「萩尾望都×山岸凉子×大和和紀 三人展」新しいテーマや表現に挑戦し続けた3人の軌跡たどる

「少女漫画・インフィニティ 萩尾望都×山岸凉子×大和和紀 三人展」の様子

萩尾望都、山岸凉子、大和和紀の画業をたどる大規模展覧会「少女漫画・インフィニティ 萩尾望都×山岸凉子×大和和紀 三人展」のプレス向け内覧会が、本日10月27日に東京・六本木の国立新美術館で行われた。

10月28日から2027年2月8日まで東京・国立新美術館の開館20周年企画として開催される「少女漫画・インフィニティ 萩尾望都×山岸凉子×大和和紀 三人展」。3人のデビュー初期から現在に至るまでの約60年にわたる歩みを作品でたどっていく。また少女マンガの魅力を「インフィニティ」という言葉に込め、少女マンガの“無限性”を掘り下げる。なおカラー作品は前期、後期の展示替えがある。

内覧会では、国立新美術館の館長・菅谷富夫氏と、国立新美術館の主任研究員で、同展を監修した吉村麗氏が挨拶した。国立新美術館で大規模な少女マンガ展が開催されるのは今回が初。菅谷氏は国立新美術館で開催することの意義や強みなどを語りながら、少女マンガの面白さと飛躍を「自分の目で確かめてほしい」と呼びかける。また吉村氏は同展について、日本の少女マンガは独自の発展を遂げ、ポップカルチャーの多様化に貢献してきたものの、「美術的・文化的な再評価がまだ十分ではない」という問題意識から企画されたと明かす。1960年代後半のデビューから現在に至るまで、常に新しいテーマや表現に挑戦し続けてきた萩尾、山岸、大和の息の長い活動と業績を正しく評価することも目指していると語った。

会場では、大きく全4つのセクションで展示を構成。「セクション1. 少女漫画の金字塔」は萩尾、山岸、大和の作品が一堂に会するプロローグ的なコーナーで、「ポーの一族」「トーマの心臓」「アラベスク」「日出処の天子」「はいからさんが通る」「あさきゆめみし」という3人それぞれの代表作が華やかに展開される。続く「セクション2. デビューの頃~1970年代の少女漫画~」では、3人のデビュー期の作品とともに、デビュー当時の雑誌や出版物などを展示し、当時の社会情勢や同時代性を紹介した。

そして同展で最も大きなボリュームを占めるのが「セクション3. 3つの宇宙」。大和、萩尾、山岸の順番で年代やテーマに分けられて原画や貴重資料が並ぶ。まず1966年にデビューした大和のコーナーは、「ごきげんふたごちゃん」や「モンシェリCoCo」「ラブパック」といった“王道少女マンガ”から始まり、数々のメディア化も果たし“女性の自立”というテーマを明るく力強く描いた「はいからさんが通る」、そして「源氏物語」のマンガ化に挑んだ「あさきゆめみし」へと続いていく。また1970年代を中心に描かれたヨーロッパやアメリカを舞台にした作品や学園青春ものも取り上げている。

萩尾のコーナーは、少女マンガの世界に新しい風を吹き込んだ画期的な作品「ポーの一族」の展示からスタート。初期の萩尾の作品において重要なモチーフだった「少年」をテーマにした「トーマの心臓」へと続く。また生涯にわたり継続的に取り組んできたSFジャンル作品として「11人いる!」「スター・レッド」「銀の三角」といった作品や、人間の内面を徹底して描き出した「半神」や「メッシュ」、「残酷な神が支配する」といった作品も紹介している。

最後を飾る山岸のコーナーは、初の長期連載となった「アラベスク」を中心に初期作品がお目見え。当時の少女たちを熱狂させ、センセーションを起こした「日出処の天子」、2000年代に入って改めて描いた本格的な長編バレエマンガ「舞姫 テレプシコーラ」と展開される。そのほか山岸が繰り返し描いてきた「家族」をテーマにした作品群や短編も数多く披露された。また各コーナーでは、インタビュー動画も上映。マンガ家を目指したきっかけや、少女マンガがここまで発展した理由、作品のインスピレーションの源などさまざまなテーマが語られている。

「セクション4. 響き合うイメージ」では、再び3人の作品が一堂に会す。「少女漫画とファッション」「平安時代の物語」「母と娘の相克」といった作品に共通するテーマやトピックで、3人の作品が揃えられた。会場では音声ガイドも用意。ナビゲーターは、「ポーの一族」「はいからさんが通る」など宝塚歌劇の舞台で作品世界を表現してきた柚香光が務めている。また会場では、展覧会のオリジナルグッズも販売される。

「少女漫画・インフィニティ 萩尾望都×山岸凉子×大和和紀 三人展」

会期:2026年10月28日(水)~2027年2月8日(月)
休館日:毎週火曜日(※11月3日、12月8日は開館)、11月4日(水)、12月28日(月)~2027年1月5日(火)
時間:10:00~18:00 (毎週金・土曜日は20:00まで) ※入場は閉館の30分前まで
会場:東京都 国立新美術館 企画展示室2E
料金:当日券一般2200円、大学生1000円、高校生500円、前売り券一般2000円、大学生800円、高校生300円 ※中学生以下、障害者手帳を持参した人と付添1人は入場無料