舞台「さらざんまい」開幕!めくるめく幾原ワールドを映像や歌も交えて表現

「さらに『さらざんまい』~愛と欲望のステージ~」ゲネプロの様子。

舞台「さらに『さらざんまい』~愛と欲望のステージ~」が、本日11月28日に東京・シアター1010で開幕。これに先がけて、去る11月27日にゲネプロと囲み取材が行われた。

本作は4月から6月にかけて放送された幾原邦彦監督によるTVアニメ「さらざんまい」を舞台化したもの。謎のカッパ型生命体・ケッピに尻子玉を奪われ、カッパに変身させられてしまった中学2年生の矢逆一稀、久慈悠、陣内燕太の3人が、「元の姿に戻りたければ“ある方法”でつながり、ゾンビの尻子玉を持ってこい」とケッピに告げられることから物語は動き出す。舞台ではアニメと同様のストーリーを、約2時間15分の上演時間に凝縮。回想シーンや“漏洩”シーンは紗幕越しの演技で表現され、“カパゾンビ”の登場シーンなどはアニメの映像も交えて独特な世界観を再現した。

一稀役の木津つばさ、悠役の設楽銀河、燕太役の野口準はシリアスな演技とコミカルな演技、人の姿とカッパの姿をめまぐるしく行き来する。ミュージカル的な要素も盛り込まれ、カッパ姿でのダンスや決めポーズの再現はもちろん、それぞれソロで歌唱を披露する場面も用意された。一方、新星玲央役の中村太郎と阿久津真武役の高本学は、2人の密な関係をワンシーンごとに丁寧に見せていく。終盤で玲央が感情を爆発させる場面では、中村の熱演が光った。

囲み取材には木津、設楽、野口、中村、高本の5名が登壇。木津は「アニメに忠実でありつつも、演劇的な描写も楽しめる、見所たくさんの舞台になっています」と語り、設楽は「悠と誓の関係性や、一稀と春河の関係性がすごく密に描かれるので、注目してほしいです」と呼びかける。野口も「原作の魅力がぐっと2時間に詰まった、素晴らしい作品になっていると思います」と自信を見せ、「自分の役は一稀に対する思いが一番にあるキャラクターなので、その強すぎる思いをどう表現しているのか注目してもらえたら」とアピールした。

中村は「稽古に入るまでは演劇としてどうなるかわからなかったんですが、皆さんと一緒に時間を過ごして、伊勢さんの力もあり、自分がレオとしてどうやって生きていけばいいか、考えられたんじゃないかと思います」とコメント。そして「レオとマブをセットで愛してくださっている方がたくさんいると思うんですが、レオを演じるうえで、逆に孤独感を見せるのがすごく難しくて。その部分にできるだけたくさんの時間を使って稽古したので、レオの葛藤や孤独を本番で見せていけたらと思っています」と意気込んだ。高本は「原作を知らずに舞台を見に来てくださる方にも、わかりやすく2人の関係性が伝わるような作り方を2人で考えてきたので、初めて見に来てくださる方にも熱量を持ってお届けできるんじゃないかと思います」と語った。

本作でキャラクターたちが披露するさまざまなポーズは再現が難しかったとのことで、木津は「もう手もつりそうだし、足もプルプルしてる(笑)」と明かし、設楽も「どうしたらあんな形になれるのか……」と漏らす。高本が「ポーズも各々が研究して、いろいろみんなで改良しながらやってきたので、原作に近付いているんじゃないかと思います」と補足すると、ほかの4人が「ありがとうございます!」と頭を下げてみせるなど、和気藹々とした空気感がうかがえた。中村は映像を交えた演出についても触れ、「映像と合わさって、ものすごく説得力が増しました。“2.5次元とはこういうもの”というか。すごく助けていただいています」と笑顔を見せた。

「さらに『さらざんまい』~愛と欲望のステージ~」は12月1日まで東京・シアター1010で、12月7日・8日に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演される。

「さらに『さらざんまい』~愛と欲望のステージ~」

日時:2019年11月28日(木)~12月1日(日)
会場:東京都 シアター1010

日時:2019年12月7日(土)・8日(日)
会場:大阪府 COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール

スタッフ

原作:イクニラッパー / シリコマンダーズ
スーパーバイザー:幾原邦彦
脚本・演出:伊勢直弘

キャスト

矢逆一稀:木津つばさ
久慈悠:設楽銀河
陣内燕太:野口準
新星玲央:中村太郎
阿久津真武:高本学
矢逆春河:深澤大河
久慈誓:横井翔二郎
吾妻サラ:帝子
ケッピ:一内侑
ほか

(c)イクニラッパー/シリコマンダーズ (c)舞台「さらざんまい」製作委員会