「メタモルフォーゼの縁側」舞台挨拶で注目ポイントをアピール、芦田愛菜の誕生日も祝福

実写映画「メタモルフォーゼの縁側」公開記念舞台挨拶の様子。

鶴谷香央理原作による実写映画「メタモルフォーゼの縁側」の公開記念舞台挨拶が、本日6月19日に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された。

6月17日より公開中の映画「メタモルフォーゼの縁側」は、人付き合いが苦手な17歳の女子高生・佐山うららと、75歳にしてBLを知った老婦人・市野井雪が、BLマンガを通じて交流を深めていく友情譚。上映後に行われた舞台挨拶には、うらら役の芦田愛菜、雪役の宮本信子、うららの幼なじみ・紡役の高橋恭平(なにわ男子)、うららと雪が熱狂するBLマンガ家・コメダ優役の古川琴音、母の雪を気にかける娘・花江役の生田智子、うららのクラスのマドンナ・英莉役の汐谷友希、そして狩山俊輔監督が登壇した。

観客からの感想や質問を受けて、トークを展開していった今回の舞台挨拶。本作で走るシーンが多かった芦田は「走るシーンでは、シーンごとになぜ走っているのか、その理由を考えながら気持ちを込めて走っていました。うまく表現できてたらうれしいです」と撮影当時を振り返る。それに対し、狩山監督は「芦田さん、走るのがめちゃくちゃ速いんです。カメラが追えないくらい速くて、なんとか撮影しました」と初めて明かすエピソードを添えた。

優のサイン会のシーンで泣いたという観客の声に、古川は「私もサイン会のシーンは心に残ってます。宮本さん演じる雪さんの目が輝いてキラキラしていて。その目を見ていると、私自身、込み上げてくるものがありました」とコメント。続いて宮本も「あのシーンは、それまでのシーンが積み重なってできたクライマックスの1つでした。雪さんの生活が少しずつ華やかに変わっていくように、映画を観ていただく人にも希望と勇気と好きなものを見つめてほしいなと思って演じました」と話した。雪の家での撮影について聞かれた生田は、「花江が家で酔っ払って寝てしまうシーンの撮影で、実はスタンバイ中にこっそり薄目を開けて、芦田さんと監督が真剣な表情でお芝居の打ち合わせをしているのを見ていたんです。どんなシーンに仕上がるのか楽しみにしていました」と明かした。

高橋はクランクインとなったうららがバイトしている本屋での撮影について、「英莉ちゃん(汐谷)と2人でのやり取りがすごく青春っぽくて楽しみながらやりました」と言及。映画自体が初出演で、高橋と同じタイミングでクランクインした汐谷は「あんなに緊張して本屋さんへ入ったことはありませんでした。あのときは『ここから映画の撮影が始まるんだな』と気持ちが引き締まる思いでした」と述べた。

これから映画を観る人に注目してほしいポイントを尋ねられると、芦田は「うららのこだわりが溢れてる小道具やセットです。マンガを描いている机は押し入れの襖を取って机にしていたり、着てる服も古着だったり。キャラクターらしさを表現する工夫をぜひ見てほしいです」とアピール。続いて宮本が「硬いかぼちゃを切ることができず、包丁が刺さったカボチャをまな板の上に置いたまま、ご飯を1人で食べているシーン、思わずクスッと笑えて大好きなんです」と答えると、映画を観たばかりの会場が笑い声に包まれた。そして高橋は「紡のすべり台の降り方です。紡はお茶目で挑戦的なので、座って降りるのではなく、駆け降りるだろうなと思って疾走しました」と語り、古川は「マンガ家の役ということで、絵を描く練習をたくさんしました。絵を描いているシーンの手元にぜひ注目してほしいです」と話した。さらに生田は「ノルウェーに住んでいる役なので、衣装やネイルなどを明るく派手めにして、驚きかたなども、おおらかに見えるように演じました」と役作りのポイントを披露。汐谷は「ぜひご覧いただきたいのが、階段でうららと話すシーンです。あのシーンで初めてしっかりとうららを目を見て話ができた気がしたので注目してほしいです」と伝えた。

ここで6月23日に18歳の誕生日を迎える芦田に、サプライズでケーキが登場。共演者、監督、会場の観客から温かい祝福が送られた。「本当に聞いてない! びっくりですが本当にうれしいです!」と感激している様子の芦田へ、監督は「お誕生日おめでとうございます。多彩な芦田さんに言うこともないのですが……忙しいと思うんですけど、映画にも出てくるセリフのように、フラフラできるときにはフラフラしてもいいと思います」とメッセージを贈る。宮本も「愛菜さん18歳おめでとうございます。何もかもパーフェクトにこなしてらっしゃるので、ときどきフラフラしながらこれからもがんばってください。私も少し離れたところから愛菜さんをずっと見守っています」と祝福した。

最後には芦田が「“縁側”とは家の中と外側をつなげてくれるものだと思っています。うららと雪さんのような素敵な出会いが、お客さまにも訪れる映画になったらよいなと思います」と挨拶し、舞台挨拶を締めくくった。

(c)2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会