映画「デジモン」新作は花江夏樹の集大成、松岡茉優は「衝突注意!」と喚起

劇場アニメ「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」完成披露試写会の様子。左から花江夏樹、松岡茉優、坂本千夏。

劇場アニメ「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」の完成披露試写会が、去る2月4日に東京・新宿バルト9で開催された。

イベントには八神太一役の花江夏樹、アグモン役の坂本千夏、メノア・ベルッチ役の松岡茉優、田口智久監督が登壇。花江は「僕は『デジモンアドベンチャー tri.』の第1章から参加していますが、今回の作品が集大成です! これだけ長い時間、同じ役を演じることは珍しいこと。大人になった太一の魅力を表現できるよう演じました。太一が最後にどのような決断をするかが見どころです」とアピールする。

一方、1999年に放送が開始されたTVアニメ「デジモンアドベンチャー」から同シリーズに出演してきた坂本は「20年ってすごい長い年月ですよね。テレビをやっていたときは、こんなにデジモン好きな人がいるとは知らなかった。知っていたらもっと楽しくやれてたのに(笑)。あの頃テレビを観ていた子供たちが今はこんなに立派になって! そりゃ歳も取るわけね」とコメント。その言葉を受け、花江は「あの頃はみんな子供だったけど、今では誰にも怒られずデジモングッズにお金を使えますね」と笑いを誘った。

ゲスト声優として参加した松岡は、幼い頃から「デジモン」シリーズが好きだったそう。「子供の頃、万歩計機能の付いたデジヴァイスを河原で振ってました!」と身振り手振りを交えて回想する。役作りについて聞かれると「まずは平常心でいることです! だってアグモンとしゃべってるんですよ?」と興奮気味に。本作について「あの頃のデジモンを作っていたベテランのスタッフと、デジモンを観て育ったスタッフが一緒に作っています。子供心を思い出させてくれつつ、もう一歩大人にしてくれる映画です」と紹介した。

田口監督は「大人になった人たちも子供の頃を思い出して、もう一歩前に進めるような映画にしたいと思って取り組みました」と映画にかけた思いを説明。制作については「当時見ていたアニメを作っていた人たちが目の前にいて、その方たちと一緒に作品を作るのは刺激的でした」と明かす。そんな田口監督に対し、花江は「田口監督は本当にデジモンが好きなんだなと思いました。絵の作りも初代の映画に近いような雰囲気があってうるっときてしまいます」とコメント。坂本も花江の発言に同意し、「あんたも好きねって感じですね(笑)。最初から心をわしづかみにされますよ!」と呼びかける。松岡も「映画が始まってすぐひざから崩れ落ちます。前のお客さんと衝突注意! お気を付けください」と注意した。

ここで、同シリーズの好きな登場人物とデジモンの話題に。花江はウォーグレイモンを挙げ、「説明はいらないでしょ。ウォーグレイモンを嫌いな男はいません! 本当にカッコよくて、幾度となくみんなのピンチを救ってくれました」と説明する。坂本は好きな登場人物に太一を選び「そりゃそうでしょ! やっぱり太一だよ。しょうがない大好きなんだから」と、松岡は「ずっとエンジェウーモンが好きだったんですけど、今作で1位がアグモンになってしまいました。とにかくアグモンがヤバいです。現場からは以上です」と回答。田口は「ほっぺをずっと触っていたい」と言う理由から、好きなデジモンにテリアモンを選んだ。

イベントでは、本作のテーマにちなんだ質問も。花江は“大人になった瞬間”について「アフレコの打ち上げで千夏さんと一緒にワインをベロンベロンになるまで飲みました。最終的には『これからもよろしく!』みたいな感じで抱き合いました」と明かす。また“進化”したいことを聞かれると、松岡は「私はおはガールだったので、『おはスタ』ファミリーなんです。山寺宏一さんには子供の頃からお世話になっているので、山ちゃんに『デジモン』で私自身の進化を見てもらいたいです」と述べた。

最後に松岡は「太一たちはどんな状況でも諦めず前に進んで行きます。そんな姿に大人になった今でも勇気をもらいました。皆さんも勇気と元気をもらってほしいです」とコメント。花江は「大人になった太一を引き継いで演じさせてもらっていることがいまだに信じられないです。大人になって得るものと失うものがあります。そんなことを考えさせてくれる映画になっています」と語り、イベントは幕を閉じた。

(c)本郷あきよし・東映アニメーション