庵野秀明がガイナックス破産整理終了を報告、旧友であり最後の社長に感謝と労いの言葉
カラー代表取締役社長の庵野秀明が、本日12月11日に同社公式サイトで「『株式会社ガイナックス』について」という題名の報告文を発表した。アニメーション制作スタジオ・ガイナックスの破産整理が終了し、法人として消滅、42年弱の歴史に幕を下ろしたことを伝えている。
ガイナックス創設期から20年以上籍を置き、今日まで株主として関わっていた庵野。ガイナックスは2024年5月、東京地方裁判所へ会社破産の申立を行い、受理されていた。庵野は報告文の中で、「2019年、当時の代表取締役社長巻智博氏の逮捕を受け、弊社と共にガイナックス社の再建、後に整理に関わる業務に6年近く無償でご尽力を頂きました、関連各社の皆様に、感謝と敬意を申し上げます。各位のご協力を賜り、各作品の権利処理、権利譲渡、制作成果物等各種資料の譲渡に関しまして、正当な手続きをもって、各権利者やクリエイターに無事お戻しする事が叶いました。改めて、感謝致します。ありがとうございました」と述べている。
また庵野は、ガイナックスの「新たに残念だった事」として「旧経営陣体制下に於いて正当性を欠く権利移譲、資料譲渡が行われていた事」を明らかに。これを受けカラーは当時の経営陣に対して民事訴訟を提訴し、2023年1月20日には原告の主張が認められ、被告からの謝罪を受け入れる形で和解が成立したという。
最後に庵野は、ガイナックス最後の代表取締役であり、大学時代からの友人である神村靖宏氏に言及。「本来全うすべき多くの責務や債権者を置き去りにした旧経営陣が、『ガイナックス』という歴史あるアニメスタジオを自らの責任を取る事なく放棄した状態の中、関係各社の理解を得つつ、権利や資料の散逸を防ぎ継承し、債権者へ真摯に向き合い最後まで身を尽くし、その終焉を見届けてくれた」と言葉をかけ、「神村、ありがとう。そして、御苦労様でした」と結んだ。