「GODZILLA」櫻井孝宏がギドラ召喚、瀬下監督は“茂みからメトフィエス”の狙い明かす

劇場アニメ「GODZILLA 星を喰う者」トークイベントの様子。左から瀬下寛之監督、櫻井孝宏。

劇場アニメ「GODZILLA 星を喰う者」のトークイベント「メトフィエスナイト」が、本日11月15日に東京・新宿バルト9にて開催。メトフィエス役の櫻井孝宏と瀬下寛之監督が登壇した。

2017年より3部作で展開され、同作で最終章を迎える「GODZILLA」シリーズ。プレスコで行われた収録について振り返った櫻井は、自身の演じた役について「難しい役だった」としながらも、「収録中は、『どう役を作ろうかな』という楽しみのほうに昇華できていた」と話す。「完成した作品を観て気づかされることも多くあったので、何回も観ないといけないなと思っている」と監督が詰め込んだ要素の多さに驚いていた。

イベントでは3部作から選ばれたメトフィエスにまつわるシーンがスクリーンに写し出され、それについて2人がトークを繰り広げていく。はじめにチョイスされたのは、第1章「GODZILLA 怪獣惑星」より、メトフィエスが茂みから現れるシーン。画像とともに「茂みからメトフィエス」の文字が大きく写されると会場からは大きな笑い声が起こる。各所でキャストにいじられてきたこのシーンについて、櫻井は「響きが楽しいですよね」とその語感の面白さに言及。瀬下監督は「櫻井さんの演技が素晴らしいのに、このシーンのたびに虚淵(玄)さんも、静野(孔文)さんも爆笑してしまう」と正直な感想を漏らす。続けて、このシーンの前に意図的にメトフィエスが登場しないようにしたことを明かし、「登場のインパクトは狙い通りだった」と語った。

ハルオとメトフィエスのラストシーンについては櫻井が、「ハルオ役の宮野(真守)くんとのお芝居の駆け引きの中で、生まれていった」と今では再現できない演技になったことを振り返る。それを聞いた瀬下監督も「監督としてOKを出したりしなきゃいけないのに、この演技を見た後、あまりにもすごくて、かたずを飲んで見守ってしまった」と当時の衝撃を告白。想像を超える演技を受け、この後にどのような映像をつけようか考えさせられたと述懐した。

これまでも櫻井と多くの作品をともに作ってきたと言う瀬下監督は「恥ずかしいから言えなかったけど、今日初めて言うことがある」と切り出す。収録でOKを出しても、もう一度演技をさせてほしいと言う声優がいることを話しながら瀬下監督は「過去の例をみても櫻井さんが圧倒的に多い」と作品に真摯に向き合う櫻井の姿勢を称える。櫻井も具体的に本作の冒頭シーンを挙げ、演技を繰り返す中で監督とのやり取りが生まれてあのシーンができたと語った。

イベントでは櫻井が、ギドラを召喚する儀式を行う場面も。櫻井が「来たれギドラよ、我らに栄えある終焉を」と作中のセリフを述べると、櫻井の手にはギドラのソフビが召喚された。

最後の挨拶では、瀬下監督が「櫻井さんに演じていただいたメトフィエスの素晴らしい演技とともに、一生忘れられない作品になりました」と語る。櫻井は「公開から少し経っていることもあり、やっと3作で揃ったんだなと感慨深いです」と感想を述べる。続けて、「メトフィエスの名前の秘密とか、僕だけしか知らない設定もたくさんあります」と話すと、瀬下監督から「ギリシャ語の7と悪魔・メフィストフェレスのアナグラムなんです」と明かされ、さらに作中にちりばめられた伏線についても解説されていく。観客が静かに聴き入っていると、櫻井が「たぶんこういう話をするべきだったんでしょうね(笑)」と笑いの絶えないイベントとのギャップに言及し、この日一番の笑いが起きる中イベントは幕を閉じた。

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