10年後の磯野家描く舞台「サザエさん」開幕!タマ役・酒井敏也は猫動画で役作り

囲み取材の様子。

「明治座 9月公演 舞台『サザエさん』」が、本日9月3日に東京・明治座で開幕。初日公演終了後の囲み取材が実施され、サザエ役の藤原紀香、マスオ役の葛山信吾、フネ役の高橋恵子、波平役の松平健、カツオ役の荒牧慶彦、ワカメ役の秋元真夏(乃木坂46)、タラオ役の大平峻也、タマ役の酒井敏也が登壇した。なお本記事は作品の内容に触れているため、ネタバレを避けたい方はご注意を。

長谷川町子原作によるアニメ「サザエさん」が、10月に放送開始50周年を迎えることを記念して上演される本作。物語はアニメの10年後の設定で、それぞれが忙しくなり家族団欒ができなくなりつつある磯野家の姿が描かれる。藤原はアニメと変わらず明るくおっちょこちょいなサザエを好演。勤め先の海山商事で部長に出世したマスオをはじめ、カツオは大学生に、ワカメは服飾の専門学校生に、そしてタラオは高校受験を控えて学習塾に通う秀才に成長。高橋はそんな家族を変わらずに思い続けるフネの愛情を表現し、松平は定年退職してかつての元気を失いつつある波平を哀愁たっぷりに演じる。そして酒井は、磯野家で起こる騒動に静かにツッコミを入れていく年老いた猫のタマ役をコミカルに務めた。

さらに舞台には“サブちゃん”こと三河屋の三郎、マスオの部下となった穴子、カツオの幼馴染である中島や花沢さんなど、おなじみの面々も登場。主題歌や効果音、磯野家の面々が登場するオープニングのシーンなど、アニメを再現した要素も多く盛り込まれた。

囲み取材で初日を迎えた感想を聞かれた藤原は、「演出家の田村孝裕先生のご指導のもと、かなり細かく稽古を重ねてきたので、初日はうまくいきました」と自信をのぞかせる。稽古については「みんなが大好きな『サザエさん』ですからプレッシャーもありましたが、座組の皆さんが『サザエさん』に対して愛やリスペクトを持っていて目指すものが一緒だったので、結束が強まるのが早かったです」と振り返り、松平は「アニメという見本があるので、最初は(演じ方をアニメに)寄せるのですが、役をものにしていって、最終的には真似にならないよう自分を出していきました」と語った。

役作りに関して、高橋は「10年後なのでどのぐらい老けるのかと思っていたのですが、あまり歳を取っていない感じでいいのかなと思いました」とコメント。マスオ役の葛山は「アニメでマスオさんの髪の毛がはねているのが印象的で。前から見るときちんとしているけど、横から見るとちょっと面白いというのが、マスオさんの人柄を表していると思います」と髪形を真似したことを明かした。大平は「田村さんもおっしゃっていたのですが、家族の中ではタラちゃんが一番成長度合いが大きいので、いい意味でお客様の期待を裏切れたらと思いました」と話し、荒牧は「子供の10年って人格も変われば、顔付きも変わるので、自由に考えていいものと思って、大学生のカツオを作らせていただきました」と真摯に述べた。

個人としての初舞台が「サザエさん」である秋元は「みんなが知ってるワカメちゃんが大きくなったらどうなるのか?と、たくさん悩みました。田村さんや共演者の皆さんにアドバイスをたくさんいただき、助けていただいています」と感謝を述べる。そしてタマ役の酒井は「過去に犬役やハト役をやっていたので、今回、タマ役と聞いて『おー!』っと思いました」と話し、役作りについては「葛山さんの家の猫の動画を観せていただき、勉強しました」と明かして記者たちの笑いを誘った。

また藤原は「ほがらかでおっちょこちょいなところは、サザエさんとちょっと似ていると思います」とサザエとの共通点を話し、大平からは「最初にご挨拶させていただいたときに、緊張しながら挨拶したら、藤原さんが『サザエでございま~す!』って迎えてくださったんです」というエピソードも明かされる。最後に藤原は「時代が移り変わるにつれ、家族団欒することが難しくなっていますが、サザエさんが言うとおり、家族でなんでも話すことが大事だなと思いながら演じています。最高の家族になりました。劇場でお待ちしています!」と来場を呼びかけた。東京公演は9月17日まで行われ、9月28日から10月13日までは博多座で福岡公演が行われる。

舞台「サザエさん」

東京公演

日程:2019年9月3日(火)~9月17日(火)
会場:明治座

福岡公演

日程:2019年9月28日(土)~10月13日(日)
会場:博多座

スタッフ

脚本・演出:田村孝裕

キャスト

サザエ:藤原紀香
マスオ:葛山信吾
カツオ:荒牧慶彦
ワカメ:秋元真夏(乃木坂46)、齊藤京子(日向坂46)
タラオ:大平峻也
フネ:高橋恵子
波平:松平健
タマ役:酒井敏也
ほか