「かくしごと」舞台挨拶で久米田康治「ギャグをカットするとこういう感動作になる」

左から久米田康治、村野佑太監督。

久米田康治原作によるアニメ「劇場編集版 かくしごと ―ひめごとはなんですか―」の公開記念舞台挨拶が、本日7月10日に東京・新宿バルト9で行われ、久米田と村野佑太監督が登壇した。

昨日7月9日に公開されたアニメ「劇場編集版 かくしごと ―ひめごとはなんですか―」。久米田の画業30周年記念作品となる同作では、2020年4月から6月にかけて放送されたTVアニメに新規カットを追加し、TVアニメで描かれなかったもう1つのラストが描かれる。冒頭では主人公・後藤可久士を彷彿とさせる衣装で会場に現れた久米田を、村野監督が「コスプレしてますよ」といじるも、久米田は「コスプレはしてないですよ!」と返した。

当初はTVアニメと原作のマンガが、同時に終わるという想定で制作が進められた「かくしごと」。村野監督は「原作が最終回を迎えたすぐあとに、TVアニメの最終話もそれに合わせる形で進行していたのですが、『久米田先生(の原作)がまだまとまらない』という連絡が回ってきまして……。『うそでしょ! アニメは進んでいるのに』って。ずるいですよね。TVアニメだってお母さんのこと描きたかったのに!」と正直な気持ちを打ち明ける。それを受けて久米田は「でも、それで結果的に今回の劇場編集版になったんだからよかったでしょ」と反撃。村野監督は「久米田先生がちゃんと期日を守って描いていたら、今回の作品はなかったです」と述べた。

最後に村野監督は「予想通り交通事故のような舞台挨拶となりました(笑)。グダグダで申し訳ない」と舞台挨拶の内容について謝罪しながら、「まだまだ(上映は)始まったばかりなので、もう1回2回と劇場に足を運んでいただけるとうれしいです」とコメント。久米田は「僕のギャグ漫画人生30年を否定するかのように、ギャグをカットするとこういう感動作になるということがわかったので、ほかの作品でも悪い部分を全部カットして作ってもらえたら感動作になるのかな……と、新しい方向性が見えた気がしました」と久米田節全開で挨拶をして、イベントは幕を閉じた。

(c)久米田康治・講談社/劇場編集版かくしごと製作委員会