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奥田亜紀子・志村貴子・冬野梅子らが映画「ゴーストワールド」をイラストで表現

奥田亜紀子、志村貴子、冬野梅子、カナイフユキ、早川モトヒロ、ワカヤマリダヲが映画「ゴーストワールド」のイラストを描き下ろした。

2001年に日本で公開され、11月23日より22年ぶりに全国でロードショーされる映画「ゴーストワールド」。描き下ろしイラストは、それぞれの作風により作品の世界観や登場人物たちが表現された。奥田はシーモアの部屋でコレクションを見るシーモアとイーニドの2人をマンガで描き、志村と冬野はイラストとともに作品へのコメントも綴っている。併せて、澤部渡(スカート)や能町みね子ら幅広いアーティストや作家ら12名のコメントが公開された。

「ゴーストワールド」はダニエル・クロウズの同名マンガを原作とする映画。1990年代アメリカ都市郊外の名もなき町を舞台に、幼なじみで親友同士のソーラ・バーチ演じるイーニドと、スカーレット・ヨハンソン演じるレベッカを描く。高校を卒業しても進路を決めず、周囲をばかにして過ごすシニカルなティーンエイジャーが、大人になることに直面する“低体温系”青春映画だ。イラストポスターはカネコアツシが手がけている。

アユニ・D(PEDRO)コメント

はみ出し者とは:風変わりで周囲に容易に溶け込めない人。
それでいい。
それがいい。
誰だって思春期は旅路を彷徨っている。
寿命が来るまで人間見習い中でいい。
私はこの作品に未来への希望を抱いている。
最高にプリティーでキュートなふたりが大好きだ。

王谷晶コメント

あの頃、「自分はイーニドですらない」と思いながらも泣かされたダサくてイモい元・若者たちよ。中年になってから観る「ゴーストワールド」、強烈に沁みます。

澤部渡(スカート)コメント

若かった頃、「ゴーストワールド」を「お洒落な映画なんでしょ」ぐらいに思い、素通りしたのを反省しています。でも今観ることができてよかった。映画の中のあらゆるビターな状況が今の私に重なり、いびつできれいななにかになりました。

少年アヤコメント

モラトリアムの痛みは、ずっとここにはいられない、という痛みである。イーニドがあっちへ行ったり、こっちへ行ったり、余計なことをしたり、しなかったりする様子を描きながら、本作はどうしようもなく、険しいほどに順行していく時の流れそのものを炙りだしているのではないか。

絶対に終電を逃さない女コメント

10代の頃の日の当たらない鬱屈とした毎日に、光を当ててくれた。イーニドにとってシーモアがヒーローだったように、この映画こそが、すべてのはみ出し者たちにとってのヒーローになる。

竹田ダニエルコメント

ただの「可愛いティーン映画」だと思ったら、大間違い! 「大人の女性」として扱われたいけど、つまらない「大人」には絶対なりたくない。そんな少女の葛藤と閉塞感を、「大人」になった我々は今、どう受け止める? 初公開から22年たった今、社会はどう変われただろうか?

竹中万季コメント

燻った気持ちを抱えた学生時代、私の映画だ! と思った。二人のファッションを一つひとつノートに描いてたことも思い出す。世界に対する居心地の悪さの理由は個人的なものとは限らないことに気づいた今、昔は気に留めてなかったシーンに目がいく。「今は差別を隠すのが上手くなった」という言葉。2023年の今はどうだろう?

玉置周啓(MONO NO AWARE)コメント

イーニドはカラオケに行った方がいい。絶叫しながら踊って、嫌なこと全部忘れて、世の中マトモじゃないやつばっかだってこと受け入れよう。俺ハモるよ。でもこういうカウンセラー気取りが一番鬱陶しいのか。じゃあいいよ、人生における選択をミスりまくるがよい。浮かない顔で街を出て、浮かない顔で帰ってくればよいわ。そうした痛みを伴う往復の先にしか自分の居場所がないってこと、レベッカもいつか分かってくれるさ。

年森瑛コメント

普遍性があること、多くの人の胸を打つということはすなわち凡庸さを意味するのではないと、本作は証明している。

能町みね子コメント

北関東のクソ田舎で育った私は映画館なんか近くになくて、まともに映画館で映画を観たことがなかった。22歳まで。マジで、22歳まで映画を知らなかったと言っていい。22歳、映画くらい観たほうがいいんじゃないかと思って、雑誌「CUT」を買って、自分が興味を持てそうな映画を選んで、恵比寿ガーデンシネマに人生で初めて1人で映画を観に行った、それがゴーストワールドなのだ。すごくないか。この選択肢はすごくないか? 運命づけられてないか? 今でも、こうして運命づけられる人がいるはず。いま大人になって見て思う、イーニドとレベッカのダサい顔! 周りをダサいとこき下ろす本人だってしっかりダサくてそこが愛おしすぎる、顔見るだけで泣ける顔。今のポリコレからしてキツいところもわずかにあるけどそこはちょっと置いとく。みんなイーニドなんだろ? 我々みたいなクソ女子のバイブル、自分がいちばん若いときに観ろ、つまりいま観ろ!

山内マリココメント

「ゴーストワールド」のことを思い出すと胃が痛くなる。映画が公開されたとき、わたしは二十歳だった。スクリーンの中にまさに自分たちみたいな子が映っていることに、うれしさを感じると同時に、親友と二人、多分ちょっとがっかりしていた。なーんだ、わたしたち以外にもいたのかって。

ゆうたろうコメント

イーニドとレベッカの、正反対なんだけど互いを求め合ってる距離感がとにかく愛おしく、物語に登場する90年代の衣装、ヘアメイク小物がとにかく可愛くて。この作品に関わる全てを羨みながら没入していました。多感な時期を生きる素直になれない少年少女が絶妙に描かれてる思いきや、物語を締めくくるラストシーンでは色んな意味で裏切られる、この映画の凄みを最後の最後まで痛感させられました。

映画「ゴーストワールド」

2023年11月23日(木)より全国順次公開

スタッフ

監督:テリー・ツワイゴフ
原作:ダニエル・クロウズ
脚本:ダニエル・クロウズ、テリー・ツワイゴフ
製作:ジョン・マルコヴィッチ
撮影:アフォンソ・ビアト
編集:キャロル・クラヴェッツ=エイカニアン、マイケル・R・ミラー
プロダクション・デザイン:エドワード・T・マカヴォイ
衣装デザイン:メアリー・ゾフレス
音楽:デヴィッド・キティ

キャスト

ソーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンソン、スティーヴ・ブシェミ、ブラッド・レンフロ ほか

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