又吉直樹、武富健治が描いたマンガ版「火花」を読み「これは僕の話」と述懐

左から又吉直樹、武富健治。(写真:斎藤大嗣)

又吉直樹の小説「火花」を、「鈴木先生」の武富健治が描いたマンガ版「火花」の上下巻が、本日11月10日に刊行された。

お笑い芸人の徳永と、先輩芸人・神谷の関係を描いた「火花」。第153回芥川賞に選ばれたことでも話題を呼んだ。マンガ版は又吉自らがラブコールを送ったという武富が手がけ、週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)にて連載された。

各巻の巻末には、又吉が同作のために書き下ろした、作中に登場する漫才コンビ・スパークス、あほんだらの漫才ネタも原文にて収録。下巻の巻末には武富と又吉の対談も収められている。

対談の中で、又吉は「今回改めて通して読ませてもらったんですけど、めちゃくちゃ面白くて。活字が苦手だっていう人は、この武富先生版の『火花』を読んでもらえたら、僕としてはすごくうれしいです」と語り、「実は原作の『火花』を出版した時、全部僕の話として読まれたくないという気持ちがあって、取材では必要以上に自分のことを書いたわけじゃないと言っていたんです。でもこうやって武富先生に描いてもらったものを読んでみると、やっぱり自分の話なんやなって。……僕の人生に実際にあったわけじゃないことも書いてあるけど、これは僕の話やなっていうふうに、改めて思いました」と思いを述べている。なお対談は、11月13日発売のビッグコミックスピリッツ50号にも掲載される。

また11月23日には実写映画「火花」が全国公開。徳永役を菅田将暉、神谷役を桐谷健太が演じている。