「時をかける少女」以降で意識したことは 細田守×染谷将太が振り返るあの頃、この頃
明日6月20日に開幕する「細田守の原点/展」の開催に先立ち、細田守監督と、細田作品に4回の出演経験がある染谷将太によるトークショーが、本日6月19日に東京・CREATIVE MUSEUM TOKYOで行われた。なおコミックナタリーでは、同日に行われた内覧会の様子もレポートしている。
出会いのオーディションでは演技以外の話も
「おおかみこどもの雨と雪」で田辺先生、「バケモノの子」で主人公・九太、「竜とそばかすの姫」で千頭慎次郎、「果てしなきスカーレット」でギルデンスターンと、これまで4作に出演してきた染谷。2人の出会いは「おおかみこどもの雨と雪」のオーディション会場であり、染谷は「もともと細田監督の作品は好きでしたが、声のお仕事もやったことなかったし、オーディションを受けるのは緊張しました」と振り返る。オーディション時、染谷にセリフを演じてもらうだけでなく「子供の頃からどういう風に演じてきたのか」という内容まで話したことを明かした細田監督。また会場まで1人で歩いて来た染谷に驚き、「すごいできる人なんじゃないかって思ってました(笑)」と当時の印象を伝えた。
「バケモノの子」では、オーディションなしで染谷に九太役をお願いしたと言う細田監督。染谷は当時驚いたものの、「スタジオには監督と素敵な役者さんたちが九太を見守っているという、作品のような景色が広がっていました」と楽しかったアフレコの様子を語る。またアフレコが声優ごとに録音する“抜き録り”ではなく、そのシーンに出ている役者が集まる“順録り”であったことも明かされた。
世代とともに変わるもの、変わらないものは何か
細田監督の作品の魅力を問われた染谷は「エンタテインメントとして楽しめるのは大前提にあって、その中に人々と時代の変化が伴って表現されているのが自分の胸に響きます。自分にも子供が生まれて、家族を持って改めて『おおかみこども』を観るとまったく違う感覚で。世代を超えていろんな方がいろんなとらえ方をできる、でもずっとぶれない信念があるんですよね」と語る。細田監督も「時代とともに変わっていくもの、変わらないものがある」と説き、「『時をかける少女』はたくさん映画化されてきた経緯があって。その中で時代ごとに変化していくもの、反対に共通して変わらないものはなんだろうということを、制作時に考えていました。それは『サマーウォーズ』以降でも意識して映画を作るようになりましたね」と語った。
中3で制作した初アニメ、「作らずにはいられなかった」
また今回の展覧会では、細田監督が中学3年生のときに初めて自主制作したアニメーション映像「one-sided war」も公開。中学校時代の文化祭以来、44年ぶりの上映に細田監督は「ものすごい恥ずかしい(笑)。原点を見せるこの展覧会でないと出さないようなものですよ」と恥ずかしがる様子を見せるも、改めて映像を観ての感想を「案外変わっていない部分も多いんだなと思います」と述べた。
アニメ制作に興味を持ったきっかけは、1982年の夏にNHKで放送された、アニメを作る学生の特集だと細田監督は振り返る。「番組を観て、羨ましくて、作らずにはいられないって気持ちになったんです。それを44年後に発表するとは思いもよらずに(笑)」と笑う。「作りたい衝動は抑えきれないというか。(アニメの制作は)誰に頼まれたとか、お金が貰えるとか、褒められるとかじゃないですか。今の若い人がこういうものを見て、自分でやってみようかな、やってもいいんだと思って、刺激になればいいなと思います」と語った。
最後に2人がファンへメッセージを送る。染谷は「子供から大人まで楽しめる展示です。監督の本当の原点を見られる機会はあまりないと思うので、ぜひ足を運んでいただけたらと思います」と伝える。細田監督は「これまで自分で作品を振り返ることなく制作してきたんですけど、こういう機会を作っていただいたことで、この先どうなるかわかならいまま進む、いいものにしたい、いいものを見せたいという20年前の気持ちを改めて思い出しました。(展覧会を見ることで)一貫しているものがあるんじゃないかと感じてもらえたらと思います」と締めくくり、イベントは閉幕した。
「細田守の原点/展」は明日6月20日に東京・CREATIVE MUSEUM TOKYOで開幕。「時をかける少女」の公開20周年を記念して開催される過去最大規模の展覧会で、東京会場を皮切りに、大阪、福岡を巡回する。
「細田守の原点/展」
期間:2026年6月20日(土)~8月31日(月)
会場:東京都 CREATIVE MUSEUM TOKYO
期間:2026年10月28日(水)~2027年1月4日(月)
会場:大阪府 グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル イベントラボ
期間:2027年1月22日(金)~3月28日(日)
会場:福岡県 福岡市美術館
前売券:一般・大学生2300円、高校生1300円、小・中学生800円
当日券:一般・大学生2500円、高校生1500円、小・中学生1000円
「細田守の原点/展」オリジナルじゃばらポストカードセット券:3100円
KING KAZMA vs LOVE MACHINEマフラータオルセット券:4800円
(c)細田守の原点/展
