「ギブン」など新作や「PSYCHO-PASS 3」続報、裏話も飛び出すアニメ発表会

「フジテレビ アニメラインナップ発表会 2019」の様子。

「フジテレビ アニメラインナップ発表会 2019」が、去る3月14日に東京・お台場のフジテレビ本社にて開催された。

フジテレビのアニメ枠「ノイタミナ」や劇場アニメ作品の新情報を一挙に発表する同イベント。2019年は例年の新作ラインナップの発表に加え、“拡張”をテーマに展開。各種配信サイトをメインチャンネルとして発表会の模様を配信しつつ、サブチャンネルとしてYouTube LIVEにて360度のVR配信も行われた。司会は昨年に引き続き、ニッポン放送アナウンサー・吉田尚記が務めた。

まず第1部では、昨年新たに誕生したフジテレビのアニメ枠「+Ultra」作品のコーナーを展開。まずは1月より放送中のオリジナルアニメ「revisions リヴィジョンズ」より、主人公の堂嶋大介役・内山昂輝からのコメント動画が紹介される。印象に残っているエピソードや、大介というキャラクターを試行錯誤して演じたことを述懐。そして最終回に向け「これからさらに盛り上がっていきます。改めて1話から見直してみると、新たな面が見えてくる作品です。大介の奮闘を見守ってもらえれば」と語った。

続く作品は、4月から放送される渡辺信一郎監督によるオリジナルアニメ「キャロル&チューズデイ」。最新のPVが上映されたのち、キャロル役の島袋美由利、チューズデイ役の市ノ瀬加那、アンジェラ役の上坂すみれが登場する。上坂は本作について「空気感がキラキラしてて。渡辺監督ってどちらかというと無骨というか、骨太な作品のイメージでしたけど、こういう少女たちの物語を作られるのは意外でした」と話す。吉田アナウンサーから、脇を固めるキャラクターのキャストに大塚明夫、神谷浩史、入野自由、宮野真守といった豪華な顔ぶれが揃うことについて問われると、市ノ瀬は「濃いですねえ(笑)。アフレコのときも楽しそうな話がいろんなところから聞こえてきて。私たちも楽しくなっちゃいます(笑)」と笑顔を見せ、島袋も「収録中に笑っちゃうことも多くて。緊張しながらも楽しく参加させていただいてます」と続けた。

この日、追加キャストとしてアンジェラのマネージャー・ダリア役を堀内賢雄が務めることが発表されると、上坂は「皆さん、どんな感じになるのか想像もつかないと思うんですけど、衝撃を受けると思います。絶対音感の試しどころです」とコメント。続けてチューズデイの母親で大物政治家であるヴァレリー役を宮寺智子、チューズデイの兄・スペンサー役を櫻井孝宏が演じることも伝えられた。

また制作の舞台裏に密着したメイキングの予告映像も上映される。市ノ瀬が「本当に面白い作品なので、1人でも多くの方に見てほしいなって思います。この作品の音楽の素晴らしさだったり、キャラの個性を見届けていただきたいです」と作品をアピール。島袋は「私はまだ完成したものを観れてないのですが、皆さんにお届けできるのを楽しみにしてます」と締めくくった。

さらに第1部では「+Ultra」の新作として、10月より板垣巴留原作によるTVアニメ「BEASTARS」、2020年1月より桑原太矩原作によるTVアニメ「空挺ドラゴンズ」が放送されることを発表。続く第2部では、本年度に上映予定の映画作品がピックアップされ、原恵一監督によるアニメ映画「バースデー・ワンダーランド」、湯浅政明が監督を務める劇場アニメ「きみと、波にのれたら」、劇場版「冴えない彼女の育てかた Fine(フィーネ)」のPVが立て続けに画面を彩った。

そして第3部「ノイタミナ」枠のコーナーへ突入する。まずは現在放送中の白井カイウ出水ぽすか原作によるTVアニメ「約束のネバーランド」より、エマ役の諸星すみれ、ノーマン役の内田真礼、レイ役の伊瀬茉莉也からのコメント動画が紹介される。佳境に突入する本アニメの今後の展開について、仲良く語り合う3人姿が映し出された。

さらに新作アニメとしてまず紹介されたのは、4月から放送の幾原邦彦が監督を務めるオリジナルアニメ「さらざんまい」。陣内燕太役の堀江瞬が登場し、まずは「僕自身も幾原監督の作品が好きで観ていたので、オーディションに受かったときは信じられない気持ちでした」と本作に出演する思いを語る。すでにアフレコを終えているという堀江は、「奇想天外なあらすじなんですけど、些細な一言がネタバレにつながるんじゃないかとドキドキします(笑)」と心配そうにトークを展開。「些細だと思うシーンほど重要だったりします」と続けた。

途中、矢逆一稀役の村瀬歩、久慈悠役の内山昂輝からのコメント動画が紹介されたのち、アニメのエンディングテーマがthe peggies「スタンドバイミー」に決定したことが解禁に。本楽曲を使用したPVにもお目見えした。吉田アナウンサーから、幾原ファンからのリアクションが気になるかと問われると、堀江は「気になります! 幾原監督を追いかける方って考察がお好きじゃないですか。Twitterなどを見てたら、オープニングテーマのKANA-BOONさんが歌う『まっさら』の歌詞から推測する方もいて。それがあながち間違ってるとも言えないんですよね……(笑)」と苦笑いを浮かべる。そして「『さらざんまい』はつながりがテーマになっている作品。僕たちが生きてく中で、見失しなっているものにスポットを当ててます。考えさせられる何かが残ると思いますので、最後まで見届けていただきたいです」と思いを述べた。

7月放送の新作として、キヅナツキのBL「ギヴン」のTVアニメ化が解禁される。「ノイタミナ」枠でBL作品がアニメ化されるのはこれが初めてのこと。公開されたPVにて、主要キャスト、スタッフ情報も一挙発表された。そしてTVアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス 3」より慎導灼役の梶裕貴、炯・ミハイル・イグナトフ役の中村悠一がステージに現れた。去る3月8日に行われた劇場アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3 恩讐の彼方に__」の舞台挨拶で情報解禁された本作。梶は「新シリーズの発表とともにキービジュアルも解禁されて。上映前だったのに新しい情報が多すぎて、その後映画をご覧になった方はとっちらかっちゃったんじゃないかな(笑)」と振り返る。また中村は「僕は今まで『PSYCHO-PASS』に仕事で接する機会はなかったんですが、我々が大好物な世界観というのは知っていて(笑)。得体の知れない面白い沼が待ち構えているなという印象だったのですが、実際にアフレコをやってみたら、思ったとおりの沼が待ってました」と語る。

この日解禁されたPVにて放送時期が10月であることが明かされるが、PVが既存のイラストを使用したシンプルな内容だったため、中村からは「いやいや、情報が少なすぎでしょ(笑)」、梶からは「声が聞けるかと思ったのに」とツッコミが入る。しかし吉田アナウンサーから「いやいや、ほかにもあるんですよ。2人のキャラ情報とか……」と、モニターに2人のキャラクター設定画が映し出された。「僕らもアニメのイラストを色つきで見るのは初めてかも知れないです(笑)」と笑う梶は「人よりもだいぶ、人を理解する力が優れているキャラクターです。あんまり詳しく言えないけど(笑)」と自身の演じる灼について解説する。さらに「あとは自宅の車の中でしか眠れないっていう、基本的に眠そうな人です。いつも欠伸をしてて」と続けた。一方の中村は炯について「元軍人で、灼とは幼なじみで」と語るも、炯と灼の名前が似ていて紛らわしいと言い始め、「こんな似た漢字じゃなくていいと思うけど、何か意味があるのかも……。わからないことだらけですからね」と語り、トークを盛り上げた。

発表会の最後を飾る作品は劇場中編アニメ「甲鉄城のカバネリ 海門決戦」。生駒役の畠中祐、無名役の千本木彩花が登場しトークを繰り広げた。2016年以来となったアフレコについて畠中は「今回、別日を設けて仮アフレコとアフレコをやったんですよ。仮アフレコは普通はほかの役者さんに読んでもらって確認作業をやるんですけど、今回、僕ら2人は本人でやらせてもらって」と熱く語る。千本木も「本当にスタッフさんたちの気合を感じますし、私たちも感想を言い合ったり、監督ともいろいろ話し合いました」と振り返った。

さらに吉田アナウンサーから公開日が5月10日であることが発表に。NetflixとAmazon Prime Videoにて独占配信が行われることも明かされると、千本木は「配信でも観ることもできるんですけど、是非劇場で観ていただきたい。音響もすごいですし、新しく作られたBGMもありますし。もちろん絵も素晴らしいので」とアピール。畠中も「配信では世界の人に観ていただきたいですね。『カバネリ』が持つ独特の世界観は、国境を超えていくと思うので」と自信をのぞかせた。

最後、千本木は「半年後の世界で、私たちがどう生きていくのか。いろんな感情が湧き上がってくると思うので、楽しみに見てもらいたいです」とコメント。畠中が「とても思い入れのある作品なので、こうしてまた劇場版として戻ってこれてうれしかったです。必ず熱い展開がまっていると思いますのでよろしくお願いします」と述べ、ステージをあとにした。