「ガンニバル」を一言で表すと?柳楽優弥「俳優として“喰われる”怖さがあった」

「ドラマ『ガンニバル』世界同時配信記念スペシャルナイト」の様子。

二宮正明原作によるドラマ「ガンニバル」の世界同時配信を記念したイベントが、本日12月21日に東京・竹芝ポートホールで開催され、阿川大悟役の柳楽優弥、後藤恵介役の笠松将、阿川有希役の吉岡里帆、寺山京介役の高杉真宙、阿川ましろ役の志水心音が登壇した。

イベントは、前方スクリーンに映し出されたオープニングムービーからスタート。その後キャスト陣が客席に近いスペースに登場し、1人ずつ壇上へと上がっていく。5カ月という長期間にわたり作品に向き合ってきたという柳楽は、12月28日に配信を控えた今の気持ちを問われると「国内だけでなく世界中の方たちも見てくださると常に意識しながら作品を作りました。『世界基準ってなんなんだろう』とキャストとスタッフが自問自答しながら作り上げた作品なので、自信があります」と語った。

母親役として参加した吉岡は、自身が演じる有希を「作中でも“1番まっとう”なタイプの人間」だと表現。「周りのキャストの皆さんが本当に濃くて、みんなが怪しく見えてくるんですよ。この怪しさの中で正常でいようする演技が難しかったです」と役作りで難しかったポイントを述べ、「私だったらすぐ引っ越しちゃう」と吐露した。有希の娘で、ある事件をきっかけにしゃべれなくなってしまったましろ役を演じた志水。「微妙な表情の作り方が難しかったです」と明かした。

続いて次回作の準備で現在台湾にいるという片山慎三監督が、リモート越しに登場。「ガンニバル」の第一印象を問われると「人喰い村のマンガだと聞いて、しかも表紙を見たら怖いおじいちゃんが出ているし、ディズニーでやって大丈夫かなと(笑)。ただ読んでいくうちに人間ドラマが強調されて描かれていると感じて、いいドラマにしてお届けしたいと思いました」と述べた。キャスティングについては原作を読んでいるときに大悟役として最初に思い浮かんだのが柳楽だと明かし、「柳楽さんに出演いただいたことで、実写ならではのキャラクターの輪郭や方向性みたいなものが定まりました」と語る。恵介役の笠松についても強く希望を出したようで「後藤家の中では一番のリーダーなんだな、とすぐわかるような存在感がありました」と話すと、笠松は照れくさいと言いながら「片山作品のファンでもあるし光栄です」と答えた。

その後キャスト同士の質問コーナーへ。笠松から「撮影中に楽しかったこと苦しかったこと」を問われた柳楽は「いいシーンを撮るのは大変なんだけど、そのあと楽しかったなと感じちゃう」と回答すると笠松はどこか納得した様子を見せる。「“楽しい”と“大変”が同じところにあると聞いて、柳楽さんのすごさが腑に落ちました」と述べた。高杉も柳楽に「20代から30代にかけて何か変化はありましたか」と投げかける。「先輩だけじゃなく後輩がだんだんできてくるので、しっかりしないとなと思うのは変化だと思います」と柳楽が回答すると、高杉は年齢を重ねるのは楽しみだとした上で、「後輩ができるというのも楽しみの一つですね」と語った。

「『ガンニバル』を一言で表すと?」といったお題に対し事前にフリップを用意していたキャスト陣。「喰。」と書いた柳楽は「すごいメンバーが集まっているんだなと実感して。(役柄的に)全員と絡みますから、俳優として“喰われる”っていう怖さが常にあったなと思います。こういうメンバーでいるから自分もよりいい演技ができないかなと考えていましたし、大悟とちょっと重なってもいました」と解説する。吉岡は後藤家、阿川家、大悟のことを考えて「轟」という字を選択。「現場では常にキャラクターたちが頭の中ですごい音量で訴え、喚いているような感じがして。穏やかで静かな村だけど、撮影期間中はずっと轟音が聞こえてくる現場でした」と話した。

イベントの最後には代表して柳楽が挨拶。「人気マンガを、片山組で映画のクオリティを保ってドラマにしました。国際的な視点を常に持ちトライアンドエラーを繰り返していく中で、クリエイティブにあふれているいい現場だったと思います。それは作品に刻まれていると思いますので楽しみに待っていてください」と締めくくりイベントは閉幕した。

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