荒木飛呂彦「ゴッドファーザー」50周年でコメント「いったい何回見返した事だろうか」
荒木飛呂彦が、今年劇場公開50周年を迎えた映画「ゴッドファーザー」にコメントを寄せた。
荒木は「きっと今まで作られた映画の中で史上最高の一本。僕はいったい何回見返した事だろうか。年齢を重ねて観るたびに描かれている真実を理解し始める」と語り、名シーンとして「長男ソニーが敵に考えをチラッとしゃべってしまう時に、父ビトーが、お酒をすすめて場の空気を変えようとするその小さいグラスの酒。親子関係、長男の性格、これから来る攻撃と運命が集約されていて深い。」と、第1作のソロッツォとの交渉の場面を名シーンにあげた。また荒木のほかに脚本家の三谷幸喜、作家の柚月裕子、龍が如くスタジオ代表・制作総指揮の横山昌義もコメントを寄せた。
映画「ゴッドファーザー」は、マフィアの掟とファミリーの盛衰を描いた作品。1972年3月24日に全米で公開され、当時の興行収入を塗り替える大ヒットを記録した。またその年のアカデミー賞の11部門でノミネートされ、作品賞、脚本賞、主演男優賞を受賞している。50周年を記念し2月25日、26日、27日に東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田にて全3作の特別上映するほか、3月25日に4K Ultra HD版のリリースが決定してる。
荒木飛呂彦コメント
「ゴッドファーザー」へのコメント
きっと今まで作られた映画の中で史上最高の一本。僕はいったい何回見返した事だろうか。年齢を重ねて観るたびに描かれている真実を理解し始める。
でも3時間近い上映時間、このマフィアの家族たちと一緒に、ずっと同じ時の中を過ごしていたいとさえ思う。何もかも良い趣味で、音楽も靴も部屋の窓枠の形も飲んでるお酒の小さいグラスも孫と遊ぶ裏庭も全部良い。
「ゴッドファーザー」3部作で一番好きなシーン
長男ソニーが敵に考えをチラッとしゃべってしまう時に、父ビトーが、お酒をすすめて場の空気を変えようとするその小さいグラスの酒。
親子関係、長男の性格、これから来る攻撃と運命が集約されていて深い。
三谷幸喜(脚本家)コメント
「ゴッドファーザー」へのコメント
僕が台本を書く時のお手本です。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主人公北条義時のモデルは、ほとんどマイケル・コルレオーネです。
「ゴッドファーザー」3部作で一番好きなシーン
PART3の、マイケルが懺悔をするところ。
マイケルの人生の全てがそこにあるから。
柚月裕子作家(コメント)
「ゴッドファーザー」へのコメント
人生のすべての苦悩と、その答えが描かれている名作。自分の創作の原点です。
「ゴッドファーザー」3部作で一番好きなシーン
最終章 オペラ劇場でマイケルが絶叫するシーン。
三部作を通して、唯一、マイケルが人前で激情を見せた場面だと思います。そのときの彼は、きっと誰もがはじめて見るマイケルだったのではないでしょうか。それまで彼が胸の奥に押し殺してきた苦しみ、悲しみ、罪悪感が一気にあふれ出た場面は、あまりに辛く涙が出ました。
横山昌義(龍が如くスタジオ代表・制作総指揮)コメント
「ゴッドファーザー」へのコメント
仕事への信念。仁義を切ることの大事さ。一人の男の持つ覚悟の力を教えてくれる映画だと思っています。『龍が如く』 シリーズでも男の生き様を通じて近いものを描いてきた自分にとっては大先輩のような存在です。
「ゴッドファーザー」3部作で一番好きなシーン
1作目の終盤、幼児洗礼のシーン。
神聖な儀式を前に発せられる偽りの誓いの言葉。そして同時に描写される数々の“仕事”。主人公マイケルの強烈な野心と覚悟を感じられる最高のシーン。この数分間の全部がすごいと思います。
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