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萩尾望都がアイズナー賞でコミックの殿堂に「素晴らしい贈り物に心から感謝」

萩尾望都がアメリカのマンガ賞であるアイズナー賞で、コミックの殿堂(The Comic Industry’s Hall of Fame)を受賞した。

これは現地時間7月22日に米国カリフォルニア州サンディエゴで開催されたコミコン・インターナショナルで発表されたもの。アイズナー賞は米国のマンガ業界が過去1年間で特に優れた業績を残した作品・アーティストを顕彰するアワードで、「コミックの殿堂」は個々の作品に対してではなく、マンガ家の殿堂入りを認める賞となっている。これまでに手塚治虫、小池一夫、小島剛夕、大友克洋、宮崎駿、高橋留美子が受賞し、萩尾は7人目として名を連ねた。

萩尾からはコメントが到着。「この素晴らしい贈り物に心から感謝いたします」「私は多くの方に感謝いたします。私を見出し、仕事をくれた編集者に感謝します。特に小学館の山本順也編集者(故人)は私を束縛せず自由に表現させてくれました。 私はどこまでも、羽ばたくことができました」「そして、私の作品を読んでくださったたくさんの方に感謝します。 漫画という文化を世界の人々が愛して下さるのを心から感謝します」と喜びを綴った。

萩尾は1949年5月12日生まれ、福岡県大牟田市出身。日本SF作家クラブ、日本漫画家協会に所属している。1969年「ルルとミミ」でデビューし、主な代表作は「ポーの一族」「トーマの心臓」「11人いる!」など。現在は月刊flowers(小学館)で「ポーの一族」の最新エピソードを連載中だ。

萩尾望都コメント

萩尾望都です。この度、伝統あるアイズナー賞で、2022年の「コミックの殿堂」入りという名誉をいただきました。
この素晴らしい贈り物に心から感謝いたします。
私の尊敬する漫画家は手塚治虫です。この方は2002年にコミックの殿堂入りとなりました。手塚治虫はアメリカのアニメーションに感動し、生涯漫画でその動きと美しさを追求しました。私は10代の頃、そういう手塚治虫の作品に感動して漫画家の道を目指しました。そして今、アメリカのアイズナー賞をいただいています。文化や表現はこのように派生し受け継がれていくのだと、改めて思います。
私は多くの方に感謝いたします。私を見出し、仕事をくれた編集者に感謝します。特に小学館の山本順也編集者(故人)は私を束縛せず自由に表現させてくれました。私はどこまでも、羽ばたくことができました。私の仕事のスタッフ、支えてくれた多くの友人に感謝します。また、私の日本語の作品を翻訳してくださったマット・ソーンさん始め、翻訳者の方々に感謝します。この方々の仕事のおかげで、世界の読者に私の作品を届けることができました。
そして、私の作品を読んでくださったたくさんの方に感謝します。漫画という文化を世界の人々が愛して下さるのを心から感謝します。

2022年7月 萩尾望都