舞台「文豪ストレイドッグス 黒の時代」開幕!「全面を見せる演劇っぽい作り」
TVアニメ「文豪ストレイドッグス」を原作とした舞台「文豪ストレイドッグス 黒の時代」が、本日9月22日に東京・サンシャイン劇場にて開幕。去る9月21日には公開ゲネプロと囲み取材が行われた。
昨年12月から今年1月にかけて上演された舞台版の第2弾となる同作。TVアニメ第2期の第13話~16話にかけて放送された「黒の時代」のエピソードが展開され、太宰が武装探偵社に入社する以前のストーリーが描かれる。ゆるやかな傾斜のついた舞台の上には本のページがあしらわれた可動式のパネルが置かれ、そこにさまざまな映像が投射されていく。各キャラクターの異能力は、効果音を交えた俳優たちのアクションによって表現。アンサンブルの面々による多彩な動きが“風”や“家具”などさまざまな物を想起させていく。
囲み取材には織田作之助役の谷口賢志、太宰治役の多和田秀弥、坂口安吾役の荒木宏文、演出の中屋敷法仁が登壇。「“小説は人間を描くものである”というテーマの作品を演劇にするにあたり、演劇的に少し挑発をしないといけないと思った」という中屋敷は、今作について「3次元の演劇でこの作品をどう見せようかと考えて、文章で描けないような奥深さ、“劇空間”を見せるということ、いろんな角度で俳優の表情を見せることを思いつきました。正面も横も後ろも全面見せる、演劇っぽい作りになったと思ってます」と説明する。
そんな中屋敷の演出に対し、荒木は「すごく親切だと思います。キャストに対してもそうだけど、お客さんに対しても。今回の『黒の時代』は特にそうだと思うんですが、描かれていないところを読者や視聴者が想像する部分が多いので、こちらから提示するのが難しい作品。中屋敷さんは、観た人が自分なりの答えを出せるようなヒントをたくさん作ってくださってる」と述べた。
特に注目してほしいシーンを問われると、谷口は「とても人気のある作品の舞台化の第2弾で中心人物をやらせていただくにあたり、『40歳で2.5次元の主役をやるのもどうなんだ……』と思いながら、いろんな意味で覚悟を持って挑みました。今回出てない前作のメンバーにも下手なものは見せられないし、『黒の時代』で与えられるものが、秀弥演じる太宰の次につながっていく物語なので、全身全霊で思いを届けようと命をかけてやってます」と真剣な表情で意気込む。
第1弾から引き続き太宰を演じる多和田は「今回のほうが本来の太宰というか、真に迫るものがあるので、前回を観てくださった方には違いを見ていただきたい。油断していると置いていかれちゃうようなスピード感で芝居をやっているので、ぜひ1つひとつのシーンに入り込んだ気持ちで観ていただけたら」と語った。
作中に登場するバーにはモデルとなった店が実在し、そこに多和田と荒木と撮影で訪れたという谷口。「太宰さんと織田作さんと坂口さんの3人が当時飲んでいる写真が飾られてるのを見ることができました。舞台上にあの場所の空気感を持ってきたいなと」と振り返ると、「余計な芝居の相談とかはせず、あそこに座って本当に他愛のないことをやりました」と該当シーンについて述懐する。また「小説を書くことは人間を書くことだ」という劇中のセリフになぞらえて、「演劇を作ることは人間を作ることだし、出会うことだと思っているので、僕たちが演劇を作ることによって、多くのお客様に出会い、人生を一緒に作れたらと思っておりますので、ぜひ劇場に足を運んでください」とメッセージを寄せた。
舞台「文豪ストレイドッグス 黒の時代」は、本日9月22日から10月8日まで東京・サンシャイン劇場、10月13日と10月14日の2日間、大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。全国の映画館では千秋楽公演のライブビューイングが行われる。
舞台「文豪ストレイドッグス 黒の時代」
東京公演
期間:2018年9月22日(土)~10月8日(月・祝)
会場:サンシャイン劇場
大阪公演
期間:2018年10月13日(土)~10月14日(日)
会場:森ノ宮ピロティホール
原作:テレビアニメ「文豪ストレイドッグス」
演出:中屋敷法仁
作:御笠ノ忠次
協力:朝霧カフカ・春河35
キャスト
織田作之助:谷口賢志
太宰治:多和田秀弥
坂口安吾:荒木宏文
ジイド:林野健志
森鴎外:窪寺昭
エリス:大渕野々花
広津柳浪:加藤ひろたか
種田山頭火:熊野利哉
江戸川乱歩:長江崚行
(c)舞台「文豪ストレイドッグス 黒の時代」製作委員会