今年初開催となる「第1回 日中国際アニメ映画祭(JCIAFF)」が、埼玉県所沢市で本日5月28日に開幕。会場の1つ・ところざわサクラタウンでレッドカーペットイベントと開会式、「声優アワード」の20周年を記念したトークショーが行われた。
所沢から新たな文化発信を目指す「日中国際アニメ映画祭」
日本と中国を中心に、世界のアニメーション文化の交流、新たな表現や才能の発掘を目的に設立された「日中国際アニメ映画祭」。角川文化振興財団が主催し、チェアマンを第22代文化庁長官、第9代東京藝術大学学長などを歴任した宮田亮平氏が務める。コンペティションには「長編アニメ部門」「短編アニメ部門」「ショートショートアニメ部門」「AIアニメ部門」が設置され、審査員には作家の夢枕獏や、アニメーション監督の湯山邦彦、脚本家の吉田玲子、メディアアーティストの落合陽一らが参加。日中を中心に、4部門合計で400作品以上の応募があった。
映画祭は5月31日まで行われ、角川武蔵野ミュージアムやT・ジョイエミテラス所沢も使用してイベントも開催される。29日には「CODAの海賊版対策と動画生成AI問題について」といったカンファレンス、30日には松本梨香やプリキュアシンガーズらが出演の音楽イベント「サクライブ」などを展開。T・ジョイエミテラス所沢では長編・短編ノミネート作品に加え、「ルパン三世 カリオストロの城」「銀河鉄道999」などの名作もスクリーンにかけられる。
レッドカーペットイベントにはチェアマンの宮田氏、所沢市長の小野塚勝俊氏、角川文化振興財団理事長の船津康次氏をはじめ、映画祭の公式アンバサダーを務める神尾晋一郎、審査員らが参加した。開会式は神尾による開幕宣言に始まり、チェアマンの宮田氏、小野塚市長、西武ホールディングスの代表取締役会長・後藤高志氏、東映の代表取締役会長・多田憲之氏が登壇。映画祭の担当理事である角川歴彦氏が中心となって各所に働きかけたことに触れつつ、所沢から新たな文化を発信していく映画祭となること、また日中の文化交流を深める機会となることへの期待を込めて、第1回の開催を祝した。
若い人が声優を目指してくれることがうれしい
開会式後に行われた「声優アワード」トークショーには、公式アンバサダーの神尾に加え、第11回で富山敬賞を受賞した中尾隆聖、第13回で高橋和枝賞を受賞したかないみか、そして3月に発表された第20回の新人声優賞受賞者から、高野大河、寺澤百花、中山祥徳、三川華月、村上まなつが参加した。
まずは今年新人声優賞を受賞した5人が、受賞しての思いを改めて振り返る。寺澤は「自分が携わっているコンテンツの現場で、同じく新人声優賞を受賞した藤寺美徳ちゃんと、2人一緒にサプライズでお祝いしていただいたんです」と笑顔で回想。三川は「人生で立つことなんてないかもしれなかったレッドカーペットを歩けたのも、本当にうれしかったです」とこの日のレッドカーペットの感想を伝える。村上は「お祝いに回らないお寿司を食べに行きたいです、と言っていたら、父親と出演作のスタッフさんと、2回も回らないお寿司に連れて行ってもらえて。『ああ、受賞したんだな』とお米と一緒に噛み締められました!」とほほえましいエピソードを披露した。また、かないも当時を振り返り「母も声優をやっていたので、私も小さい頃から高橋和枝さんに本当にお世話になっていて。その賞をいただけて本当にうれしかったのを覚えています」と回顧した。
国際映画祭の場ということで、グローバルに広がる日本のアニメに関する話題も。神尾は「一番変わったのは全世界同時配信という言葉が生まれてきたことですね。いろいろな国の方からファンレターがリアルタイムで届くようになりました」と環境の変化に触れ、中尾は「なんと言っても『声優』と言って通じるのがすごいです。昔は『声優です』と言うと『え、どこのスーパー?』とか言われたりしてましたから(笑)。今は若い人たちが声優業界を目指してきてくださるのが本当にうれしいことです」と声優の地位の向上に感慨深い様子を見せた。
後半では、共通の質問に対し一斉に○×札で回答する質問コーナーが展開された。「声優になって、想像と違ったなと感じたことはありますか?」という質問には全員が○と回答。高野は「アフレコ現場も、マイク前のお芝居も、すべてが新鮮で、楽しいと感じるのと同時に、難しさも感じます」と答え、寺澤は「全然オーディションに受からない」とリアルな悩みを明かす。司会者にアドバイスを求められたかないは「私はオーディションに行くと『もう知ってるよ』と言われるので、あんまり呼んでいただけないんです(笑)」と中尾と顔を見合わせて笑った。
次の「落ち込んだ時、復活する方法を持っていますか?」という質問に×を出したのは村上。しかし詳しく聞かれると、「回復が必要なほど落ち込んだことがないかもしれないです……!」とポジティブな回答で場を和ませる。○を出した中山が「僕はバイクに乗るので、落ち込んだ時は夜の東京の街に(バイクで)行きます」と話し、ほかの登壇者から「カッコいい!」と声が上がる中、神尾は「僕はコンビニで大人買いです(笑)」とささやかなストレス解消法で一同を笑わせた。ベテランと新人という組み合わせながら、終始笑顔の絶えないトークを繰り広げた声優陣。アンバサダーの神尾が改めて「4日間、映画祭は続きます。日本未公開の中国アニメなども公開されていますので、ぜひ足を運んで一緒に盛り上げてください」と呼びかけ、最後は中尾の「バイバイキーン!」の声でトークショーを締めくくった。
「第1回 日中国際アニメ映画祭」
開催期間:2026年5月28日(木)~5月31日(日)
開催場所:埼玉県 ところざわサクラタウン、角川武蔵野ミュージアム、T・ジョイ エミテラス所沢
(c)角川文化振興財団