分も自分だから受け入れて、その私にしかできないことがある』というセリフを、今この時代に聞けることができてありがとうという気持ちです」と熱弁。また佐倉、水樹も口々にうさぎをべた褒めしていると、林原が「イライラしてきた!」と冗談混じりにツッコむ場面も見られた。三石もべた褒めな状況に「女の子としてどうなのという場面もありますけど(笑)」と言いつつ、「周りに助けられて強くなっていく普通の女の子であるところが好きです。うさぎちゃんを見ている周りの戦士たちも、不器用な人を助けることで強くなっていくということ感じているんだなと」語り、うさぎへの愛が詰まったトークが展開された。

最後に三石から挨拶が行われる。「一歩ずつ終わりに近付いていて、寂しくもありますけど、充実感もあります。今日これだけエネルギーのある方が集まって、このあたりの磁場が歪んでいる気がします(笑)。この丸の内TOEIから『セーラームーン』の愛と正義が世界中に届いたらいいなと思っています」と話し、最後には「『美少女戦士セーラームーンCosmos』、後編まで応援してくれないと……月にかわって おしおきよ!」とセリフを披露し、イベントは閉幕した。

「劇場版『美少女戦士セーラームーンCosmos』」では「美少女戦士セーラームーン」シリーズ最終章のシャドウ・ギャラクティカ編を展開。シャドウ・ギャラクティカに仲間を次々と狙われ、絶望的な状況に陥ったセーラームーンが、愛する人たちを守るため再び戦いに身を投じていく。前後編に分かれており、後編は6月30日に公開される。

「劇場版『美少女戦士セーラームーンCosmos』《前編》」「劇場版『美少女戦士セーラームーンCosmos』《後編》」

前編公開日:2023年6月9日(金)
後編公開日:2023年6月30日(金)

スタッフ

原作・総監修:武内直子
監督:高橋知也
脚本:筆安一幸
キャラクターデザイン:只野和子
音楽:高梨康治
美術監督:空閑由美子(スタジオじゃっく)
アニメーション制作:東映アニメーション、スタジオディーン
配給:東映

キャスト

三石琴乃、野島健児、福圓美里、金元寿子、佐藤利奈、小清水亜美、伊藤静、皆川純子、大原さやか、前田愛、藤井ゆきよ、水樹奈々、井上麻里奈、早見沙織、佐倉綾音、林原めぐみ、小泉瀬奈、村瀬歩、日笠陽子、伊瀬茉莉也、工藤晴香、三上枝織、伊藤かな恵、水沢史絵、小松由佳 ほか

※高橋知也監督の高ははしごだかが正式表記。

(c)武内直子・PNP/劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos」製作委員会