シュタゲ10周年祝う「科学ADVライブ」ラボメンたちが岡部不在の円卓会議

昼公演のボイスドラマの様子。左から後藤沙緒里、桃井はるこ、花澤香菜、今井麻美、関智一、小林ゆう。

「科学ADVライブ S;G 1010th ANNIVERSARY」が、去る1月26日に東京・Zepp DiverCityで昼夜2公演にわたり開催された。

4回目の開催となった「科学ADVライブ」は、「STEINS;GATE」や「CHAOS;CHILD」をはじめとするゲーム作品群「科学アドベンチャーシリーズ」の関連楽曲が披露されるライブイベント。今回は2009年にXbox 360専用ソフトとして発売され、のちにTVアニメ化や舞台化も果たした「STEINS;GATE」の10周年を記念して、アーティストによるライブに加え「STEINS;GATE」のキャスト陣によるボイスドラマが昼夜異なる内容で展開された。台風19号の影響で2019年10月より延期になり、待望の開催となった本公演。開演前アナウンスは昼夜ともに「STEINS;GATE」より今井麻美演じる牧瀬紅莉栖、関智一演じる橋田至が担当し、アドリブも交え繰り広げられる2人の掛け合いに、期待を胸に集まったファンは歓声で応えた。

昼夜両公演でトップバッターを飾ったいとうかなこ。昼公演は第1作「STEINS;GATE」のオープニングテーマ「スカイクラッドの観測者」で幕を開けた。「STEINS;GATE」を象徴する1曲に、観客は真っ赤なペンライトを振りながらヒートアップ。TVアニメ「ロボティクス・ノーツ」の後期エンディングテーマ「トポロジー」では、一転して穏やかな歌声を聴かせた。一方夜公演はTVアニメ「シュタインズ・ゲート ゼロ」のオープニングテーマ「ファティマ」でスタート。クールなパフォーマンスで会場を盛り上げたZwei、ファンの近くまで歩み寄って手を振る彩音ら、ライブでは7組のアーティストにより昼夜各21曲が披露されたが、なんと全曲が異なるセットリストで展開され、「科学アドベンチャーシリーズ」の歴史を感じさせる内容となった。

イベント中盤で展開されたボイスドラマもまた、昼夜でまったく異なる趣向が凝らされた。昼の部の朗読劇「0と1のラウンドテーブル」は、掛け合いを中心にしたコミカルな内容。スクリーンに「STEINS;GATE ELITE」のタイトル画面が表示され、「朗読劇」の項目が選択されるという演出に観客は驚きの声を上げる。いとうが同作のオープニングテーマ「COSMIC LOOPER」を歌い、シームレスにボイスドラマがスタート。ここでもゲーム画面を模したスチールがキャラに合わせて切り替わり、さらにキャスト陣の演技に合わせてテキストが送られていくという、まるでゲームの新作をプレイしているかのような演出でファンを楽しませた。

ボイスドラマには関と今井をはじめ、椎名まゆり役の花澤香菜、桐生萌郁役の後藤沙緒里、漆原るか役の小林ゆう、フェイリス・ニャンニャン役の桃井はるこが参加。「0と1のラウンドテーブル」では、「オカリンは旅に出た」という設定で岡部倫太郎役の宮野真守が惜しくも出演できなくなったことに触れつつ、ラボメンによる岡部不在の円卓会議が行われた。天王寺裕吾から10年後、つまり2020年までの事業計画書を提出するよう言われた一同。“HENTAI”発言を繰り返すダル、ツンデレを発揮する紅莉栖など、キャラクターらしさの詰まった掛け合いに笑いが絶えない一方で、10年間の歩みやファンへの感謝の思いもちりばめられた内容に、観客は盛大な拍手で応えた。

一方、「STEINS;GATE 0」のオープニング曲「アマデウス」に続けてスタートした夜公演のボイスドラマ「0と1のタイムカプセル」は、ラボメンたちが10年後の自分へのメッセージを順番に1人語りで披露するというシリアスなもの。暗転したステージが緊張感に満ちる中、強くなることを決意するるか、10年後は生きていないと語る萌郁、変わっていく秋葉原への思いを語るフェイリス、ラボメンへの思いを語るまゆりなど、それぞれのキャラクターの秘めた感情を、キャスト陣は静かなトーンで熱演した。ボイスドラマ後にはキャスト陣によるトークコーナーも用意され、ボイスドラマの感想はもちろん、今後どんな世界線を演じてみたいか、10年間で印象に残った出来事などの話題を和気あいあいと語り合い、今後の展開への期待を滲ませた。

イベントは再びライブパートへ。昼公演ではZweiのボーカル・Ayumuが「星の奏でる歌」の冒頭をアカペラで披露したり、今井が紅莉栖のキャラクターソング「約束のパラダイム」を歌唱したりと、「STEINS;GATE」へのお祝いムードを交えつつ、「科学アドベンチャーシリーズ」の関連楽曲が次々披露された。純情のアフィリアはキュートなパフォーマンスで観客を魅了し、夜公演では亜咲花といとうがTVアニメ「Occultic;Nine-オカルティック・ナイン」のテーマ曲を続けて披露し、客席をイエローのペンライトで染め上げた。2公演にわたる祝祭を締めくくったのは、いとうによる「Hacking to the Gate」。TVアニメ「シュタインズ・ゲート」のオープニングテーマである同曲で、会場はこの日一番の熱狂に包まれた。

終演後には「科学アドベンチャーシリーズ」の新作ゲーム「ANONYMOUS;CODE」のPVや、「STEINS;GATE 0 ELITE」のフルアニメーション版発売決定など、さまざまな新情報も発表。最後に明らかにされた「STEINS;GATE」のハリウッドでの実写ドラマ化の知らせには、場内からどよめきが起こった。10周年イヤーが9月まで続く「STEINS;GATE」をはじめ、「科学アドベンチャーシリーズ」の今後の展開は、この日オープンしたシリーズのポータルサイトでチェックしよう。

「科学ADVライブ S;G 1010th ANNIVERSARY」

開催日時:2020年1月26日(日)昼公演 13:45開場 / 14:30開演、夜公演 18:15開場 / 19:00開演
会場:東京都 Zepp DiverCity
出演:亜咲花、彩音、いとうかなこ、今井麻美、純情のアフィリア、Zwei、ファンタズム(FES cv.榊原ゆい)、花澤香菜、関智一、後藤沙緒里、小林ゆう、桃井はるこ

昼公演「0と1のラウンドテーブル」セットリスト

01.スカイクラッドの観測者 / いとうかなこ
02.宇宙エンジニア / いとうかなこ
03.A.R. / いとうかなこ
04.シンギュラリティー / いとうかなこ
05.トポロジー / いとうかなこ
06.フェノグラム / 彩音
07.約束のオーグメント / Zwei
08.COSMIC LOOPER / いとうかなこ
ボイスドラマ「0と1のラウンドテーブル」
椎名まゆり(CV.花澤香菜)、橋田至(CV.関智一)、牧瀬紅莉栖(CV.今井麻美)、桐生萌郁(CV.後藤沙緒里)、漆原るか(CV.小林ゆう)、フェイリス・ニャンニャン役(CV.桃井はるこ)
09.刻司ル十二ノ盟約 / ファンタズム(FES cv.榊原ゆい)
10.グラジオール / ファンタズム(FES cv.榊原ゆい)
11.密教の首飾り / ファンタズム(FES cv.榊原ゆい)
12.ライア / Zwei
13.拡張プレイス / Zwei
14.数奇なるファクタ / Zwei
15.Play the game / 亜咲花
16.約束のパラダイム / 牧瀬紅莉栖(CV.今井麻美)
17.La*La*Laラボリューション / 純情のアフィリア
18.IF / 彩音
19.Another Heaven / いとうかなこ
20.Uncontrollable / いとうかなこ
21.Find the blue / いとうかなこ

夜公演「0と1のタイムカプセル」セットリスト

01.ファティマ / いとうかなこ
02.非実在青少年 / いとうかなこ
03.非線形ジェニアック / いとうかなこ
04.fake me / いとうかなこ
05.F.D.D. / いとうかなこ
06.空の下の相関図 / いとうかなこ
07.LAST GAME / Zwei
08.純情スペクトラ / Zwei
09.アマデウス / いとうかなこ
ボイスドラマ「0と1のタイムカプセル」
椎名まゆり(CV.花澤香菜)、橋田至(CV.関智一)、牧瀬紅莉栖(CV.今井麻美)、桐生萌郁(CV.後藤沙緒里)、漆原るか(CV.小林ゆう)、フェイリス・ニャンニャン役(CV.桃井はるこ)
10.運命のファルファッラ / ファンタズム(FES cv.榊原ゆい)
11.アニーの指輪 / ファンタズム(FES cv.榊原ゆい)
12.磔のミサ / ファンタズム(FES cv.榊原ゆい)
13.非合理的かつ訂正不能な思い込み / 純情のアフィリア
14.いつもこの場所で / 彩音
15.邂逅のフェタリテート / 彩音
16.Avant Story / Zwei
17.World-Line今井麻美
18.Open your eyes / 亜咲花
19.聖数3の二乗 / いとうかなこ
20.あなたの選んだこの時を / いとうかなこ
21.Hacking to the Gate / いとうかなこ