「銃夢」キャメロン監督による映画化に、木城ゆきと「冗談が本当になるとは」

映画「アリータ:バトル・エンジェル」のプレゼンテーションに参加したジョン・ランドー。

木城ゆきと「銃夢」を原作とした映画「アリータ:バトル・エンジェル」のプレゼンテーションが、本日6月14日に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて開催された。

イベントにはプロデューサーのジョン・ランドーが出席。壇上ではフッテージ映像の3D上映が行われ、アリータが目を覚ますシーンを筆頭に、イドに「私が誰なのか教えて」と問うさま、初めて“アイアンシティ”に出る場面、若者ヒューゴとの出会い、そして敵との激しいバトルシーンなどが次々とスクリーンに映し出されていく。ランドーは、アリータについて「記憶がないまま産み落とされた若い少女が、世の中を変える力を持っていると気付くようになるんです。アリータはパフォーマンスキャプチャを使って捉えました」と述べた。

また木城からは「編集者の人と『キャメロンが映画化したいと言ってきたらどうする?』と冗談を言い合っていたものです。強いヒロイン、アクション、SFビジュアル、などキャメロン監督と僕の作品には共通点が多いけれども、本当にそうなるとは、もちろんその時は夢にも思っていませんでした」「僕自身、この映画の完成をとても楽しみにしています」というメッセージも到着。MCが代読すると、ランドーは「木城先生はアイアンシティのセットに来てくれたときに、ご自身が作った世界に近いと感じたそうで、笑顔をたたえて歩いていました」と顔をほころばせながら語った。

質疑応答のコーナーでは、「『銃夢』との出会いは?」という質問が。ランドーは「実はギレルモ・デル・トロが関わっているんです。彼が『(映像化を)ちょっと考えてみたほうがいいですよ。僕はとっても気に入ってしまいました』とマンガシリーズを持ってきてくれて」と答え、報道陣を驚かせる。さらにアリータの目の大きさが話題になったことに関しては「目は心の窓。大きくするほどキャラクターの心の中へ人を引き込めるんです」と返し、「マンガのビジュアルを生かしたいと意識していました。キャラクターたちがマンガのページから飛び出てきて、スクリーン上から躍り出すように作りたいと思いました」と明かす。また「もう一度日本へ戻ってきて、皆さんに全編をお見せするのが楽しみです」と語り、イベントは幕を閉じた。

「銃夢」は戦闘技能に優れたサイボーグの少女・ガリィの成長を描いたSFアクション。1990年から1995年までビジネスジャンプで連載され、その続編となる「銃夢 LastOrder」がウルトラジャンプ(ともに集英社)にて発表された。現在はイブニング(講談社)で最新シリーズ「銃夢火星戦記」が連載されており、単行本は5巻まで刊行中。映画は主人公アリータをローサ・サラザールが演じ、12月に公開される。

木城ゆきと コメント

「銃夢」の最初の連載が終わる少し前の1994年から、海外のプロデューサーや監督から映画化したいというオファーがいくつかきて、そんなとき編集者の人と「キャメロンが映画化したいと言ってきたらどうする?」と冗談を言い合っていたものです。強いヒロイン、アクション、SFビジュアル、などキャメロン監督と僕の作品には共通点が多いけれども、本当にそうなるとは、もちろんその時は夢にも思っていませんでした。
そしてこの度、「アリータ:バトル・エンジェル」の世界で初めてメディアに公開される最新映像を、作品が生まれた日本に最初に持ってきていただき、ありがとうございます。
僕自身、この映画の完成をとても楽しみにしています。

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